ポッド
ポッド--------
「ん!。まぶしい!!。夕日か・・・」
「お日様があっちに沈むから北はこっちよね。」
「北天星が高い位置に有ると赤道より離れる、北に有ると言う事だね。」
「北天星が無いと・・・。南半球か。
そんなに離れた所に転移していないと思うけど・・・」
やがて、夜の帳が下りて星が瞬きだすと
「あれが北天星だけどずいぶん低い位置に有るなぁ、
これは結構南に、北回帰線の近くまで来ているみたいだ」
「魔力を受信するアイテムは1000㎢に一個おとして有るはずだから、
北天星に向かって扇状に2000Km届くように魔力を放てば此処がわかるね。」
「今の残って居る魔力からすると1/1000秒、角度は120°がやっとかぁ」
「上手く行けば一時間以内に迎えが来るはず」
「さあ、やるぞ~~!。両手を広げてそれ!どか~~ん!!」
「げっ!。結構きつい・・・。はぁ、はぁ、少し横に成るㇽ・・・」
「これで届かなければ、もう一度魔力をためて、
角度を小さくして遠くに飛ばすしかないか」
「でも、そうすると、子狐が気を失って時間が経っているし、心配だしなぁ。」
「狩りをして、魔物の血をもらって、魔力を高める!?。
あんまり、力が出ないから危ないしなぁ。う~~ん、困った。」
独り悩んでいると、何かが向かって来ている気配がする。
「お!。あれは黄金虫型の探査用端末、探査虫!!。おしっ!!。
魔力を送ってっと、お~いここだぞ~~!!!」
「よし!気が付いたな。ケガしてないから、だいじょぶだょ~~!」
「これで、搬送用のポッドが来るまで30分以内だな。」
「子狐と、鳥の巣を出して帰還の準備と、胸の卵も大丈夫!」
15分程待っていると卵型のポッドが飛んできた。
「おぉ!来た来た!」
ふわりと空中で横に止まり上半分が無くなると一人用ベットがはまっている。
「上半部が無くなるけど、どこにいったんだろ、
中に入ると閉まると言うか、また出るんだよね。」
乗り込むと、上半分が透明になり外が見える。
「さぁ、帰ろう!」
静かに動き出した。
木の妖精(蛍玉)たちは、見送ると寂しそうに瞬き、木の中に入っていくが、
一つの蛍玉が何かに気が付いたように、幹に副って地表に降りて行った。
そこには水の妖精が宿った杖が立てかけてあった。
くるくると杖の周りを回ると、意を決した様に杖の中に飛び込んだ。
途端に、杖から出ていた淡い水色の光が緑に変わり、また水色に変わる。
あわただしく交互に繰り返したかと思うとぐるぐると渦を巻きながら混じり合う。
やがて淡い黄緑色と成って落ち着いた。
何事も無かったかの様に静かに淡く光っている。
ポッドの中では、
「何かを忘れている様な気がする・・・。」
子狐をなぜながらつぶやいている、
ふと子狐の足を固定するために副えた枝を見ると。
「あああああ!!!。忘れたー!!杖!!!。」
「戻って!!!!」
大騒ぎです。
こうなると一旦研究所に行ってから取りに戻る事や
他の誰かが回収する事は全て絶対拒否に成ります。
ポッドも慌ててSTOP!仕方なくUターン。
「精霊さん、ごめんよ~!!」
ほどなく到着しましたが子狐を抱いているので動けません。
「ねぇ、ポッド、ハンド出して、この木の根元にある杖取ってよ。」
「ついでに、少し離れた所にお墓が有るから、
そこから狐と蛇の死体を取り出してマジックボックスに入れて運んで。」
ポッドにAIは備えて有りますが、
特に墓堀に対しての倫理観は無いので質問も拒否もしません。杖を受け取ると
「ごめんよ~~~!!。
あれ、光の色が違うけど・・・。ま、いいか。魔力足しとくね、ん~~ん!」
魔力をもらうと光が増した様です。
墓堀中のポッド、手掘りの為、ハンドが泥だらけです。
でもAIは土の妖精に頼んで掘り出してもらえば・・・。とは思いませんでした。
遺体を無事収納し、やっと帰還です。
ポッドは汚れたハンドを収納するのが嫌なのか、出したまま飛行です。
AIは改善が必要だと記録に残しましたとさ。
それでも短距離ワープを数回行うと30分ほどで 中継点に到着。
此処から研究所までは、ポッドごと遠距離ワープで一気に研究所に到着。
次話:研究所
☆¨*:♦.,☆¨*:♦., あとがき ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,
「」の形により、誰が発した言葉なのかをある程度特定出来る様にしました。
下記をご参考にしてください。
-------------------記------------------------
「」 :ルビ・ヴラド(ララ)
《》 :AIマスター
『』 :眷属/身内/アンドロイド
<> :人
() :心の声/念話・
〖〗 :人外/妖精/神
【】 :魔物/悪魔
〔〕 :魔法発動呪文