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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
610/968

610話 良いサンチェス、悪いサンチェス

良いサンチェス、悪いサンチェス


サンチェスハウスのドアをノックすると、

覗き窓の蓋がかちゃりと動きます。直ぐにドアが開き

『ララ様。おはようございます。』


今日はバルドが開けてくれましたか。

「サンチェス居る?」


と言いながら中に入ります。

サンチェスが椅子に座って、ナイフ投げをしていた様です。


「サンチェス、眷属の初期訓練のメニューと合格ラインの設定、出来た?」

『へい、こんなもんで、』

と言って、何枚かの用紙を渡されます。


「サンチェス、ディック呼んで、」

サンチェスに渡された書類を読みながら、ディックを呼ぶように言います。


「なになに、魔力操作はハンド二本で両手剣かナイフを二本操作できる事ね。

 うん、これは良い。テレポート、見える所に移動できる。

 ねぇ、これじゃあ、足りない。上空100mと10CMが無いとね。」


「それから、座標からの転移は出来なくても、

 イメージを貰って移動は出来て欲しい。


 後は、ライトアローとファイヤーアローは打てること、

 キャン砲は次の課題ね。あと、飛行が無いね。革鎧の装備習得も無いね。」


一人でぶつぶつ言っているとディックとサンチェスが入ってきました。

「サンチェス、見せてもらったけど、足りないよ」

『へっ、それじゃあ駄目ですか?』


「魔力操作でハンド二本は良いよ、だけど飛行が入って居ないよ。

 テレポートも、無条件で上空100m位まで飛んでもう一度地上10Cmに

 飛ぶことが出来ないと、駄目だよ。


 出来れば行ったところの無い場所でも、

 イメージ転送されれば飛べる様に成って欲しい。


 そうしないと、仲間と一緒に飛べないよ。

 ライトアロー、ファイヤーアローとキャン砲の設定はこれでいいよ。


 最後に、革鎧の使い方が無いけど大丈夫?

 革鎧の魔力タンクを使えば魔力切れが無いし、

 テレポートの距離も何倍にも伸びるよ、


 あらゆる事に魔力切れでとか

 魔力が少なくてとかは理由に成らないと思っていますよ。」


そう言えば、サンチェスの魔力詰まりは治ったっと思っていたけど、

また詰まったのかしら?


「サンチェス、ちょっと来て。」

サンチェスが何だろうと言う怪訝な顔をしてララの前に来ます。


「両手を出して。」やっと分かった様です。ララが両手を取り、

「いくよ」サンチェスの返事を待たずに魔力を流します。

サンチェスが、ビクンと成り、背筋がピンと成ります。


電気でも通されたみたいですけど、そんなに気持ち悪い事は無いはずです。

「前回ので魔力詰まりが治ったと思ったんですけど、

 また、流れが悪く成ってますね。原因は何処だろぅ。」


探るようにも力を流していきます。

「分った、此処ですね。胸のターミナルの所が、普通と違う形に成ってます。

 少し捻ったようになっていますね。そのせいで、流が良くない様です。


 普通に生活するのなら問題無いでしょうけど、

 私の眷属として魔法を使うには不都合が出ますね。

 ここに私の魔力で作ったステントみたいなものを入れて、


 狭窄するのを防ぐことにします。まぁ、狭心症等の治療で

 血管狭窄をや破裂を防ぐために入れるステントと同じ原理です。」


ディックが

『ララ様、その狭心症とか血管狭窄って何ですか?』


「脂っこい、美味しい物ばかり食べているとかかる病気で、

 血管の中が油でギトギトに成るんだよ。


 結果、当然流れが悪く成ったり、詰まってしまって

 詰まった先の組織が死んでしまいます。

 それが心臓や脳なら簡単に死ねます。」


『『『げっ』』』何人か、思い当たる事が有る様です。

サンチェスの治療が終わって、

「サンチェス、どうです?」


『何か爽快です。頭の中の霧が晴れたような感じ、

 以前ララ様が魔力詰まりを直していただいた時と同じ気分です』

「貴方の体質的に魔力が通りづらいみたいだから、これから時々見て上げるわ。」


『有難うございます。』

「さっきまでの悪いサンチェスが、急に良いサンチェスに成った様ですね。

 合格ライン設定は書き直して置いてね。」


『はい、承知致しました。』

(「サンチェスで無いみたい、何か気持ち悪い」)


次話:革鎧の使い方

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