689話 アイがモ~モ~
アイがモ~モ~
部屋を出て、スクロールデルタをマジックバックに入れて、
鴨を探して、ふらふらしていると、頭にアイを載せたアンが居ます。
何処に行くのかと後を付けると、ありゃ、トイレですか。
仕方が無いので、出てくるのを待ちます。
暫くすると、アンが、お手手プラプラさせながら出て来ました。
上を見て、目ん玉も上向きで何か話してます。
アイと何か話しをしているのでしょうかね。
おやおや、アイがお顔をくるくるお掃除、いやあれは【困った困った】ですね。
アンとのやり取りでトラブルがあったのでしょうか、
丁度いいですね。聞いてみましょう。
「アン、如何したの?何か困った事でもあった?」
『あっ、ララ様、えへへへ。アイに怒られていました。』
(『ララ様、この子は、もぅ。トイレを出て手を洗ったまでは良かったのですが、
ハンカチ忘れたとかで、おててぶらぶらで乾かしているんです。
もぅ、どうしてよいのやら・・・。』)
モウモウで牛さんに成ってしまったかな?
「エプロンで拭かないだけいいじゃない。」
(『それやったら女の子終わります!。』)
「此れから持ち物チェックをやって上げればいいよ」
(『今朝の確認で、持ちましたって言うんですよ。もぅ。』)
はい、牛さん追加ぁ。
「じゃあ、今夜からテーブルの上に持ち物を並べておいて、
明日の朝は声を出して一つづつポッケに入れる様にすれっばいいよ。」
(『はい、そうします。』)
「まぁ、長い目で見てあげて、失敗しても、しょうがないわねぇ。位でいいよ。
アイがカリカリするとアンが委縮するから、
この子は明るくのびやかに育てたいんだよね。
アセナの世話なんかよくやっていると思うけどなぁ。」
(『それはそうですけど、・・・』)
「失敗してもしょうがないわねでいいよ。
世話の焼ける妹だと思って、二人ともゆっくり育つといいよ。
アイがもう大丈夫と思うまで、アンの担当は外さないからね。」
『じゃあ、私あまり良い娘に成らない方がいいよね。
そうすればアイがず~と一緒に居てくれるから。』
「アン、独り立ちはアンが一人でも大丈夫と思わない限り
自立できないんだよ。でもこの子は変に賢い所が有りますねぇ。」
ララがジト目でアンを見ます。
『ララ様、私頑張りますぅ。』
アンが慌てて言いつくろいます。
次話:アンで人体実験




