620話 タマとルビちゃん
タマとルビちゃん----620-
リリとの念話が終わり、「ふぅ」とため息一つ。
このバタバタ早く終わらないかなぁ。
と、思いながら奥様の部屋に向って歩いていると、
影から、黒い塊が飛び出て、頭に乗ります。
「うぉっと。」
『ララ様、ひどいにゃ、置いてけぼりは悲しいにゃ。』
「ごめん、ごめん、でもタマならこうして、すぐ来れると思ったからね。」
『うんにゃ、今日はここから離れないのだにゃん。』
さて、奥様とルビちゃんの反応が楽しみです。
奥さまの部屋のドアをノックします。
「ララです。」ドアが開いて中に入ると、
奥さまが私をハグする途中で固まってます。
頭に黒にゃんこ乗せてますからね。
奥様より、ルビちゃんの方が、正気に戻るのが早いです。
すごい勢いで飛び付いて来ます。
『ララ、それ何、にゃんこ?ジジじゃないよね。』
「はいはい、この子はタマ、女の子です。タマちょっとルビ様と遊んできて。」
『え~、此処が良いのにぃ』
『きゃ~、この子お話できるのぉ!』
ルビちゃんが興奮してます。
「この子は猫じゃないからね。まぁ、危なくはないから問題無いから。」
奥さまが少し不安そうな顔をしたので、断りを入れて置きます。
まぁ、ルルが産休で隠れ里に行っているので、
ルビちゃんも寂しかったのでしょう。
ん?ルビちゃんのマッサージでタマがぐにゃぐにゃになってます。
『グ、ニャニャにゃ。こ、この子は何にゃ、気持ち~~。ツボの刺激が~、
腰に力が入らにゃぃ~。』
タマもご満悦の様です。二人で遊んで居てください。
『ララ、さっき主人の所に行っていたわね、最近は何をやっているの?』
いつもながら、突っ込みが鋭いです。
男女のペンダントネックレスを取り出しながら、
「はい、今日は此方をお屋敷のヴラド家の縁者に渡す様にお願いしてきました。
これは、ご主人様、奥様、ルビ様には必要の無い物です。」
奥さまに見せると、手に取って、
『凄いわね、銀かと思ったら、軽くて、金細工も見事、家紋とお屋敷ね。
私達には必要が無いのね。』
その一言でどの様な物か、察しがついた様です。
『あと、お屋敷と、オクタの街に城壁を作る許可を頂きました。』
奥さまが持って居たティーカップを落としそうに成り、
慌てて、テーブルに戻しました。
『どれ位の物を作るつもりかしら?』
「はい、お屋敷は高さ7m位、街は5m位、
今の街やお屋敷を余裕を持って囲める大きさを考えております。」
『ララ、まさか貴方一人で作るつもりじゃあ無いでしょうね。』
「はい、眷属達の力を借りようと思います。」
「ここは、クーヘンの森や沢山のダンジョンが近いにも関わらず、
防壁も無く、無防備です。せめて、防壁をと考えております。」
『眷属って、狼や、カラス達よね、
お手手が無いのにどうやって、作るのかしら。』
するとララはムービングでマジックハンドを出し、奥様のお茶を交換します。
「私の眷属、狼達はこれ位の事は出来ます。そこのタマも出来ますよ。
それに、城壁を造るのは土魔法で行いますので、手は使いません。」
『まあいいわ、方法を聞いてもどうせ分からないし、
でもどれ位の大きさで造るの?』
「はい、考えているのはお屋敷から
100m程離れた所をぐるりと取り囲む予定です。」
『まるでお城ね。』
「いえ、そんなに大げさにするつもりは有りません。」
「それでは私は、城壁の準備をしなければ成りませんので、
これで失礼いたします。」
そう言うと、タマを置いて、一礼をして、部屋を出ます。
後ろでタマが「置いてくニャー」と言っていた様ですが、
ルビちゃんに骨抜きにされて、しばらく動けそうに有りません。
ジジの気配を探ると、奥様の部屋の天井裏で半眼で尻尾を揺らしています。
ちゃんと警備、ルビちゃんを守っている様ですね。偉いです。
ほんと、猫が変わった様です。
次話:魔力が足りない




