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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
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目玉蝙蝠ヌルの話

目玉蝙蝠ヌルの話---------------------


「ジェーン、お茶お願い、それと、空コップとストロー」

 コップに魔力水を注ぎながら。

「さて、さいしょに聞きたいのはお前たちはなぜあそこに居たの?」


 ヌルの身の上話が始まります。


【ずいぶん昔に成ります、私が若いころ、

 魔王様の部下の下級貴族の使い走りをしていた頃でございます。】


【執事見習いの先輩のお使いで、

 隣の貴族様のお女中に(ふみ)を届けに行った途中で強い風に巻き上げられ、

  気が付きましたら、何処ともわからぬ草原に飛ばされておりました。】


【それからは飲まず食わず、小さな動物を見つけては糊口をしのいでおりました。

 ある日、あの穴を見つけ、転がり込んだところ、蝙蝠が居りまして、

  狩りの手伝いを行う代わりに、魔力を少し分けてもらえる事に成ったのです。】


【それからず分と経った頃でございます。

狩りの途中で同じ種族の行き倒れの女を見つけて一緒に住むようになりました、】


【やがて子もうまれ、種族繁栄の兆しが見えてきた頃、

 ワイバーンに襲われたのでございます。】


まいったな、結構不幸な奴では有りませんか、

奥さんもウィバーンの襲撃で無くなったのだな。聞かんとこ。

でも面白い話が有ったな。


「長い事あそこに居た様だけど、他の魔物には合わなかったの?」

【会いませんでした】

「お前の居た、貴族の屋敷は地図を見るとわかる?」


「どんなところだ?地下都市?」

【地図と言うものは見た事が無いので、判りません。

 地下では有りません、遠くの方にぐるりと山が見えました。】


「お前が飛ばされた季節は何時頃?」

【いつも暖かく、寒くも熱くも無い所でした。】


「昼の長さは一年中同じ?」

【ほぼ同じです】


「ほぼと言う事は少しは有るのだな、

 飛ばされたのは日の長いときか、短いとき?

その日は一日風が強かった?雨は降った?」


【仕事が終わって夕方に出たのですが、

 まだ明るかったので日が長い時だと思います。

 雨の記憶は無いです。風は忘れました。】


「遠くの山に囲まれていたと言うが、山の頂上付近が白く成る事は有った?」

【何年かに一度一部の山の頂上が白く成る事は有りました】


「水はどうしていた、川が有ったのか、地下水か、泉、湖?」

【小さな川はいくつかありましたが、農業用水です。

 生活用水は地下水を使ってました。泉や湖は有りません。】


「作物は何が取れた?海は近いの?」

【作物は、麦と野菜です。足りない分は外から買っていた様です。

 海は分りません。一度乾いた魚を見た事が有ります。】


「貴族の事について少し教えて。貴族は魔物と違うの?」

【違います、魔族です。それは絶対魔族の前で言わないでください。

 人族は猿と違うのか と言うより怒ります。】


【知能の高いのを魔族、低いのを魔物と言う人族も居ますが

 そんな簡単な物ではありません。階級が有ります。

 一番上は魔人に成ります。】


「魔王は居ますか?どこに住んでいます?」

【魔王は魔王城に居ます。見たことは有りません】


「場所は、ヌルの居た町ですか、町に魔族、魔人はどれ位居ますか」

【魔王城は山脈の中に有ると言われています。

 私の住んでいた町では見た事が有りません。


魔人は偉い人ですから。何人もいません。

魔物も全部合わせて100000人位と言う事を聞いた事が有ります。】


「魔物も一緒に住んでいるの?」

【知能の高い魔物、人型もいますよ。下層階級の魔物が沢山います。】

「判りました、今日は取りあえず此処までにしましょう」


「グラン、後何か聞いておくことは有ります?」

《特にはありません。》

「次はお嫁さん三人に来てもらってください」


メイドに部屋に案内する様に頼みました。

ノックが有り、三人のお嫁さんが、入ってきました。

「ジェーン、お茶のお代わり。それと、空コップとストロー3セットね。」


コップに魔力水を注ぎながら、

「色々大変だと思いますが、

 これからは私も頑張りますので宜しくお願い致します。」

何を言って良いのか判らないと言った表情をして、うつむいたままです。


「では、皆さんは同じ所で育ったの?

 育った所のお話を聞かせてください。」

 三人で顔を見合わせて、一番左の人が話だしました。


【私たちは同じ所で育ちました。】

「それはどんな所ですか?」

【あの洞窟です。】


思わずコップを落としそうになりました。

「もしかして、お父さんの名前は・・・。」

【ヌルです。】


今度は本当に椅子からずり落ちました。

「旦那さんと、貴方達はご兄弟ですか・・・」


【はい、長男アインと長女の私アン。次男のツバイと次女トワ、

三男のドライとキャトが夫婦です。】


「有難うございます、違う町のお話も聞きたかったのですが、仕方ありません。

 また、何か有りましたらお話をお伺いするかと思います。

 有難うございました。」


メイドに送ってもらって、もう一度ヌルを呼ぶように頼みました。

 ノックが有り、ヌルが入ってきました。

 「ヌル、そこに座って。確認したい、お前の種族は兄妹で(つが)う事は普通なの?」


【普通では有りません、でも特別でもありません。忌避感はありません。 】

「生物学的にも問題無いの?、

 人族や動物の場合、奇形や異常が生まれる確率が高いので、避けますけど。」


【特に問題が有ると言う事は聞いた事が有りませんが、

 多様性を求めるため、混血を進める者は多いです。


息子の一人が他から嫁を貰うと言って出て行きましたが、

 ワイバーンを連れてきました。】


もう一度椅子からこけました。

 「何という・・・!」

  思わず頭を抱えてしまった。


「ヌル、今日はもういいよ。

 部屋を住みやすい様に、家具など必要ならば、メイドに行ってね。」


ヌルが退出してから、

「グラン、知ってた?」

《いいえ、私も驚きました。》


気を取り直して。

「ヌルの話から、魔族の町の特定は出来ない?、ちょっとやってみて。」

《判りました、確定は出来ませんが、候補は上げれると思います。》


「監視衛星の必要を感じます。準備してください。

 必要な物が有れば相談して下さい。」


《有難うございます。準備は進めています。》

「さて、世界樹の森に行ってみますか。」


次話:リレイG

☆¨*:♦.,☆¨*:♦., ララの魔法 ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,


魔法は自分の魔力をイメージで変化させるとの概念から、

発動呪文は魔法を確実にイメージできるなら、こだわる必要は無い。

詠唱は魔法を確実にイメージする為に魔力に働きかける言霊です。


一般的では無い魔法の発動をしている所を時々後書きで記入します。


〔ラ〕:ライトアローの無詠唱発動呪文


〔転〕:転移魔法ですが、腕の太さ程のショートカットホールを作ります。

    これとライトアローを合わせる事で、間近で撃つと同じ事に成り、

    100発100中に成ります。ホールは移動が可能、


〔転〕〔ラ〕〔ラ〕〔ラ〕:転送ホールを動かす事で100発100中の機関銃と成ります。


〔ラ散Ten〕:ライトアローを散弾の様に一度に10発出す発動呪文です。

       ライトアロー一発の10倍の魔力消費。


〔ピチョーン〕:探査魔法。自分の魔力を薄く水面に落とした一滴の様に波紋を広げる。

        当たって帰って来た魔力を読む。沢山の人、魔物を一度に探査できる。

        慣れれば個人の特定も出来る。


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