準備
準備---------
「明日は早朝、日の出とともに出発です。
でも世界樹の森はずいぶんと明るい朝ですけどね。」
「セバス、お昼と夜のお弁当忘れないで。
朝は食べてから出発だから今夜は早く寝てね。」
「グラン、鳥達にも伝えて、
それから、バドはこれから鳥たちが行く所には原則一緒に付いて行きます。」
ソファーを指し示し、
「狐たちは此処にちょっと座って、明日の打ち合わせです。」
「エミリお茶を入れてくれる。」
『はい、ルビ様』
「さて、ぎん、昨日はありがとね、助かったわ。」
ギンは首を横に振ってます。
「みんな<精霊魔法>のスキルは持って居ると思います。」
「明日、みんなが精霊を連れて来れる様に頑張りたいと思います。
得意な物をより強くしたい、と言うのが私の考えです。器用貧乏が一番いけない。
ギンは出来るだけ火魔法を極めて欲しい。
ギンコは機動性と空戦力を考慮して風の精霊を。
ギンジは地上戦力の増加を考え土の精霊をお願いしたい。
あと、精霊は常に顕現させている訳にも行かないので、
外出や移動の時に宿る魔法杖を世界樹の枝で作りたい、
形の基本はこんな感じですね。」
「これはフゥーが宿る魔法杖ですが、あいつはあまりここに入ってないですね。」
「大きさ、形に希望が有れば明日の朝までに言ってください。
簡単な図や絵を描いてくれると助かります。」
「皆も精霊と話は出来ますが、最初は世界樹とフゥーに任せたいと思います。」
「一つの形として参考にしてもらえばと思うのが、鳥たちに着せた革鎧ですが、
結構多機能に成ってます。」
鳥の革鎧、予備を一つ取り出して、見せる。
「これは鳥用ですが、いつも表に出しておく必要は無いのですから、
考え方として、杖を収納する事が出来ます。」
「同様に、ペンダント型もありだと思います。」
杖の上部の丸まった所を示して。
「この部分が有れば問題無い様です。」
「明日は、ここから直接森に飛びます。」
「どうも、不穏な雰囲気がするので、通常の転移は使いません。
私の魔法で、みんなと行きます。」
ギンコは質問が有る様です。挙手をしてきました。
『不穏な雰囲気とはどういう事でしょう?』
「判りました、これから言う事は、全て私の想像です。他言無用に願います。」
「あの森の存在は私やギンが知る神々が関わっている
可能性が有る様な気がします。そして、その神々は、此方の、
何者かに悟られずに、此方の世界を探っている様に感じます。」
「理由は、私のLV9での緊急退避、再生時の不思議、一滴の血液からの再生、
これはクローンとほぼ等しいし、以前より基礎能力が大幅に上がってます。」
「更には、向こうの世界での魔物の様な者による私の殺害。
神の作為的とも思われるギン達の此方の世界への転移。
私の緊急退避先が、研究所では無く、なぜ、世界樹の森に成ったのか。」
「再生プログラム中に起こったプログラムに無い神界への転移。
進化家の転移はプログラムに無い事を確認しています。」
「もしかしたら、私の殺害にも大きな力を持って居るこの世界の者が、
我々の知る神とは異なる勢力の者が関わているのかもしれません。」
「そのように考えると色んな事の辻褄がとても合うのです。」
「もし、この考えが正しいならば。あの世界樹の森の存在は
隠さなければ成らないと思います。」
「今使っている転移魔法では一般的である為、研究され、魔力の流れを追跡し、
場所の特定、存在を知られる恐れがあります。」
「そのため、今までとは違う、一般的ではない魔法を使って
出来るだけ探知されない様にこれで行きます。」
「他に何か質問が有れば、?」
「無い様なので明日に備えて休みましょう。」みんな、部屋に戻りました。
次話:魔眼




