622話 哀れなベヒモス
哀れなベヒモス
《居ます、ベヒモス。ベヒモスは幾つかの部族に分かれているのですが、
その中の一つの部族の長が、魔眼を覚醒し、その能力を持って、
全ての部族を統べる王に成ろうとしています。
ただ、善良な統治者ならばよかったのですが、
この魔眼には本人に破壊者の呪いが掛けられる為、
ベヒモスの王に成った後は、その衝動に突き動かされ、
人族を含めて、全ての種族の王を目指し、
殲滅戦を始める事に成ります。》
(じゃあ、その一匹を狩ればいいの?)
《いいえ、この者の魔眼の能力は本人の死後も効果は切れず、
新しい指導者がその呪いの魔眼に覚醒する為、
魔眼の影響を受けた者全てを殲滅しなければ成りません。》
(誰が魔眼の影響を受けたか調べる方法は?)
《ララ様の魔眼は判定が出来るはずですので、
それで見てもらえば分りますよ。
見え方は人によって違いますけど、
明らかに他の者と違う見え方が出来るはずです。》
(子供も駄目なんですか?)
《駄目ですけど、魔眼で魅入られた時点で自我が喰われて
中身は別の者に成ります。その者を救うには肉体を滅してあげる事です。
それから、魅入られた時点で、魔力が増し、ほとんどの者が
最終形態に覚醒します。》
(ちょっと待って、その最終形態って何?)
《ベヒモスは覚醒前は象の頭にゴリラの体ですが、
覚醒した最終形態はマンモスの頭にゴリラの体で、
体高は2倍、体格は8倍に成ります。》
そんな魔眼誰が作ったの?
《ご存知かと思いますが、この世界には神を嫌った邪念のよどみが有ります。
その淀みが稀に形を成す事が有ります。
今回はそれが呪われた魔眼と言う形で姿を現したのです。
ベヒモスは、もともと、魔法耐性は強いけれど、
あまり知恵は働かなかったのですが、
今回は知恵も付けてきており、
こん棒だけでなく、弓や槍も使って来ます。
幸い魔法を使える個体はでてません。
すでに二つの部族、合計三つの部族が呑み込まれています。
魔眼の影響を受けた者は1000体を越えています。
その内最終形態は800体近くに成ります。》
「場所は何処?」
《転送します。》
「ちょっと待って。」
狩りに行く前に少し準備します。
マイコニド(キノコ人間)の所に〔テレポート〕
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