704話 エンドラ
エンドラ:後にホルスの目の加護を貰う
エンドラ
そこへ、エンドラが長い杖にすがりながら、入ってきます。息も絶え絶えです。
「あなた、如何したの?」
『お腹減った、魔力無い。』
ぼそりと、答えると、小上がりに倒れ込みます。
ララが近くに寄り、ミックスポーションを取り出して、
「ほら、飲みなさい。」
エンドラがちらりと、ポーションを見て、受取り、
起き上がって、一気に飲みます。
『ふぅ。』一息つきます。
「ずいぶん大変そうね、でも革鎧付けているんだから、
魔力枯渇は防げると思うけど?」
『えっ?これにそんな事が出来るんですか?』
驚いて革鎧の胸元を引っ張ります。
「ありゃ~、教えてもらっていないんだね。サンチェスの馬鹿め。
丁度良いわ、これ使ってみましょう。」
ララがスクロールデルタを一本出します。
「此れを広げて、発動と念じてスクロールデルタに軽く魔力を通して頂戴。」
『ララ様、これ、何ですか?』
「御免、サンチェスの事言えないね。
これは革鎧の機能と使い方を教えるスクロールデルタ。
発動させると、頭の中に使い方が刻まれます。」
『えっ?』
と言ってスクロールデルタを閉じてしまいました。
『ララ様、刻み込むって、恐くないですか。』
「大丈夫、私が作った物だよ、害が有る訳ないじゃん。」
『そ、そうですね。』
そう言うと、恐る恐るスクロールデルタを広げ、
『発動』
スクロールデルタから魔方陣が立ち上がり、エンドラに吸込まれます。
と、エンドラが白目をむいて後ろに倒れます。お座敷で良かったですね。
「あらま、こういう反応は初めてですね。」
おばちゃんにジュースを貰うと、
「ほれ、これ飲みなさい。」
ストローを口に入れると、一口二口飲んで、
『ふぅ、』と息を吐きます。
『ララ様、これ、何ですか、頭の中かき回されるような感じだったんですけど、』
「だから、革鎧の知識を頭に入れたんだよ。革鎧の使い方、分かったでしょう。」
『ん?』
『本当だ、分かります。これ便利ですね。』
『ララ様、このスクロールデルタって物、便利ですけど、
むやみに使うと、頭の中壊れそうですね。』
「なる程、そういう感想も有りますか、
事前説明を考えた方が良さそうですね。」
「所で、貴方の訓練はどうなの?」
『はい、今はサラスワティ様に指導して頂いておりますが、
サラスワティ様が今度、Cパパの指導に当たるとかで、
私はホルス様に見てもらう事に成りました。
サラスワティ様が言うには、私には鑑定の高位互換で人、物の性質、
善悪までもが見る事が出来る様に成ると言われました。
その為、ホルス様が良いだろうと言われております。』
「凄いね。所でその杖は?」
『これはサラスワティ様に貰ったのですが、特に何も言われておりません。』
「ちょっと、見せてもらっていい?」
杖を受け取り、鑑定を掛けてみましたが、
神木と出ただけで、効能も何も出ません。
「今の所、ただの木だけど、神木だし、
サラスワティ様がくれたものだから何か有るのかもしれない、
そのまま使って居なさい」
『はい。』
そろそろ部屋に戻ろうかと思って居た所に、
カンとグラディス、が入ってきました。
次話:カンとグラディス




