667話 特番:クリスマス聖夜
667話 特番:クリスマス聖夜
クリスマス聖夜
「さいれんとないとぉ~~。ふぉ~り~~ないとぉ~。
おぅるいずぅかむぅ~~。おぅるいずぅぶらぁいとおぅ~~。」
ララが何やら調子っぱずれの歌を歌っていると、
『うにゃぁー、ヤギでも絞め殺しているのにゃー。
呪いの声がきこえるにゃ~。』
「失礼な事言うにゃんこだね。三味線にしちゃうぞ全く」
『ララ様、何してるニャ。
植木にゴミ何か乗せて歌うたって、楽しいのかにゃ?』
「馬鹿言ってんじゃないわよ。クリスマスツリーよ、クリスマス!」
『へ?苦しみますぅ?。やっぱり呪いニャ。』
ブチン。
ララの堪忍袋の緒が切れた様です。何処からか箒を引っ張り出し、
盛大にタマを追いかけ回します。
「このやろー」
『やろーじゃないニャン、女の子ニャン』
二人とも結構楽しそうです。
「タマ、ケーキ作るよ、手伝いな。人化しなさい。食堂に行ってるから、
アンとアイも呼んで。」
ケーキと聞いて、一瞬で人化(ゴスロリblackメイドですね。)
走ってアンの所に行きます。
ララは食堂に行き、
「くまかあちゃんじゃなくて、くまねーちゃん。食堂、厨房貸して。
ケーキ作るから、手伝って、お願い。」
〚おや、ララちゃんかい。へ~、ケーキ作るの。〛
「そうだよ、だってクリスマスじゃん。」
〚それ、キリスト教のお祭りじゃないの?
ララちゃん、クリスチャンかい?〛
「まっ、さかぁ~。御馳走食べて、ケーキ食べて、
お祭り騒ぎするんだよ。」
〚あっ、はっ、はっはっ。そうだね、ララちゃんだもんね。〛
「????。何か分かんないけどいいゃ、手伝ってね。」
〚いいよ、美味しいものは私も大好きだね。〛
「よ~し。じゃあやるよ~~」
役割分担決めて、みんなで、作ります。
大体、出来てきた所で、料理をする者、飾りつけをする者に分かれます。
ララは飾りつけ班です。
何処からか高さ3mは有ろうかと言うもみの木の植木鉢を取り出し、
飾りつけを始めます。
ふと見ると、タマと一緒におそろいのメイド服を着ている
見慣れない女の子が居ます。
「あれ、貴方は・・・・・。」
はっと気が付いた様に。「アンナ?」
『はい、』アンナがにこりと笑って頷きます。
「うわ~ぁ。かっわいい~~。」
「タマと二人、姉妹みたいだね。
二人で、私専用のメイドに任命します。うっしっし。」
『あの、ララ様専用のメイドって??』
アンナが驚いて、聞くと。タマが
『雑用係だにゃ。結構だらしにゃいから片付けが大変にゃ。』
「たぁまぁ~。何か言ったぁ??」
『何にも言ってないニャ。』
「ふん。」
とか何とかいいながら、飾りつけも終わりに近づきます。
「あわてぇんぼぅのサンタクぅロォーすぅ、
えんとぉつのぞいてぇおっこちいたぁ~」
ララが何か歌っていますが、タマとアンナが後ろを向いて笑っています。
「何か変な歌にゃ、あれきっと絶対もっとかわいい歌にゃ。
それにしても音痴にゃ。」
ララが箒を取り出し、「たまぁ~~!」
また追いかけっこが始まりました。
くまねーちゃんの一括!
〚こらー!やめなさいーー!ごちそうがひっくる換えるでしょーがぁ!〛
ララとタマが急停止。すごすごと、飾りつけに戻ります。
丁度みんなが、訓練を終えて来たので、
飾りつけや料理、ケーキ作りの手伝いをしてもらいます。
人数が増えたので、あっという間に終わりました。
「飾りつけも、料理も、ケーキも出来たよぉ。みんな席に着いて。
「メリークリスマス。」
ララが一人で騒いで居ます。
くまねーちゃんが、腰に手を当てて、ララに言います。
〚ララ、みんな何のことだか分かんないよ、説明して上げて〛
「は~い。クリスマスと言うのは、生誕祭、輪廻の壺が開いて、
子供たちが、この世界に誕生する事を祝うお祭りだよ。」
くまねーちゃんが首をかしげて、
〚何か違う様な??〛
『そりゃぁめでたいな。で、酒は無いのか?』
ダリンが不謹慎な事を言っています。
「しょうが無いね。スパークリングワイン位しかないよ。」
そう言って、2ダースほど出して皆に回します。
食べて飲んで、みんな満足した頃、ララが
「誰か歌を歌ってく入れないかなぁ」
『ぎぇ~、あの呪いの歌は勘弁にゃ』
タマがちゃちゃを入れます。
「うるさいね。そうだ、歌が上手いのは。
シオン、貴方、きっと上手よ。今、転送するね。はい。」
シオンに記憶転送しました。
『わぁ、ララ様、私歌なんて・・・・。あっ、分かる。』
そう言うと、北国の冬の朝の様な済んだ透明感のある美しい声で、
「ひいらぎかざろう」から始まり讃美歌のメロディーまでも聞かせてくれました。
この歌を聞いただけで、クリスマス何たるかを語る必要はないほどです。
盛大な、拍手が終わり、みんな静かに何かの声を聴くような気持になった時。
ララがはっと、何かを見つけた様に、外に出ます。
小さな蛍いや、もっと小さい、芥子粒の様な光、
でも生命力に満ちて、夢と希望が溢れている様な力強い光を放っている物が、
ララの方に降りて来ました。
思わずララが手を差し伸べますが、するりと躱して、
ララの頭の上を二度三度と回ります。
「私、貴方を知っている?
何かとても懐かしい、見ていると優しく、嬉しく成る様な・・・・。」
その後、蛍玉はフヨフヨと家の中に入って行きます。
みんな、ララに、蛍玉に、気が付いた様です。
みんな、じっと蛍玉を見守って居ます。
今、声を出してはいけない様な、そんな雰囲気の中、
サンサの方にフヨフヨと飛んで行き、
頭の上を挨拶でもする様にくるりと回ったかと思うと
下に降り、すぅっとお腹の中におへその下あたりに入ってしまいました。
それを見たララがララが涙を流しながらサンサに抱き着きます。
「サンサ、おめでとう。赤ちゃんが来たよ。」
何があったのかと、わちゃわちゃしていたサンサが、
ララの言葉を聞いて。ブワッと泣き出します。
横に居たアセナがサンサに抱き着き
サンサのおへその所に手を当てます。
サンサを見上げて、(『母さん、妹だよ』)
サンサがアセナをぎゅっと抱きしめます。
シオンが静かに歌い出します。『Il est ne, le divin Enfant,・・・・』
続けてクキが合わせます。『JDepuis plus de quatre mille ans・・・・』
タマとアンナが唱和します。
どんどん歌の輪が広がります。
(でも、どうしてみんなこの歌知っているの?讃美歌だよ)
オト様を見ると、目をそらします。
そうですか、感激が薄くなりそうなので、これ以上考えない事にします。
歌がどんどん広がります。神界にも届いている様です。
静かに夜が更けていきます。
「さぁ、みんな、お部屋に帰って、寝ましょう。」
みんな何か夢心地。
神界から、神力が漏れて来たようです。
神力酔いですね。明日の朝まで、良い夢を見るでしょう。
メリー・クリスマス




