611話 革鎧の使い方
革鎧の使い方
「今度はディックね、文官の合格ライン設定見せて。」
『はい、こちらに成ります。』
「魔力操作は、ハンド二本と、飛行で問題無いね。
テレポートは、上空100mと地上10Cmも良いね。
ただ、イメージ共有でのテレポートが無いけど、難しいかな?」
『いえ、そこは認識がなかったので、訓練して居ません』
「便利だから、出来たらやった方が良いんだけど、ちょっと頑張ってみてよ、
難しいようだったらまた考えるから。
革鎧だけど、ベストみたいな方が良いかな?」
『そうですね、女性も居るので、出来ればその方が良いかと思います。』
「で、扱い方だけど、分かってる?誰に教えてもらいました?」
ちらりとサンチェスを見ます。
「ケーリ、貴方には私が教えているから、覚えているよね、」
『あの、魔力タンクや精魔石の粉の扱い方ですよね。』
「そうだよ、皆にちょっと説明してみようか。サンチェス、全員、集めて。」
『はい』ケーリが、魔力の取り出し方、や精魔石の粉の説明に成ると、
”おー”と言う歓声が出ます。知らなかったとは言わせないぞ全く。
革鎧のマジックバックがララのマジックバックに繋がっている事をが判ると。
納得した様にオーギが
『どおりで、時々ポーション類が増えている事が有るのはララ様が、
送って下さっていたのですね。』
ララがにたりと笑います。
「必要な物はこれからもマジックバック経由で渡すよ。
念話は送っているはずだけどね、」
サンチェスが驚いた様な顔押してます。
「う~ん、これから、毎朝、ミーティングやりなさい、
その時、送られた物が有ったり、伝えたい事、
みんな共通認識して欲しい事を、連絡話し合いなさい。
サンチェス、分かったね。」
『へ~い。』
半分不貞腐れた様な返事をします。何時まで経っても子みたいです。
また悪いサンチェスが出て来ましたか、しょうがないです。
「今日はもう一つ、オクタの街のお屋敷が襲われた時の、
冒険者たちの対応です。」
そこまで話すと、緩んでいた雰囲気がビシっと閉まります。
サンチェスが心配そうに
『ララ様、本当にそんな事が起こるんですか?』
「起こります、まず間違いなく起こります。
おそらくお屋敷がスタンビートに飲み込まれる形に成ると思います。」
ウォルトが不思議そうに
『そこまでわかるんですか?』
「今まで、幾度となく、あいつらの悪だくみを潰してきたけど、
それがことごとくスタンビートに関係する事だったんだ、
その時、オクタの街が無事だと言う事は有りえないと思う。
オクタの街の人たちの避難誘導も迅速に行わなければ
成らないし、王都の分邸に被害が及ぶ可能性も考えなければ成らない。
そこで、オクタの街の人たちと、面識のあるサンチェスにオクタの街を、
ウォルトには王都の分邸を守って欲しい。
その為にも、チームサンチェスは、拠点をオクタの街に移します。」
「ウォルトはここを使う、ディックは王都、この布陣んで行きたい。
ウォルトにこの辺のダンジョンの情報を十日程度で引継できる、サンチェス?」
急に名前を呼ばれたのでサンチェスがびっくりしています。
『へい、ウォルトの力量なら、問題無いと思います。』
「ウォルトも問題無いね、」
『はい、頑張ります。』
「サンチェスとディックに頼んである、
さっきの基本終了項目は各自クリアして置く事、良いね。」
『‥『へ~い』・・』
何とも気の無い返事ですね。ララががっくりした表情で
「頼むよ、ほんとに。」
「サンチェス、引継終わったら、オクタの街で拠点作りだよ。」
『承知致しました。』
おゃ、どうしたんでしょう、”へ~い”が無くなりました。嬉しいのかな?
オクタの街はサンチェスが育った街だものね。
(AIマスターから連絡です《ララ様、プロトタイプが出来ました。》
直ぐ見たい、此処はさっさと終わりにして、隠れ里の帰りましょう。)
「じゃあ私帰るから、何日かしたらまた来るよ、
それまでに全員が基本的な能力が出来る様にね。
特にサンチェス、ウォルト、ディック、
三人は試験官に成るわけだから、出来る様に成って居てね。」
〔テレポート〕
それだけ言うと飛んで行きます。
次話:魔動機マウ元帥




