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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
460/969

460話 シオンの魔力循環

シオンの魔力循環--------

『ここが、ララ様の部屋ですか』

シオンがぐるりと見まわし、感慨深めに言います。


「そんなに感心しなくていいよ、

 此処も仮の宿だし、此処にも私の眷属が居るよ。」


「ちゅー子C居る」

(『はい、ララ様』)

ちゅー子Cが降りて来ます。


シオンが『キャー、可愛い!!』

両手ですくう様に持ち上げます。


(『私はちゅー子Cです。あなたもララ様の眷属に成られたんですね。』)

『はい、シオンと言います。今日眷属に加えて頂きました。』

シオンがちゅー子Cをゆっくり床におろして、


『ララ様、ララ様の眷属は沢山いるのですね。』

「そうだね、もうどれ位居るのか、分からないや。あはははは。」


「あと、狼やクマ、ブラックジャーガルに・・・そうだ、

 私の参謀役の、ラグジュ、出ておいで。」

(『ララ様、お呼びですか。』)


ラグジュが出ると、シオンが本当にびっくりした様で、おしりで後ずさりします。

まぁ、羽の付いた目玉ですからね


「彼は1000年を生きた悪魔族の元貴族。

 縁あって、私の眷属と成って貰いました。

 流石に1000年も生きると、色んな事を良く知っているよ。」


『シオンと申します。本日、ララ様の眷属に加えて頂きました。

 ラグジュ様、宜しくお願い致します。』


「ラグジュ、この子はやっぱり、精霊使だったみたい、

 精霊使いの訓練は私では出来ないので、精霊神に頼もうと思っている。」


(『ララ様、それ、無理です。精霊神は神界から出る事が出来ません。

  特例として、人界の霊気のたまり場に稀に顕現する事が出来る程度です。

  また、この子が神界に行くには魔力が足りません。ん?・・・・。』)


ラグジュがシオンの方を見て2~3回瞬きをして、固まってます。

「ラグジュ、どうしたの?」


『この娘、魔力吸収型です。自分で作る魔力は多くありませんが、

 外部、空間に漂う魔力さえも取り込む事が出来る特異種です。

 私も過去にこの種の能力を持つ者に一度だけ出会った事が有ります。』


『彼は、魔力の制御が下手だった為、自分の魔力が不足すると、

 彼の意思にかかわらず、死人が出る事もお構いなく吸収してしまう

 事から、人里を避けて暮らしていました。』


「ふ~ん、シオン、貴方魔力切れになった事ある?」

『いいえ、記憶に有りません。』

「ラグジュ、ありがと、最初は魔力操作から教える事にするよ。」


(『はい、では。』)

ラグジュが部屋(屋敷ですね)に帰ります。


「じゃあ、自分の魔力が何処に有るか確かめて、動かしてみましょう。」

「じゃあ、まず、向かい合って座るよ。」

「正座じゃなくて胡坐、こうやるんだけど、出来る。」


ララがやって見せますがきつそうです。

「じゃあ、安楽座にしょう。要するに、集中する為の座り方だから、

 色んな座り方が有るんだよ。」


シオンが座り方を変えて、落ち着いた様です。

「よし、大丈夫そうだね、」これからは念話でやるからね。


(念話:「始めるよ、まず、手の平を上にして膝に置きます。

 目をつむって、心を落ち着ける様に、深呼吸を三回してください。

 いーち、にーぃ、さーん」)


(「次にゆっくり鼻から息を吸い、一杯に成ったら、口から更に息を吸います。

そこで、一旦止めて、鼻からゆっくり吐き出します。

全部出たらまた鼻から息をゆっく吸います。これを繰り返してください。」)


念話と一緒にイメージも送ります。

(「体の中を血液がめぐっています。心臓から頭へ、お腹に、手足に。

その流れを感じる様に、体の内側に神経を集中してください。」)


(「血液に温かい物が混じっているのが感じられたら、それが魔力です。

 今は感じなくてもいいですよ、これから左手から私の魔力を流しますね。」)


ララがシオンの両手に手を重ねます。

({手は握らないで、力を抜いてください。」)


(「目をつむって、これから私の魔力を流します。

 温かいお湯の様な物が血液に沿って流れてきたら、

 それが魔力ですよ。)


(「おへその少し下あたりに溜めてください。沢山溜めなくてもいいです。

 余った分は右手から流して下さい。」)

ゆっくりと右手から魔力を流していきます。


最初は驚きますが、次第に気持ちよくなって来たようです。

緊張感が融けて、おへその下にとどまっている魔力に集中している様です。


(「体を揺らさずに、おへその下の魔力を揺らして見ましょう、

 自分の魔力を混ぜてもいいですよ。ゆっくり、ちゃっぽん、ちゃっぽん、

 動かしていると、だんだん、温かくなって、少し固まって来る様な感じがしますよ。


 ここで、一旦、練った魔力を逃がさない様に保持します。そうですね、

 練った魔力の上に、手を添える様な気持ちで抑えます。

 それを意識の片隅で、覚えておいて、忘れると、練った魔力が逃げますよ。」)


ララが、スプーンを取り出し、シオンの前に起きます。

(「次は、今練った魔力を指の形にして出し、

  このスプーンを摘んで持ち上げてみましょう。」)


シオンが苦戦している様です。

(「シオン、魔法はイメージだよ、こんな感じで摘むイメージ、」)

ララが親指と人差し指でスプーンを摘んで見せます。


(「お腹の下で練った魔力を伸ばして右手、人差し指から出してごらん、

 それでスプーンをつついて動かしてごらん。」)

シオンが汗かいてます。スプーンが少し動きます。


(「出来たね、じゃあ、次は、その魔力の棒の先を二つに分けて、

 それでスプーンを摘んでみて。」)


シオンが額に汗をかいて集中しています。

おや、魔力の先が少し二つに割れて来ていますね。

2cm程割れたので、スプーンを掴んで持ち上げます。


(「できたね、でもすごいね、魔力操作は得手不得手が有るから、

 こんなに早く出来るのは結構珍しいよ。」)


(「とにかく、今教えた魔力操作、これは出来るだけ、時間が空いたら、

  やって頂戴、保存魔力を増やす事にもなるから、絶対やってね。」)


結構疲れたみたいです。

「ここで、ちょっと休憩ね。」念話も終了です。


次話:シオンの魔力吸収

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