495話 王都の冒険者ギルド
王都の冒険者ギルド
王都のギルド前。
扉を押して、中に入ると、おやまぁ、極楽鳥みたいなのが居ますね、
その取り巻きもにぎやかな格好をしています。
坊主にモヒカンにトレッド、丸刈りライン入り、ニグロ、
さすがにリーゼントは居ないみたい。それにしても
オンパレードね、思わず見とれてしまったわ。
定番、<ねーちゃん、何ガン付けとんじゃ、あ~ん。>と来たもんだ。
「いや、あんまりご立派だったもんで、つい、すいません。」と頭一つ下げるも、
<御免で済んじゃぁ、魔物は居ないんだよぉ>と来たもんだ、
思わずお前は魔物かいとのどまで出かかって、呑み込みました。
<落とし前付けてもらおうじゃないか、ねぇちゃんよぉ。>
頭から叩き落して落とし前って、駄目だよね。
と、ギルマスが飛んできて、坊主にモヒカンにトレッドを一発でぶっ飛ばして、
<てめえら、死にたいのか、野郎ども、こいつら下にぶち込んで置けえぃ!>
あらま、ギルド職員総出で、みんな地下牢に連れて行ってしまいました。
どこぞのヤーさんの事務所見たい・・・いや、格が違うと言う事で、
あいつらが年食うと、こんな風に成るのかなと、ふと思った次第です、はい。
<ララ様、ウサギの解体は出来ておりますが、
何か買い取らせて頂ける物は御座いますか?>
いや~ぁ、さっきの剣幕は何処へ行ったのでしょう、
手のひらを返すとはまさにこの事で、どちらが表かちょっと気に成る所です。
「ビックアントがまとまって入ったんだけど、いります。」
<是非、幾つ位頂けますか?>片手の指を広げて出します。
<5匹?まさか50では無いですよね。>
「一匹幾ら?」
<あいつの外殻は軽くて丈夫、防具や武器の素材に最適なんですが、
最近狩って来れる冒険者が少なくなって、高値になってます。
状態が良ければ金貨1枚と小金貨2枚位で如何でしょう。>
「魔石を貰うから、一匹金貨1枚でいいよ。何処に出す?」
ギルド長がおっかなびっくりの表情で、
<向こうの解体場にお願いします。で、何匹位?・・・>
「500」。デン!ギルド長の尻もちの音です。
<ララ様、それだけ一度には処理出来ないのですが・・・>
「マジックバックの中に入れて置いて、
そこから小出しにして処理すればいいじゃない。」
<ララ様がお持ちになって居る様なマジックバックは
国宝級でも聞いた事が有りません。
ここに有る物では、とても入りきりません。>
「じゃあ、ウサギの解体に貸して置いたマジックバックを兎を移して貸すよ、
レンタル料は一日金貨一枚、どうする?」
<あの、50体ずつ分けて売って・・・>
「小分け販売はしません、一度に買うか、買わないか?」
小分けして購入すればマジックバックのレンタル料は
要らなく成ると思ったんでしょうね。狡い事考えるのは嫌いです。
ギルド長がガクっと肩を落として。
<ではレンタル料10日分でお願い致します。金貨510枚用意いたします。>
「あんたねぇ、私が悪者みたいじゃない、これであんた幾ら儲けるのさ、
今回のアントは、こちとら命張って狩って来た物だよ、
全く、おふざけじゃないよ。」
ララの命じゃないよ~ぉ、オーガ達の命だよ~ぉ。
天の声が聞こえて来そうです。
兎の入ったマジックボックスを受け取るとアント500匹と交換します。
ララのマジックボックスは中身を出さなくても交換できます。
アントはまだ1000匹近くマジックバックに入ってます。
ギルド長にアント入りのマジックバックを渡して、
「で、金貨510枚何処でもらえるの?」
<すまない、さすがに510枚の金貨を右から左に出すのは無理だ、
出来れば明日の夕方、いや、昼過ぎには受け取れるようにしておく、
それで勘弁してくれ。>
「わかったわ、じゃあ、宜しくね。」
と出て行こうとすると、魔国、チュー太Dから連絡です。
『ララ様、魔国、ゲネメ達に動きが有ります、一度着て頂けますか』
「分かった、これから行くね。」
ギルドを出て、〔テレポート〕
魔国でのお話は後ほど。一時間ほどして魔国からララが帰ってきました。
今度は古着屋です。〔テレポート〕
次話:古着屋三回目の売り上げ報告




