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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
457/968

457話 カイルス教会

カイルス教会----------


教会の前に着くとすでに司祭が迎えに出ています。

<これは、これは、ロバート様、

 本日は治療院をお手伝い頂けるとの事で、感謝いたします。>


『はい、その前に、神殿でお祈りさせてください。』

ロバートが答え、ララが一歩前に出て、小さな川の袋を司祭に渡します。

『これはこれは、更なる主神様のご加護が有りますように。』


司祭が十字を切って恭しく受け取ります。神殿に案内され、お祈りをした後、

治療院に案内されます。院長に挨拶の後、二人は早速、

担当の治癒師について行き、説明を受ける事に成りました。


此方は司祭に孤児院に案内してもらいます。

少し離れた所に孤児院が有りました。

院長先生は女性の方で、協会の司祭だそうです。


その他にもシスターが三人、食事、雑用の係が二人、

『子供は何人いるのですか?』

<今は、40人ほどに成っています。>


院長先生がロバートの質問に答えながら、ウォルトの方を見ています。

ハッとした様に<貴方、ウォルトよね。>


『ああ、先生、御無沙汰してます。』

小さい院長先生がおおきなウォルトに抱きついて、

セミが止まっている様です。


<たまには顔を見せなさいと言っておいたのに、何年も音沙汰がないし、

 冒険者になったと聞いたから、もしかしてと、心配していました。

 でも良かった。本当に>


と言って、ぽろぽろと涙をこぼします。

ウォルトはバツが悪そうに、


『大丈夫だよ、それに俺も結婚して、子供が居るぜ、

 今は家族で、ロバートさんとララさんに世話に成っている。

 先生、今日は色々持って来たんだ、見てくれや。』


と言って、マジックバックから、色々と出そうとしますが、

院長先生が、沢山ありそうだと、察して、広い、食堂に案内してくれました。


そこに中の物を出すと。院長先生が、口を押さえて、

目を丸くしてびっくりしています。

<あなた、これは・・>


『盗賊どもの討伐が有ってな、その棲み家に有った物で、

 褒美でもらったものだ、使うなり、売るなりしてくれ。』

<それにしても、こんなに沢山・・・>


ウォルトが子供たちの方をちらりと見て、

『生地や古着もあるから、子供らに何か作ってやってくれ』


<有難う、助かるわ、今は食べさせるので精一杯、

 衣類まで手が回らなかったから、本当にうれしいわ。>


ララが前に出て「これはヴラド家からの寄進です」

と言って小さな皮袋を渡します。


かちゃりと、銅貨や銀貨では出ない音がします。

院長先生が、両手で受け取り。満面の笑みで


<有難うございます、神の祝福が有らん事を。>

と言って、十字を切ってロバートにお辞儀をします。


次話:シオン

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