526話 ご主人への報告
ご主人への報告
執務室の扉をノックして、「ララです。」
『入りなさい。』執事長がドアを開けてくれます。
室内に入り、礼をして、
「長らくお休みをいただき真に申しわけ有りませんでした。
今までのご報告をさせて頂きます。」
『色々と有った様だね。』
ご主人様がねぎらう様に、話を即す様に言います。
「はい、私の眷属が狙われているとの情報から、
網を張って、襲撃者を捕らえてみた所、行方不明に成っていた、眷属、
ラグジュと申しますが。ラグジュ昔の部下でした。
事情を問いただしたところ、ラグジュが囚われ、
言う事を聞かないとラグジュを殺すと脅されたことから、
やむなく犯行に及んだとの事でした。
ラグジュは、魔国の貴族に囚われているとの事でしたが、
私が、そこに行く事が出来ると分かったので、
救出に行き秘密裡に助け出す事に成功いたしました。
そこで分かった事なのですが、
魔国の上級貴族、悪魔ですが、魔王に知られぬ様にして、
何やら人の国に悪さをしようとしている様です。
取りあえず、魔国での情報収集が出来るように手配して、こちらに戻って、
予想される攻撃の対応と戦力の増強に努めておりました。」
『ララ、何か壮大な物語の粗筋を聞いている様だね、お前の事を知らなければ、
夢者語りを語っている様だと思うだろうね。
色々と聞きたい事が満載だけど、狼達はどうしたのかな、
ルビが皆いなくなったと大騒ぎしていたが、』
「はい、狼達やカラス、数が増えたので、眷属達全員を移動させました。」
ララが、賢者の石を取り出し、
「この中に、異空間を作る事が出来る様に成りましたので、
此処に移動しております。
出入りは私の眷属以外は出来ない様に設定しておりますが、
後ほど、ルビ様、奥様、ご主人様もご案内したいと思います。」
ご主人様が、何を言っているのか分からないと言う、顔をして、ララを見ます。
「イメージ的には、生き物が入れるマジックバックの中の生活環境を整えたと
お考えいただければ宜しいかと。」
ご主人様が”わかるか”とでも言う様に執事長を見ます。
執事長は肩をすぼめて判りませんのジェスチャーです。
ご主人は、こりゃ駄目だと思ったのか次の質問移ります。
『らら、王都の分邸だが、近くに移動する様だね、
この件について、ロバートがララにずいぶんお世話に成ったと言っていたが?』
お金の事でしょうか。ドラゴンを売った事でごまかします。
「はい、丁度シーサーペントやファイヤードラゴンを
ギルドに売る事が出来ましたので、
そのあぶく銭みたいなお金を有効活用させて頂きました。
今あるお屋敷はロバートさんから貸してもらう事が出来ましたから、
古着屋の工場にする事が出来ます。私も助かりました。
私の稼いだお金はぜ~んぶ眷属たちに回って居ま~す。」
「そうだ、ご主人様、新しく買ったお屋敷でとんでもない物が見つかりました。」
『らら、お宝でも有ったのかい?』
「はい、ある意味それ以上の者です。」
次話:サツマイモの報告




