子狐
子狐-------------3/28
最初の一週間が終わり、カプセルを出たのが昨晩で、その後食事をして、
ゆっくり寝ました。
翌日、朝食の後、状態の説明を受けました。特に問題は無いが、
属性に光が追加されているとの事、それも通常の光属性では無く、
「朱光」が追加され、胸に小さな十字架が見えると言われる。
「朱光?オレンジ色の光?それって、夕日が関係している?わからんので保留。」
「十字架?そんなん見えなかったぞ・・。」胸元を引っ張って上からのぞいてみる。
「ささやかな胸しかない。!。う~~ん。胸は仕方ないけど、十字架も見えない?」
「さて、今日は休み。みんなの様子を見に行くかな」
「回復~~~!!。」
「シッポフワフワ!こっち見てゆるゆる振ってるよ~~!!。かわええ!!!。」
ナースアンドロイドに聞いてみる。
「触って、抱っこして、撫でて良いか!??」
『はい、良いですが、後でご相談が御座います。』
「お~~!!。取りあえず撫でる~~~~。」
「お前元気になったな~~。ふわふわだ~~」
どっかり座って、頭を撫ぜて、顔をグニグニして・・・。鼻なめられて。
「名前つけなきゃ~~。う~~ンお前毛が少し白っぽいから」
「ギン!お前の名前は今からギン!」
人差し指を子狐の額に当てて。
「我が名は・・・?・・・?」
「私の名前、なんだっけ??。名前忘れてる!!。契約出来ない!!」
ナースアンドロイドを見たが、首を横に振られてしまった。
「ショック!・・・。ご免、契約は今度ね・・・。」
声を掛けながら頭をなでると、大丈夫だよとでも言う様に指先をなめてくれた。
子狐をもふもふしていると、ナースアンドロイドが、
『ご主人様、ドクターアンドロイドがお話があるそうです。』
「あぁ。そんなこと言ってたね。診察室で良いいの?」
ナースアンドロイドに聞くと頷いて先に歩きだした。
私は、子狐を抱いて、後を付いて行く。
診察室に入るとドクターアンドロイドが待っており、
一礼して子狐を受け取り、診察台の上に乗せた。
子狐は大人しく待てのポーズで座り、私とドクターを交互に見ていた。
『度主人様、お預かりいたしました遺体を調べました所、
魔石がかなりレアで有る事が判りました。』
私が話を促すように頷くと、
『親狐は神の件族の最下級の使徒クラスの魔石を持っておりました。
子狐の方もかなり力の有る魔石を持っておりました。』
「それは、大きな魔石という事ですか?」
と聞くと、
『いいえ、あのクラスの魔物より少し大きいい程度ですが、
純度、透明度と言うか、内包するパワーや輝きが桁違いです。』
「う~~ん、もし、この子にその二つの魔石を入れるとどうなります?」
『かなり近い血族ですので、相性的には問題ありません。
技術的にも問題ありません。二つの魔石をこの子狐の魔石が融合すると、
おそらく進化、別の種族に成るかと思います。』
「それは、この子がこの子では無くなる。
私たちと敵対する可能性が有ると言う事ですか?」
『いいえ、敵対する確率、可能性はかなり低いと考えております。』
『知能が上がる事が予想されますので、ご主人さまとの信頼感、
が更にUPすると予想されます。加えて、スキル等も下級と言っても神の眷属、
有用な物を得られると思います。≫
「負の要素が殆ど無いのであれば、融合させましょう。」
「たとえ、私と一緒に歩まなくても、
一人で生きてゆくには有用な事だと思います。
この子の母と兄弟も望んでくれると思います。」
「魔石を食べさせるのですか?」
ドクターアンドロイドが慌てて、
『そんなことはしません!駄目です。』
『開腹して個々の魔石の横に触れ合う様に置きますが、
その時お互いにつながる様に小さなジョイントを用います』
「お~~!。その小さなジョイントが秘匿技術なのですね。」
『はい!使い方を誤るととんでもない怪物が出来ますので、公開はしません。』
『今回は三つの魔石が互いに触れ合う様にジョイントでつなぎますので、
少し難しいオペに成りまが、問題ありません。』
「魔石がつながって、一つに成って、
自由に動けるようになるには術後どれ位の時間が必要ですか?」
『最速で一週間、まあ二週間くらいは頂きたいと思います。』
「それじゃぁ今度来たときか、その次に来た時に遊べるね。早速始めようか」
『判りました。
子狐が不安に成るとかかわいそうなので、ここで麻酔をかけたいと思います。』
「注射ですか?」
『違います。魔法をかけますので、ご主人様が子狐を抱いて頂けますか?』
子狐が不安そうな目を向けています。
「さあ。おいで。
お母さんと、お兄ちゃんと此れからず~~と一緒に居れる様に成るんだよ。」
子狐は私に抱かれたまま、私の顔を見続けている。
ドクターアンドロイドが立ち上がりる。
子狐の頭にそっと手置き、小声で呪文を唱えるとフヮッと小さな光が手から出て、
子狐の目がゆっくり閉じ、小さな呼吸している感じが私の手の中に残った。
『手術室に行きましょう』
子狐を抱いたまま手術室に行き、手術台の上にゆっくり寝せる。
ドクターアンドロイドがトレーの中に入って居るジョイントを見せてくれた。
そこには長さの違う透明なネジ上の棒が10本位乗っていた。
『これがジョイントです。』
「まるで、虹の宝石の様ですね」
「それでは私は外に出ますね、手術はどれくらいかかりますか?」
『3時間ほどで終了すると思います。』
「判りました、その頃、また来ます。」
私はその場を離れ、蛇の卵の所へ行くことにした。
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