692話 スクロールデルタ検証試験の続き
スクロールデルタ検証試験の続き
「そんなに驚かなくても直したんだから出来ますよ、ねぇ、・・・」
ララがちょっと悔しそうです。
「次、ハンドもう一本出して、同じ様にスプーンを回して。」
『はぁ~い』
アイの間の抜けた次返事はちょっとこけそうに成りますね。
「ハンドは三本までは出来ると思うけど、
二本を自分の手と同じくらい使える様に訓練してちょうだい。
三本の腕を使いたい時は私に聞いて、簡単な確認をしてから、
訓練の方法を教えるわ。」
『は~い。』
二本で十分、これ以上訓練したくないと言う返事に聞こえます。
「アイ。アンに訓練させてね。
アイのマジックポチェットにクッキーいてれ置くわね。」
『有難うございます。ご褒美のエサですね。』
流石によくわかります。なので、返事はしません。
「アン、ムービングハンドが使いこなせれば空も飛べるよ。」
『またまた、そんな、いくら私でも、そんな嘘位は分ります。』
「あらあら、アイ、飛んで見せて。」
『はい、ララ様』
アイがふわりと浮くと、ひゅんと音が出そうな速度で、
アンの回り10m位を三周して戻ります。
『あ、アイが飛んだぁ』
「私の眷属は皆飛べますよ。アンも訓練すればね。」
飛べるとは言いません。でも匂わせて、期待を持たせて、頑張らせます。
ちょろいですね、アンは完全に乗った用です。
(「飛行に付いては、ハンド2本以上が上手く出来る様に成った者で、
飛行が出来ない者に限ってスクロールを使う事にしましょうかね。
しかし、今回の事をを考えると。やはり、試験は必要だね。う~ん、
テストパイロットは特定の者では無く、
沢山の者達にやって貰うのがいいですけど、
そのたびに、探すのも面倒ですねぇ。
あれ?、いい事思いつきました。
スクロールの検証はAIマスターにやらせましょう、
AIなんだから、一瞬で終わるはず。そうしましょう。)
「さぁ、これでスクロールデルタの検証試験はおわり、二人とも有難う。」
『私も魔法が覚えられて嬉しかったです。』
アンがニコニコ顔で返事をします。この娘空飛ぶつもりですね。
「アン、空を飛ぶには段階が必要だから、アイに教わりながらやるんだよ、
そうしないと、命に係わる事故を起こす事に成るからね。」
『???』
「空の上で魔力切れ起こしたり、突風に吹かれて制御できなく成ったら、
地面と衝突だよ、判るね。」
『あわわわわ。』
「解った様だね。じゃあ、頑張って。」
そう言うと部屋に〔テレポート〕します。
「さて、スクロー作りますぞぉ!」
「ムービングの次は、テレポート、魔力感知、探査魔法、ライトアロー、
ファイヤーアロー、ファイヤーアローとライトアロー同時発動、
そして、キャンディ砲、防護魔法としてバリアーは欠かせないね。
ここまでは作っておきたいし、覚えて欲しい。
革鎧の使い方もスクロール化した方が良いかも。
あと、麻酔と〔シールド〕。闇魔法や聖属性魔法の治療関係は、
適性の有る者や指揮、指導する者は覚えさせたい。」
「結構沢山あるね。これらの最終的なスクロールのテストは、
魔力量が多い、レトアとブコイにやって貰いましょかね。」
二ヵ月ほどかけて、AIマスターに監修させながら、
スクロールデルタを作り、レトアとブコイに検証させるところまで来ました。
トレーナーのエアと日程の調節を行い、
三日間、スクロールデルタの最終検証を行う事に成りました。
次話:レトアの魔力制御




