593話 魔力吸収型少女レトア
魔力吸収型少女レトア
「さて、今度は貴方ね、お名前聞いてなかったわね。」
『はい、レトアと申します。』
「レド族の娘だね。」『はい、』
「そんなに緊張しなくていいよ、
貴方の魔力特性は自分で魔力を作るだけではなく、
周りから無く魔力を吸収して力に出来る、
とても珍しくて強力な魔力特性を持って居ます。この特性を使いこなせれば、
魔法使いにとっては天敵の様な存在に成るかもしれません。」
「まず、今どれ位魔力を溜めれるか溜めた魔力を放出できるか試してみましょう。
ここでは少し不安なので、訓練の里に行ってみましょう。」
レトアの手を取り、〔テレポート〕
『ララ様、此処は?』
「ここは訓練の里、と言ってもまだできていないんだけどね、
此処は丈夫に作って有るから、みんなが大暴れしても壊れないはず。
まぁ、他よりも丈夫だと思ってくれればいいよ、」
展望台の上に上がり、向かい合って座ります。
「此れから私の魔力を流すけれど貴方の左手から流しますよ、はい、」
ゆっくり流します。レトアの顔を見ながら、量をだんだん多くしていきます。
自分の魔力の2割ほど流した所でいったん止めます。
「かなり流したけど、魔力が体をめぐっているのは分る?」
『はい、温かい物が血液の流れに沿って体をめぐって居ます。』
「その状態で、魔力を外に出せる?」
スプーンを前に置き、
「このスプーンを持てる?」
『はい、やってみます。』
スプーンが宙に浮きます。
「良いよ、スプーんを下に置いて。」
スプーンが床に降り、レトアが目を開けます。
「貴方は魔力詰まりも無く、魔力操作もとても上手です。
ただ、魔力が自分で作れないので、常に魔力不足の状態だった様です。」
「今まで、どうやって魔力を補給、
いや、何を食べると、何をすると体が温かく成りました?」
『食事をした時や、スライムやゴブリンの魔石を取った時です。
でも私が魔石に触ると魔石が白く成って崩れるので、
今はもう誰も触らせてくれません。』
「可哀そうに、ちょっと手を出して、」
マジックバックから精魔石の粉、を出して、
「これを使ってみましょう。」
レトアが不思議な物を見る顔をしてましたが手を取って、
一振り手の平に乗せて、
「吸収とか食べるとかをイメージして見て。」
レトアがこくんと頷き、精魔石の粉をじっと見ると、
すっと他の中に消えます。
と、同時にレトアがビクッと成り、驚いた様にララを見ます。
『ララ様、これは、』
「少し元気に成るでしょう。これは、私にしか作れないんだけど、
魔力を増やす効果があるのよ。疲れた時、体が寒い時、元気がない時、
つまり、魔力が切れそうなときは使ってちょうだい。」
容量小のポチェットと一緒に渡します。
「このポシェットは私のバックと繋がっているから、
無くなったら念話で連絡して、直ぐ送るわ。」
『有難うございます。嬉しいです』
「さてと、本題だけど、今、魔力の状態、充填具合はどれ位?」
『はい、もう入らないと言う所までに成った事が無いので、
分からいですが、まだまだ入りそうです。』
「今の状態で、いつも通り暮らして、何日位で無くなりそう?」
『一ヶ月位は大丈夫だと思います。
以前魔石を吸収した時の状態に似ていますから。』
「うん、燃費は良いけど、自分で作れない分じり貧ですね。
じゃあ、どれだけ入るか試してみますか。」
「8割くらいまで入れてみるね。」
レトアの顔を見ながら魔力を送り込みます。
自分の魔力の半分くらい送った所で、
レトアが顔を真っ赤にして、恍惚としてきました。
「レトア、大丈夫?」
『大丈夫です、ララ様、とても暖かくて、気持ちがよくて、
こんなに沢山魔力が入ったのは初めてですぅ。』
「まだ入るの?」
『入ります。入ります。もっと入れてみてください。』
魔力タンクも有るし、全部入れても大丈夫だね。
「じゃあ行くよ。」
どんどん入れて行きます。
「丁度これで満タンに近いと思う。どんなもんですか?」
私の保有魔力の9割程に成りますね。
私も魔力タンクから補充しておかないと、まずいですね。
次話:レトアの魔力操作




