573話 3階層入り口の罠
3階層入り口の罠---573----------
探査虫から発見の報告があり、その場所に向うと、
「うん、確かに、工作機の情報と一致しています。」
岩がキノコの形にくりぬかれている所を確認。
キノコを取り出し、そこにはめると、
キノコが岩に吸収され、5m程横の岩が内側に崩れ、
二列縦隊で入れるほどの入り口が出来ました。
外から見た感じでは中は真っ暗なので探査虫を送ってみると、
中は10m四方位の空間になっていて、
床に転送魔方陣が掘られていると報告が来ます。
スイッチの類は無く、起動方法は不明との事でしたけど、
乗ればどこかに飛ばされるんじゃないかな。
「取りあえず、何名か残して、入ってみましょう。ここは念話は通るようなので、
問題無ければ、テレポートで合流出来るでしょう。」
「残るのはシンバとマッシュお願い。」
《承知いたしました》狼2頭を残します。
残り全員で入りますが、魔方陣は起動しません。
「あれ?駄目かぁ。う~ん、なんだろ、
工作機の情報を思い出しますが、それらしい事は有りません。」
「じゃあ、マッシュ、隠れて、シンバ入って」
シンバが入りましたが起動しません。
(AIマスター、この転送システムに関して何か記入は有りますか?
《特に有りません。後から追加された設備かもしれません。》ありがと。)
「マッシュも入って、何か有ってもテレポートで逃げる用意して。」
『『・・・『はい。』・・』』
マッシュが入ると同時に入り口が閉まり、魔方陣が起動します。
転送が始まった様です。
その時、
《ララ様、罠です。!!》
AIマスターの叫び声がむなしく響きます。
一瞬遅かったですね。
「遅いーーー!!」
ララたちは全員落下中です。
「全員上空500mに〔テレポート〕、そのまま上空に停止。」
「あっぶね~~。テレポートや空を飛べなければ即死ですね。
あそこが一応安全の様ですね全員テレポート用意、
全員にイメージを飛ばして右の岩山の上に〔テレポート〕。
さてと、(AIマスター、どういう事でしょう?)
《はい、頂いた資料を解析していた所、
改定や追加の罠などの資料が出て来ました。
その中で、今までの入り口が上空に放り出す罠と記入されていますが、
新たに罠の無い入り口も作られています。》
(罠がある方と無い方の入り口、その差は罠と出口が違うだけ?)
《変更されたのは罠の入り口だけの様ですが、まだ、解析が終わって居ないので、
何とも言えません。何か、思い付きの様に、変更や追加を行っている様で、
資料が纏まって居ませんしかも、走り書き程度の物もあり、
解析に時間が掛かっています。今日は一旦引き上げて、
明日、改めて探索を行っては如何でしょう、
そうすれば、罠なども探査虫で確認出来ます。
安全を確保する為にも、そちらをお勧め致します。》
(じゃあ、一階のミウや二階のキノコたちが行っていたゲネメへの報告、
これは大丈夫だと思うけど、急にあいつらが視察に来たら対処できないよ、
とにかくすでに私がかなり荒らしているから、さっさと終わらせたいのが本音。
ダンジョン核の隠し部屋の位置を教えて頂戴。)
《承知致しました。現状の地図に位置を記入した物、
立体図形と一緒に送ります。》
(「うっ。知識の転送は何か頭の中をかき回されるような
感覚があるから嫌なんだよ。」)
岩山の下、ジャングルを越えた反対側に
ダンジョン核の有る階層に行ける扉がある様です。
次話:三階層ジャングル




