691話 スクロールデルタの不具合訂正
☆¨*:♦.,☆¨*:♦., 魔法の紹介 ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,
〔マジックキャンセル〕
発動している魔法を打ち消す。
発動している魔方陣の一部を変えて重ねる様にする。
力技では無いので、魔力消費はさほどではないが、
打ち消す魔法を良く理解していないと
発動出来ない。使い勝手は良くない。
スクロールデルタの不具合訂正
「さて、今覚えた魔法をやってみましょうか」
アイとアンを並べて座らせ、前にスプーンを置きます。
「ハンドは出せますね」
アンが
『えっ?何ですかそれ・・って。あれ、分かります。
知ってます。何で?』
「それが今スクロールで得た知識だよ」
アンの目が点です。
「まぁそういうもんだと思っておいてね。
それじゃあ、そのスプーンを持ち上げて。」
『(『ムービング』)』
「出来るね、じゃあ、そのスプーンをこういう風に回してみて。」
ララが見本を見せますと、アンとアイが、スプーンの周りを回り出します。
『(『きゃぁ!!目が回りますぅ』)』
「ストップストップ」止まりません。
「魔法解除〔マジックキャンセル〕」
魔法を中和させて、回転を止めると、二人が転がってしまいました。
目を回していますね。
「〔ヒール〕」
『ララ様、これは?』
アイが、何が起きたのかと、ララに聞きますが、
ララは急いで、スクロールの魔方陣をチェックします。
「あ~~。ここだぁ。
[指定物を回す]が[指定物を回る]に成ってる。」
「ごめ~ん。直ぐに直すから、
もう一度スクロールに魔力を通して上書きして頂戴。」
急いで直したスクロールを渡して、
記憶の上書き(訂正)をしてもらいます。
「所で、アイ、貴方はハンドもスプーン回しも出来るよね、
でも、アンと一緒に回ったと言う事は、スクロールに上書きされた?」
(『みたいです。全く意識せずに使ったのですが、
アンと同じ事に成たので驚きました。』)
「なる程、経験で得たものより、スクロールで得た物の方が優先、
上書きされると言う事ですか。ふぅ~~ん。」
ララが何やら考えていますがすぐに、
「じゃあ、もう一度スプーンを持ち上げて回してみようか。」
アンが嫌そうな顔をしますが、しぶしぶハンドでスプーンを持ち上げ、
ゆっくりと回します。
『あらら、ララ様、出来ました、』
次話:スクロールデルタ検証試験の続き




