566話 オアシスのお姉さん-
オアシスのお姉さん----566--
「あのオアシスが二階層の入り口に成っている様です。
あのオアシスの上空にテレポートするよ、〔テレポート〕」
ララとベリアが一番、二番がボス、
「ベリア、ドスンと降りるよ。」『承知、』
泉の手前木が少し生えている所に、”ドーン”
衝撃で泉の水がちゃぽんちゃぽんして、中の何かが跳ね上がります。
【きゃ~】ん?何か声が聞こえた様な?。
動いて居る途中で急に止められたので、地面にも少しほころびが出来た様です。
泉の横に行くと、泉がざわざわと波立ち、疲れた顔の精霊風の女性が
両手に金と銀の斧をぶら下げ、出て来ます。
(金の斧と銀の斧ですか、私ら木こりじゃないよ、切る木が何処に有るの。
ここは思いっきりからかいます。)
「あっ、頭に黒い角が、」あわてて、斧を持たまま、手を頭に・・・。
”ゴキン”頭に斧が落ちた様です。斧を落としてしゃがみこんでいます。
「あれぇ、黒い尻尾が、先っぽが♥型だよ。」
あわてて、手をお尻に持って行って、
バランスを崩して足を広げて背中から泉にドボン。
「あらら、あられもない。」
「あれじゃあ、精霊神様に怒られますよ、
ピヨピヨの蛍玉からやり直しですね。」
オーガや狼達が、ララを見て、”容赦が無いねぇ”とでも言いたそうです。
それでも精霊もどきが、やり直しとばかりに、泉から上がってきます。
せり上がりの舞台装置でも付いているのかしら、
サーチで探ってみると、レバーが有りました。
首が出た所で、機能を停止させます。
ついでなので、「逆回転~ん」泉に引き込みます。
何か、ガボガボ言いながら沈んでいきます。
少し浮き上がって、バシャバシャしていたかと思うと、
ようやく、岸に手が届き、這い上がってきます。溺死寸前のお嬢様ですね。
あらあら、本当にしっぽが出ています。サキュバスの尻尾ですね。
本物の悪魔なら、お話を聞く事にしましょう。肩で息をしながら此方を見て、
【貴方が落としたのはこちらの金の斧ですか、・・・。
斧がありまっせん。ちょっと取ってきますね。】
「もぉ、いいから。」流石に可哀そうに成ります。
何か言いたげな目をしてこちらを見るので、〔魔眼〕
「大丈夫、もう、貴方を縛る物は何もありません。
少し、私とお話をしましょうね、サキュバスのお姉さん」
少し驚いた様な顔をしますが、
魔眼の効果が有る為それ以上の行動はとりません。
「こんなところで、水の精霊なんかの真似を押して、誰に命令されたの?」
【あの、公爵様の魔法使いに、言われました。
言うとおりにすれば、行方不明の妹を探してくれると言う事でした。】
「何時から、こんな事しているの?」
【水の精霊の真似事はまだ半年ほどです。
その前は、屋敷の女中や下働きをしていました。】
(魔法使いに暗示をかけられている様な気がします。)
「公爵様のお名前と魔法使いの名前を教えて頂戴。」
【はい、アザゼル公爵様とゲメネ導師様です。】
出ました公爵とゲネメ。
「その公爵とゲネメはここで何をやろうとしているの?」
【私には分りませんけど、時々強い魔力が上から下に
通って行くのが遠目でも分りますから、
力を蓄えているか、何かを作って居るのだろうと思っています。】
「君の知り合いや同族はこのダンジョンにまだ居るの?」
【はい、私を含めて3人、一緒にゲネメ様の所に呼ばれましたので、
どこかに居ると思いますが、見た事が有りません。】
ララが立ち上がり、集中して、〔ピチョーン〕・・・。
「この階には魔物しか居ませんね。下の階層化もしれません。」
「貴方のお名前と、その時の二人のお名前を教えてください。」
【はい、私はミウ、一緒に呼ばれたのはマヤとマオです】
「所で2階層の入り口はこの下で良いの?」
【はい、ご案内致します。】
「いや問題無ければ私達だけで行くよ。」
【此処の門は、私が居ないと、水の魔物が襲ってきます。】
「じゃあ、案内して貰おうかな、
所で、同じサキュバスだけどムウって言う娘知ってる?」
ミウが目を丸くして【私の妹の名前です、ず~~と探していたんです。
知っているんですか?】
「ラグジュ~、出て、ムウも連れて来て。」
次話:サキュバスのミウ




