679話 熊たちの人化
熊たちの人化
「あのやろー・・。都合が悪くなったので逃げ出したな。」
「今度会ったら、首根っことっ捕まえて、
がっつり言ってやらなくちゃ収まんないわ。」
『あの、ララ様、そんなにお怒りに成らなくても、
結構良い権能が有るみたいです。
一緒に検証して頂けませんか?』
ベリアが何やら、気を遣って、私をなだめようとしているみたいです。
「解ったわ、此処はベリアに免じて、許します。」
ん?何を許すんだっけ?
「ベリア、人化して、何か不便な事無い?、
元の熊の姿に戻れるの?」
『そうですね、普段使いにはこの体は便利ですね、
でも華奢な分、パワーが抑えられます。
戦闘では、熊の体の方が良さそうですけど、ムービングの練習には、
人型の方が良さそうです。ああ、人化は簡単に解けます。』
「それなら、良かった。
使い易そうな方を使うといいね。子供たちはどうなの?」
『人化が気に入っている様です。』
「まぁ、最初はパワーより、ムービングとか、魔法の訓練には、
人化していた方が良いのかな?」
『はい、暫くは人化で行いたいと思います。』
話の外に有りましたチキサニカムイに向って、
「ハナンの訓練の進捗は如何ですか?」
『はい、この子は優しい娘なので植物たちにも好かれてます。
今は私以外の神々からも加護を貰ったのでそれを使う訓練をしています。』
「宜しくね。」
キンムカムイが何かを言う前に、ジロンが、
『ララ様、俺、でっかい魔法撃って、悪い奴をぶっ飛ばす。
さっき揺れたの、ララ様が遣ったのか?』
”ゴチン”ベリアにげんこつ食らってます。
『ジロン、ララ様に向って、何です。
あれほど言葉遣いに気を付けなさいと言っているでしょう、全く。』
『ララ様、申し訳ありません。』
「い。いや、何とも思ってないから」
ゴチンって、すごい音がしたよ。そっちにびびちゃった。」
「ジロン、魔法をちゃんと使いこなせるようになったら、
君はあれよりももっと強力な魔法を使る様に成れるからね。
でも、訓練し無いと、味方まで巻き添えに成るから、頑張って訓練しよう。」
『すげ~。あれより強いのか、俺頑張る。』
『ララ様、僕も出来ますか』
タロンが聞いて来ます。
「出来るよ。魔法は色んな事が出来る。守る魔法も有るからね。」
ハナンが控えめに
『私それがいい。』
「みんな、母さんみたいに、強くて優しい熊に成ってね。」
『『『はい!』』』
『ララ様、有難うございます。』
ベリアがお礼を言います。
「取りあえずはもらった権能を検証してね。」
『承知致しました』
手を振って其処を離れます。
次話:レドマとレドモ




