699話 ライトアローのスクロールデルタ
ライトアローのスクロールデルタ
「所で、二人は、ライトアローとファイヤーアローは出来る?」
『『・・・』』
どうやら、出来ないですね。
「かまいませんよ、今、ムービングは覚えましたから、
まずは、〔ライトアロー〕を覚えましょう。」
ララがライトアローのスクロールデルタを取り出し、二人に渡し、
「これは〔ライトアロー〕を覚えるスクロールデルタ、手で持って、
発動と念じてスクロールデルタに軽く魔力を通して頂戴。」
二人が顔を見合わせ、頷きあって、スクロールデルタを持ち、
『『発動』』。
スクロールデルタが浮かび上がり、そこから魔方陣がキラキラと舞って、
降り注ぎ二人の体に吸込まれます。
レトアが
『あっ!頭の中に何かが来てます』
ブコイは何も言わず下を向いてます。
「ブコイ、気分は?」
『だ、大丈夫です。けど、今まで経験した事の無い感覚です。』
「まぁ、無理やり知識を詰め込むんだから気持ちいいものではないよね。」
「じゃあ、試し打ちしてみようか。」
そう言うとトコトコと20m程歩いて、3m四方位の岩を出します。
”ドン!”二人がびっくりしていますが、無視です。岩から離れると、
「二人とも、この岩に向ってライトアローを小さく打ってみて。」
二人が目を瞑って確かめる様にすると、頷きあって、
右手を上げ、人差し指を岩に向けます。
『『〔ライトアロー〕』』
細いけれども力強い光の線が二本岩に向います。
岩に当たると、”ジッ”という小さな音と、細い煙が立ちます。
ララが近寄ってみると、
「すげぇ、貫通してるよ。」
急いで裏に回って、貫通して向った先を見ると、
遥か彼方できらりと光る光点が見えました。
(「あっ、結構やばいかも。でもしょうがないよね。はぁ。
此処って、異空間だと思ったのですが、無限ではないのかな?。
キラリと光と言う事はライトアローが何かに当たったと言う事?、
後からオト様にこの空間の性質を聞いておきましょうかね。」)
(「しかし、予想外の威力と言うか、かなり魔力が収束して、居ましたね。
あの二人、魔力操作もかなりの物に成った様です。
あの岩を抜けるとはとは思わなかったですよ、
だって、使える魔力は1/100以下に成っているはずですけどねぇ。
今度遣る時は魔力障壁も必要ですね。
と言う事で、次、ファイヤーアロー行きます。)
次話:ファイヤーアローのスクロールデルタ




