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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
444/970

444話 マニの誕生

マニの誕生------


先ほど、オーガに〔ライトアロー〕を教えている時に、ポウから連絡が有り、

マニがそろそろ、今夜か、明日の朝あたりに孵ると連絡が来たので、

ポウの部屋に飛びます。マニが来ません。


孵る準備をしている様です。ポウが出てきて、

『ララ様、お忙しいのに、申し訳ありません。』

ララが、首を横に振って、


「マニが孵る時は傍に居なくちゃね。」ララとポウが話していると、

オト様がから念話でもう直ぐ孵るから、早くいらっしゃい。

と催促され、急いで孵卵室に向います。


以前は本邸の別の部屋に置いていたのですが、

マニ部屋の出入り口を本邸の私の部屋に移し、

卵はポウの部屋に作った孵卵室に移して有ります。


卵を見ていると、ぺりぺりと卵が割れて行き、

ひょこりと白蛇の赤ちゃんが顔を出します。

開口一番『ららしゃま~~!』


ちっちゃくて、お目目がくりっとしていて、とても可愛いです。

手を出すと、するすると昇って来て、ほっぺにチュっとしてくれました。

「マニ、ポウにもご挨拶しなくちゃね。」

『はい、』と言ってポウの肩に飛び乗り、ほっぺにチュです。


オト様がそれを見て。嬉しそうに、

『生まれたばかりなのに、お転婆さんですね。』

マニは全く気にしてない様です。


今度はオト様の所にテレポート、ですか・・・。

生まれたばかりなのに無詠唱でテレポート出来てます。

思わず、ポウと顔を見合わせました。


「マニ、何時の魔に〔テレポート〕覚えたの?」

『はい、ララしゃまが飛ぶのを見てました。』

驚いて、オト様を見て、


「オト様、これは、さっさと竜宮城に連れて行かないと、大変かも知れません。」

『そうね、どこかに飛んで行ってしまわないうちに、行きましょう。』

オト様がポウに目配せをして、短い呪文を唱えます。


オト様から優しいけれども力強い魔力が

周りを一瞬包んだかと思うと、スッと消えました。

『さて、付きましたよ』ララがびっくり顔で「えっ、」


『ポウに許可をもらって、ポウのお部屋ごと竜宮に飛んだのよ。』

「何とも、一瞬ですよ、しかし、神に近い方のやる事は、・・・。」

ララが呆れています。気を取り直して、


「竜宮と言う事は、大海王様はいらっしゃいます?

 出来ればご挨拶したいのですが・・・。」オト様が、小首をかしげて、

『ん、?いないわね。神界にでも行っているのかもしれません。』


ララがびっくりしています。

(「気配?魔力探査?一瞬でわかるんですね」)

オト様がそれに気が付いた様に


『あれだけ大きな魔力の塊が近くにあれば、何もしなくても判りますよ。

 大海王がそこに居る事が判るようにするために魔力は隠さないそうですよ。

 そんな大きな魔力に当てられると困る人もいるんですけどねぇ』


昔の頑固おやじっぽいなぁとララがくすりと笑います。

『マニちゃん、これから、此処でしばらく過ごすから、

 此処、竜宮を案内しますね。』


マニがオトの肩に飛び乗って『は~~い。』嬉しそうです。

ポウが『オト様、私も御供してよろしいでしょうか。』

オトが、おや、と言う様な顔をして、


『何言っているの、貴方も一緒、マニと一緒に訓練もするんでしょ。』

ポウがパッと明るい顔で、『宜しくお願い致します。』


ララが何かに気が付いた様に

「オト様、訓練の期間はどれ位を予定していますか?」


『そうねぇ、ポウは寿命が無いと同でしょうし、

 マニも、半神よりも神界、精霊界に近い存在ですけど、

 半神の成長を考えると、10年以上は必要ね。』


ララが驚いた様に、

『10年、じゅうねん。・・・・』と、繰り返していると

『大丈夫よ、ここ、竜宮には神の修練場に繋がる扉が有りますから、

 そこでは100倍の修行が出来ますよ。』


「オト様、それは、話に聞く、こちらとは次元が異なる空間で、こちらの一ヶ月が

 其処では10年に成ると言う所でしょうか?」

『あら、知っているのね、』


マニが何か感づいた様です。

『オトしゃま、ララしゃまに10年も会えなく成るのは嫌しゅ。』


オト様がにこりと笑って、

『はい、はい、マニの誕生日にはみんなで揃って、

 お祝いをする様にしましょう。』


マニが何か考えている様です。

『解りましゅた。マニ頑張るでしゅ。』


話がまとまった様なので

「それでは、オト様、宜しくい願いいたします。マニ、ポウ、頑張ってね。」

と、移動しようとすると、


『ララお待ちなさい』

オト様が止めます。


『今日はマニの誕生祝とマニとポウの修行場への出発式を

 行わなければ成りません。今夜はマニと一緒に寝て上げなさい。』

そうです、マニは生まれたばかり、明日から一年間会えないのです。


(「ん?その修練場で次の誕生日、一年後と言う事は、

 こちらで三日に一回、三日後に返って来るのですね。

 でもマニとしては一年間は会えない事に成りますねぇ。」)


ララが気が付き、バツが悪そうな顔をして

「マニ、今日は一緒に寝よう。」

『うれしいでしゅ~~!』


さて、竜宮城の宴会です。鯛やヒラメの舞い踊りでは有りませんが、

楽しい時を過ごして、マニと一緒におやすみなさいです。


『ララしゃま、マニは、大きく、強くなって、

 きっとララしゃまを守るでしゅ。むにゃむにゃ・・・。』

あっという間に寝てしまいました。


ララはそっとベットを抜け出し、お茶をしていたポウとオト様の所へ行き、

「オト様、マニは寝ましたが、

 私が今度来るのは三日後の22時頃で宜しいですか?」


『それだと少し遅いわね、三日後の19時頃にして頂戴。』

「承知致しました。それから、此処に直接テレポートで飛べますか?」


「宜しければ、先日お渡しいたしました、賢者の石の世界の小さい物、

 精製魔石をお渡しいたしますので、それを適当な所に置いて頂ければ、

 出入りが可能ですけど、いかがいたしましょう。」


『そうね、此処の保守、警備関係を考えると、

 精製魔石を使った方が問題無いようですね。』


「承知致しました、それでは此方を、」

オークの精製魔石から作った転移門をオト様に渡します。


石を受け取ったオト様が難しい顔をしています。

『これが城の中に有ると、全ての警護、防御が無効に成るのね。』


ララがちょっと考えて「この魔石は現在は私しか作れませんし、

 動作時に特殊な魔法波動が出ますので、もし、不安が有る様でしたら、

 検知する魔道具を今度来た時に持って来ますけど、いかがいたしましょう。」


『ララを信用するとかしないとかではなく、

 ララ以外の誰かが作れるようになった時の用心に一つ有っても良いわね。』


「分りました、次回、持って来ます。」

(「確かに、転移門に登録した者達以外が入り込まない様にする事と、

 誤って入り込んだらすぐに見つける手段は必要ね。」)


(AIマスター、お願い、作って置いて。

 見本は、マジックバックに入って居るから、持って行って良いよ。)

『承知致しました。』


「それじゃあ、私はマニと一緒に寝ますね、

 明日の朝、マニが起きた時に私が居ないと、寂しがるでしょうし、

 マニに行ってらっしゃいを言って上げたいので、」


ポウが、嬉しそうに、

『ララ様、有難うございます。そうして頂けると、

 マニのやる気が違うと思いますので、是非、お願い致します。』


「それじゃあ、お休みなさい」


次話:神の修練場へ

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