503話 ペンタの街、ダリンとサンサの家族
ペンタの街、ダリンとサンサの家族------------
「じゃあ、ペンタの街に行きましょう。」
『おー!』結構ハードだと思ったですが、ダリンは元気ですね。
狼広場まで行って、みんなで”入る”と唱えると門前の中に入ります。
ペンタの街にはまだ扉石が無いので、ここからは
”ララの部屋玉”に入ってもらい、私がテレポートでペンタの街に飛びます。
街が見える所まで飛び、みんなを出して、街の門まで歩きます。
門をくぐると、ダリンがそわそわし出して、今にも走り出しそうです。
『おれ、ちょっと先に行ってらぁ』と言うと走り出してしまいました。
後はサンサに案内頼むと言う事の様です。
「あいつは、おっきな子供だね。」
『あ、はははは。』サンサが笑ってます。
「でもしばらくぶりに親兄弟に会うんだから、
きっと中の良い家族なんだね。」
『そうですね、私の所もそうだけど、
金は無くても楽しい我が家と言う事でしょうか。』
「いいね、それ、久しぶりに聞いた様な気がするよ。
こっちまで嬉しく成るよね。」
『はい、有難うございます。』
表通りから裏通りに入って、少し歩くと、城壁の内壁が見えて来ます。
城壁と言っても。石ではなく、漆喰の様にも見えます。
『あの丸太小屋がダリンの実家で、
二件ほど右隣りの二階建てが私の実家に成ります。』
ダリンの家の近くまで来ると。ワーとかキャーとかにーちゃんでけえ、
とかの歓声が聞こえます。何とも微笑ましい事ですね。
『これはしばらく収まりそうもないですから、先に私の家に行きましょう。』
サンサが、自分の実家のドアをノックすると、
ドアが少し開いて、その後すぐに全開<サンサーー!>
女の獣人が飛び付いて来ます。
『ねーちゃん、ちょっと待って。』
<待ってじゃないわよ、やっと冒険者辞めて帰って来たのね。
良かったわ、みんなどれだけ心配したか。
ほんとにあんたって子は・・・・>
泣き出してしまいました。
『ちょっと、勝手に盛り上がらないでよ、まぁ、当たってるけど。』
<とーさん、カーさぁん。サンサが帰って来たぁ>
こちらもどやどやと、沢山の兄弟がお出向です。
<お前大丈夫なのか?けがは?ダリンは・・・一緒か?>
怪我をして冒険者を止めたと思ったのでしょうか、
ダリンはダリンの家が騒がしいので、一緒に帰った事が解った様です。
<とにかく中に入りなさい。>外では近所迷惑に成ると思った様です。
『ちょっと、待って。ララ様、一緒に。』と言って、手を引かれます。
(まぁ、挨拶はしないとね)
中に入ると、狭いながらも楽しい我が家 感が満載の御家です。
「初めてお目にかかります。ララと申します。
本職はヴラド子爵様の邸宅で メイドをさせて頂いております。」
「今日はここ、ペンタの街にダリンとサンサに任せる
古着屋の支店を作りにやって来ました。どうぞよろしくお願い致します。」
と、スカートの両端を掴んで足を引いて、ちょっと腰を落とすお辞儀をすると、
皆さん、深々と、お辞儀を返してくれます。
みんな、説明しろと言わんばかりにサンサの方を見ます。
その視線に気おされた様に、サンサが、
『ラ、ララ様に認めてもらって、店を任される事に成ったんだ、
外に居る、エスメとラルダ、それから、おお、い、いや番犬のワイマ、
ダリンの4人と一匹で、此処で店を出すんだ。』
お母さんらしき女性が<サンサ、おまえ、冒険者辞めたんだね>
と言って、前掛けで目頭を押さえます。
年配の、お父さんだと思われる男性が
<兄弟姉妹の中でお前だけが冒険者、明日おも知れぬ職業に就いた。
あそこのバカ息子、ダリンか、どれ位あいつを恨んだ事か・・・。>
<ララさん、娘をよろしくお願いいたします。>
『とうさん、嫁に出すみたいな事言わないでよ。』
『所で、知り合いの、良心的な不動産屋知らない、
お店に出来る物件探さなきゃならないんだ。』
次話:ペンタの街、店舗物件探し




