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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
531/969

531話 ララの隠れ里に-門前

ララの隠れ里に-門前


昼食が終わり、奥様の部屋でお茶をしていると、

ノックの後に『私だ。』奥様が立ち上がり、ドアを開けます。


パトラが開けるかと思っていたのですが、

御主人様が来た時は奥様が開ける様です。

私もパトラも立ち上がり、御主人様に礼をします。


ご主人様が奥様の横に座り、

『さて、ララ、何を話してくれるんだい。』


「はい、私が異空間に作りました眷属たちの

 小さな世界をご案内したいと思います。」


奥様とご主人がお互い顔を見合わせてから、ララを見ます。

何を言って要るか分からないと言った雰囲気です。

「では、行ってみましょう。」


「奥様とご主人様お手を拝借致します。

 アトラは、私の肩に、ルビ様は私につかまって。

 それでは行きます。入る!」


門前の中、お屋敷風の建物の前に到着します。

旦那様と奥様はぐるりと周りを見回し、

門と門番を見つけ、ビクリとしています。


『らら、あれは、』奥様が顎をしゃくって、ご主人様の腕をつかみます。

「ご説明いたしますので中に入りましょう。旦那様が頷き、中に入ります。」

ドアを開けるとベリアンが飛び出し、ルビちゃんにだいぶします。


『うわ~!!。ベリアン!ここに居たの?』

「住んでいるのはここでは無いのですが、

 ルビ様が来るのでベリアンを呼んでおきました。」


皆を応接室に案内します。

奥様とご主人様に並んで座って頂き向いにララが座ります。

メイドがお茶を出したので、一口飲んでから。


「ご説明いたします。ここは、私の眷属が住む世界の玄関に成ります。

 私以外の物は、全て、此処に来てから、

  先ほど門番の居ました入り口より入る事に成ります。」


「ただし、中に入れるのは私と私の眷属、そして、

 ご主人様、奥様、ルビ様の三人だけに成ります。」

パトラが”えっ!私駄目なの?”と言う顔をして私に抗議の目を向けます。


「不審な物、不穏な者、

 とにかく害する可能性の有る僅かな可能性を排除する為です。」


「パトラ自身に問題が無くても、爆薬、小さな追跡の魔道具、病原菌、等

 考えれれる物は沢山あります。」


『でも、私たちだって、その様な可能性は有るわよ』

「いえ、私の立場上の事もありますが、ご主人様、奥様、ルビ様を

 私の世界から除く事など出来ません。

 

 お三人なら、基本情報を作る事は出来ますし、変化のトレースも出来ますので、

 あの門を通過する際の比較でご本人か、

 異物が無いかのチェックが可能に成ります。」


ご主人様が『そこで、あの番人が居るんだね。』

「あれはほとんどこけおどしの飾です。ご安心ください。

 そこで、危険が迫った時、転移する先として、此処を利用したいのです。」


ご主人様が不思議そうに

『ん?でもここはララが居なければ来れないのではないのかい?』


「そこで、いつもお持ちしている、肌身離さず身に着けていらっしゃる物に、

 細工をしたいと思います。細工前と見た目や、重さ、形全て全く

 変わりませんので、ご安心ください。」


と言って、ララが両手を出し、

「御主人さまと奥様、ひらり手の薬指に付けている指輪を見せて頂けますか?」

と言うと、二人は驚いた様に顔を見合わせ、頷くと、


指輪を外し、ララの左右の手の平に指輪を乗せます。

ララは二つの指輪を軽く握り、三秒ほど目をつむると手を開き、

二人に差し出します。


『もう済んだのかい?』ご主人様が不思議そうに言います。

「はい、終わりました。お付ください。」

二人とも、指輪をはめると、違和感の無い事を確かめます。


『問題無いね、』

「では、奥様のお部屋をイメージして、出る、と唱えてください。

 ここに戻る時はここをイメージして、入る、と唱えてください。」


二人が頷くと『『出る』』二人が消えます。

パトラが、驚いて、ララを見て、『ララ、奥様達は大丈夫なんでしょね。』

眉が吊り上げってます。と言ったとたんにお二人が戻ります。


行く時は座った状態でしたが、帰って来た時は立って居ました。

「お帰りなさいませ。」


『ララ、これ凄いね、これは、此処から出る時は、好きな所に行けるのかい?』

さすがご主人様、そこに気が付きますか。胡麻かしておきましょう。


「行き来する場所は決められております。

 来る所は、発地の制限はありませんが、着地はこの屋敷と周辺。

 向こう側に行く時はお屋敷とその周辺を指定しております。」


「緊急時発動の意味合いから来る場所、発動場所の制限はなくすように

 調整いたしましたが、転移に必要なエネルギーが大きい問題が有りますので

 着地はお屋敷周辺とさせていただきました。」


「ご主人様が仰る通り、遠方よりお屋敷に戻る時にはここを経由して、

 お屋敷に帰る事が出来ます。ただ、あまり使いますと、本当に必要な時に

 エネルギー切れで動かないなんて事にも成りかねません。


 もし、お使いに成りましたら、確認致しますので、

 見せて頂けます様お願い致します。」


ご主人様、残念そうです。でも片道だけでもとあきらめた様です。

『もう一つ、これを私達だけではなく、屋敷の者全員に渡せないかな?』


「はい、先ほど申しました、エネルギーの問題が有りますので、

 エネルギー供給システムを 設置する為、お屋敷の屋根裏の改造を許可して

 頂きたいと言う事と、形はいかがいたしましょう、指輪で宜しいですか?」


「仕事の邪魔に成らない事と、好み、おしゃれの関係、

 保安の問題も有りますので、ご主人様の家紋を入れた

 バッチかブローチと言う事も出来ます。」


「急ぎませんので、

 お話がまとまり次第ご連絡いただければと思います。」


「ルビ様、」ルビちゃんのロザリオを受け取り、その中に転移魔石を入れます。

「では、ご主人様、門を通って”ララの隠れ里”にご案内致します。」

「パトラはここで、待っていて。」


次話:眷属達の観閲式

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