607話 ギルド階級確認試験
ギルド階級確認試験
私が行きます。エスメが出ます。
『お前の得物は何だ?』
1m程の棍を出して、「これで行きます。」
『面白いな、槍にもなりそうだしな。
よし、ルールは簡単、相手を先頭不能か参ったと言わせればいい。
ただし、殺したり、必要以上の大けがはさせない事。』
「必要以上と言う事は、必要であれば良いと言う事ね。」
『そうだ、金級の奴らは必要以上をやるから駄目なんだ。』
「やっぱり冒険者はあほだわ」
『始めるぞ、そっちから来い。』
『行きます、はっ!』
おや、ギルマスは木剣ですね。
てっきりメイスかアックス、
ウオーハンマーあたりだと思ったのに、ちょっと残念。
カンカン、コンコンと子気味良い音が響きます。
エスメが、だんだんスピードを上げます。
まるでダンスを舞を踊っている様です。
突き、打ち下ろし、打ち上げ、いなし、持ち手を中に変えて、
攻撃、防御を変幻自裁に行います。おっ、ギルマスが汗をかいています。
『OK,ストーップ!終わりだ。』
エスメが構えを取ってはなれます。
『すげえな嬢ちゃん、久しぶりに汗かいちまったぜ。』
(こいつらとんでもねえわ、木剣じゃあ、
いつ折られてもおかしくねえな)
ドゥーガルが木剣に魔力を通します。
『よし、次!』ラルダが前に出て。
『はい、行きます。』ドゥーガルがラルダのトンファーを見て、
『これまた変わった武器を使うな。』
ラルダのトンファーは太さ3cm長さ35cmあり、
二重構造でスピードが上がると中のばねの力で伸びます。
刃も出せますが、今回は刃無し。
だんだんスピードが上がります。
と、ラルダのトンファーの回転が一瞬早くなり、少し伸びます。
ドゥーガルが『うぉ』ッと言って木剣の鍔で受けます。
「流石ですね、あれを受けますか。」
ラルダのスピードが上がり、ドゥーガルが防御一辺倒になった所で、
『OK,ストーップ!終わりだ。』
ドゥーガルがララの方を向いて、
『二人ともとんでもねえな、その年で、銀級、いや、それ以上だろう。』
『今回は銀級としておく、
金級に成りたければ王都に行って試験を受ければ成れるぞ。』
「ギルマス、この子達金級に成れるの?」
『まず間違いねえな、金級の実力はある。その年で金級なんざ、
俺は見た事も聞いた事も無かったがな、取りあえず、銀級でも、
噂に成る事は間違いないな。クレム手続してやれ。』
『承知致しました、ギルマス。』
次話:ハミルおじさんに報告




