表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
458/970

458話 シオン

シオン------


ふと、目の端に、子供が一人、座って、上を向いているのが見えました。

「ん?」と思い、振り向いて注視すると、手を伸ばして、

何かを乗せて、話しかけている様なしぐさをしています。


院長先生がララの視線に気が付き、

<あの子はシオン、ハーフエルフの女の子で、いつも、

 精霊と話をしていると言って、あの様な仕草をしています。


 私達には何も見えないので、周りの子が気味悪がって、近づきません。

 もしかして、心の病気では無いかと、心配しています。>


でも、ララは何か感じた様です。その子の方に歩いて行くと

その子が驚いて、立ち上がり、後ずさりします。

「どうしたの?」


<まぶしいです。みんな驚いて逃げてしまいました。あなたは誰ですか、

 貴方からものすごい精霊の力を感じます。>


ララが精霊神たちの加護のせいだと気が付き、

外に魔力が漏れない様に押さえます。


「これでどうかな?」<だいぶ楽に成りました。>

「あなたは、精霊たちが見えるのですか?」


<はい、この辺には小さな蛍玉しかいませんので、

 大まかなお話しか出来ませんが、色々な所のお話が聞けるので楽しいです。>


<最近、向こうの方に世界樹がよみがえって、

 高位の精霊が顕現したと、噂になっております。>


分邸の方を指さしたので、セレンの事だとわかりました。

「あなたは、精霊とお話するだけ?精霊の力を借りる事は出来る?」


<この辺には力の有る精霊が居ないので、出来ませんが、

 以前、王都の外の泉で水の妖精に会った時は、お水を飲ませてもらいました。>


(「ラグジュ、聞いてた?。この娘、精霊使いかどうか鑑定して、」)

ラグジュが隠匿の魔法を使って表れ、瞬き一つする間で鑑定を行います。


(『ララ様、精霊使いです。しかも特性が無い、

 偏りがない、オールラウンダーです。

 精霊使いだけでも、ここ数百年出ていないと聞いていたのに、


 オールラウンダーと成ると、初めてかもしれません。

 知能も高いですし、この娘磨けば光ります。』)

ララが皆に見られない様に、にたりと悪い顔をします。


「貴方、私と一緒に来ない、貴方のいう世界樹の精霊は、私の眷属、

 セレンて言うんだよ。一緒に来れば、色んな精霊と友達に成る事が出来るし、

 ワクワクの冒険が始まるよ。」


(「ラグジュ、ちょっと、レミ呼んで」『はい、外に出します。』)

ポンと出たレミは、トイレでしゃがんでいるスタイルです、

こちらを見て、キャーのポーズ。ゴチンと頭に拳固をくれて


「お前はほんとに変わらないね、進化しないのかね。」

ララが顔を近づけて睨みます。レミは手を前に出して、止めてのポーズ。

それを見ていたシオンがお腹を抱えて笑います。


「こんなのも居るけど、これも妖精の端くれだからねぇ」

「シオン、貴方には、こいつがどういう風に見えてるの?」

<とても表情豊かで、お話も面白いです。>


レミがシオンの傍に行って、手を握り、

こちらを(指)刺しながら、何かを訴えている様です。

シオンがしゃがみこんで笑ってます。


シオンはレミの言葉も表情も判る様です。面白い。

精霊神の所で修行出来ないか、聞いてみたいですね。

どうせなら最高の所で修行をさせてやりたいしね。


「シオン、私達と来るかい。」

<行きます。仲間にしてください。>


ララが園長先生の方を向いて

「シオンが私たちの所に来ることを許可して頂けないでしょうか。」


園長先生が思案顔をしますが、

ロバートが『ヴラド家でお預かりする事で如何でしょうか。』


と言うと

<願っても無い事です。子爵様の所で引き取って頂けるなら、

 それ以上の事は有りません。>


そりゃそうですね、孤児院から貴族の奉公人になんて、

おとぎ話レベルですもんね。

手続きはロバートに任せるとして、ラグジュを呼んで、レミを仕舞いながら、


「園長先生、無理なお願いをしたお詫びですが、

 これを差し上げます。中には角兎が5000匹、

 ピラーニャが10000匹入ってます。」


「高価な物ですから、出し入れは人目の付かない所で行ってください。」

園長先生にマジックポシェットを渡します。

園長先生は事態を良く分かって居ない様です。


「ウォルト、園長先生にこの使い方、と性能を教えて上げて、

 私とシオンは世界樹の所に行っているから。」

と言って、シオンの手を引いて歩きだします。


ロバートは仕方ないですねと言う感じで、

ウォルトはロバートの顔を見て、頷いて、

院長先生の対応をする事にします。


ララとシオンはそのまま孤児院を出ますが、

「シオン、何か持って来るもの有りました?」

と聞きますが、シオンは首を横に振ります。


そのまま二人は、5分ほど歩いた所に有った古着屋に入り、

シオンの動きやすい服や、普段着、可愛い衣服や下着などの衣類を購入。

シオンに熊さんのマジックポシェットを持たせ、その中に入れます。


「シオン、水精霊のセレンの所に行ってみましょう。」

<はい、ララ様>二人でテコテコ歩いて、世界樹の所に向います。


次話:シオン眷属に成ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ