712話 ロッテのワンコ言葉
ロッテのワンコ言葉
「じゃあ、遣るよ、此れからの講義は
貴方にやって貰うからね、しっかり覚えて。」
『ふゃ~い』
「何じゃい、そのやる気ない返事。いいゃ、じゃぁ講義を始めるよ。』
一通り、説明した所で、
「どお、出来そう?」
ロッテが天井を見上げてブツブツ言ってます
『OKわん、明日の講義は任せてわん。』
「おっ?急にワンコ言葉に成りましたね。」
『この方が偉ぶってないから良いわん。』
「確かにねぇ、偉ぶった先生は向かないわねぇ。
まぁ、みんなに可愛がられた方が得よね。
じゃあ、今日は後二つ位覚えてみようか」
ロッテがお目目まん丸、びっくりした顔でララを見ます。
『ララ様、何を言いているワン、私のおつむは一つで一杯一杯です。』
「大丈夫、スクロースで焼きつけるから大丈夫だよ。」
『ぎゃぁ~~。今日はこれで勘弁してください。
明日、ちゃんと出来たら、次覚えますから、』
ロッテが座り込んで、両手を握り合わせて、拝んでます。
(「何でしょ、ロッテの顔がレミと重なりますわ。」)
「分かった、分かったょ、じゃあ、今後の計画だけ説明しようか。」
ロッテがまだあるのかと、顔を引きつらせて居ます。
「そんな顔しなくても大丈夫、
AIマスターに記憶転送されるより、楽なはずだからね。」
少し安心したのか、表情が緩みます。
「うん、やって貰う事は、眷属達に必要な基本の魔法操作を覚えて、
皆が出来る様に教えてもらう事だよ。ここ、修練場に居る間に覚えて、
練習してここを出てから、眷属達にも教えてもらうからね。」
余裕がある事が解ったのか少し安心した様です。
「でもね、私も忙しいからずっと付いている事が出来ないので、
出来たら一日で覚えて欲しいんだ。」
「革鎧の使い方は覚えたから、後はムービング、空中歩行と飛行、
ライトアロー、ファイヤーアロー、テレポート、探査、
まぁ、これ位は直ぐに覚えれるから大丈夫だよ。」
ロッテが、ポカンと口を開けて
『ララ様、全然大丈夫な気がしないのですが・・・。』
「あはははは、考えて悩むより、遣ってみた方が早いよ。
じゃあ、ムービングからね。」
『待って、待って、ララ様、どうして今覚える流れに成るのですか?』
「ちぇ。」
『チェって、チェって言いましたよね。もう、油断も隙も有りませんね、
とにかく、明日革鎧の講義が終わってから、先の事をご相談します。』
「じゃあ、こうしよう、今日、午後にレトアとブコイに、革鎧と
飛行、テレポート、探査探知の講義をするから、一緒にやりましょう、
その為に今はムービングを覚えましょうね。
これが出来ないと飛行が出来ませんからね。」
ロッテがしぶしぶ
『はぁ~い』
と言う事で、ララの講義が始まり、何とか、体を支えて、
空中に静止出来る所まで出来ました。
『はい、良く出来ました、では、少し早いですけど、お昼休みとします。』
ロッテがへたり込んで、
しっぽが2~3回パタンパタンと地面をたたいた所で動かなく成りました。
「あらあら、死んだふりかしら、」
「これを飲んで、少し元気に成るわよ」
ミックスポーションをロッテの目の前に置きます。
ロッテがちらりとポーションを見て、のそのそと起き上がり、
ポーションを、ぐいと飲むと
『フゥ~い』とため息をつきます。何かぶつぶつ言っています。
『死んだふりは酷いわね、ポーションくれたから良いけど。』
「ぶちぶち言ってないで、食堂に行きましょ。」
『は~い』
次話:おいしい豚汁




