645話 ダリンとサンサの結婚式
ダリンとサンサの結婚式
会場はほとんど出来あがっています。後は祭壇を作らなくては成りませんね。
AIマスターに頼んでおいた祭壇のパーツを取り出し並べて行きます。
白を基調に、光を上手に反射させてちらちらキラキラしない様に、
神々しさを演出し、その中心に、みんなから見える様に、
アセナ神の像を置きます。
最期に私が神父服、いや、修道女の服を着て二人の到着を待ちます。
直ぐに、盛大な歓声と共に、二人が到着しました。
ダリンが一人で祭壇の前に来て新婦を待ちます。
その後でお父さんに手を引かれてサンサが来ます。
BGMでジェニーが讃美歌を歌い、
マレーがリュートで伴奏します。
ランダルが魔法で光の粒を振らせ、
王都から連れて来た水妖精セレンが、シャボンダマで演出です。
周りから”ほぅ”と、驚きと感動が混じった声が聞こえます。
サンサのお父さんが、緊張と、感動と、娘を手放す寂しさ、
色んな物がないまぜに成った感情で少し震えています。
ダリンの横まで案内し、手を離すとサンサが小さな声で『有難う』と言いました。
この有難うには今までの色んな事への感謝が込められています。
私が会場の人達に向って宣言します。
「此れより、新郎ダリン、新婦サンサの結婚式をとり行います。」
次話:誓いの言葉




