614話 オクタの街の城壁
オクタの街の城壁
「ラグジュ、オクタの街の近くでスタンビートが起きた時、どうやったら、
住民を安全に避難させる事が出来るだろう?」
『ララ様が今考えておられる方法は、精製魔石などを用いた転移だと思いますが、
町全体を〔バリアー〕で覆う方法もあると思います。
あそこはそんなに大きくないので、可能かと、他には、土魔法で城壁を作って、
更にバリアーを掛けておく方法も有るかと思います。』
「そうか、移動ばかりに気を取られていたけど、城壁も有り何だね。
その方が守り易そうだね。」
『いいえ、二段構えが必要かと思います。』
「と言うと?」
『転移為魔法で、離れた場所か、精製魔石の異空間に避難する方法です。』
「そうか、そうだね。早速城壁から始めてみようか、こちらは時間が掛かるから、
少しづつやらなくてはね、おっと、ご主人様の許可も必要ですね。
ついでにお屋敷も囲ってしまいましょう。」
「そうだ、お屋敷の皆には、ヴラド家の家紋が入った
ペンダントの付いたネックレス。
これに門前のお屋敷にお飛ぶ精製魔石を仕込めば、良いですね。
ただ、門前の事は出来るだけ、秘密にしたいし、避難装置と言うと、
”そんなに危ないの”とか言われかねないし。う~ん・・・」
そんなララを見てラグジュが、ララ様、
『ちょっぴり魔力が高まるマジックアイテム
とか言って持たせれば宜しいのでは?』
「そうか、それだね、家紋も入って居るし、粗末に扱われる事は無いはず。
あとは、金貨レベルの価値は付けましょうか?でも、
誰が転移避難の判断をするかと言う事ですね。」
次話:家紋の入った転移ペンダント




