443話 レドラ、レドル、レドロの-魔力循環
レドラ、レドル、レドロの-魔力循環-------------
みんなで輪になって座ります。
「始めるよ、まず、手の平を上にして膝に置きます。目をつむって、
心を落ち着ける様に、深呼吸を三回してください。いーち、にーぃ、さーん」
イメージを送ります。
「次にゆっくり鼻から息を吸い、一杯に成ったら、口から更に息を吸います。
そこで、一旦止めて、鼻からゆっくり吐き出します。
全部出たらまた鼻から息をゆっく吸います。これを繰り返してください。」
「体の中を血液がめぐっています。心臓から頭へ、お腹に、手足に。
その流れを感じる様に、体の内側に神経を集中してください。
血液に温かい物が混じっているのが感じられたら、それが魔力です。
今は感じなくてもいいですよ、これから私の魔力を流します。
右に座っている人の左手の上に自分の右手を手のひらを下にして、
重ねてください。手は握らないで、力を抜いてください。」
「目をつむって、これから私の魔力を流します。
温かいお湯の様な物が物血液に沿って流れてきたら、それが魔力です。
おへその少し下あたりに溜めてください。沢山溜めなくてもいいです。
余った分は右手から流して下さい。」
ゆっくりと右手から魔力を流していきます。みんな、最初は驚きますが、
次第に気持ちよくなって来たようです。緊張感が融けて、
おへその下にとどまっている魔力に集中している様です。
「体を揺らさずに、おへその下の魔力を揺らして見ましょう、
自分の魔力を混ぜてもいいですよ。」
「ゆっくり、ちゃっぽん、ちゃっぽん、動かしていると、
だんだん、温かくなって、少し固まって来る様な感じがします。
ここで、一旦、練った魔力を逃がさない様に保持します。」
「そうですね、練った魔力の上に、手を添える様な気持ちで抑えます。
それを意識の片隅で、覚えておいて、忘れると、練った魔力が逃げますよ。」
ララが、スプーンを取り出し、みんなの前に起きます。
「次は、今練った魔力を指の形にして出し、
このスプーンを摘んで持ち上げてみましょう。」
摘むイメージ、ララが親指と人差し指でスプーンを摘むイメージ見せます。
「お腹の下で練った魔力を伸ばして右手、人差し指から出してごらん、
それでスプーンをつついて動かしてごらん。」
三人とも汗かいてます。レドルのスプーンが少し動きます。
それを見たレドラに気合が入りました。三人とも何とか、出来た様です。
「出来たね、じゃあ、次は、その魔力の棒の先を二つに分けて、
それでスプーンを摘んでみて。」
三人とも必死の形相で集中しています。
おや、レドルは魔力の先を二つに割っている様です。
レドラは先の少し手前からもう一本生やしています。
それぞれ、個性が有ります。三人とも出来ました。
「みんなできたね、でもすごいね、魔力操作は得手不得手が有るから、
全員が出来るのは結構珍しいよ。」
「とにかく、今教えた魔力操作、これは出来るだけ、
時間が空いたら、やって頂戴、特に魔法を主に使う物たちは、
魔力を増やす事にもなるから、やってね。」
見回すと結構疲れたみたいです
「ここで、ちょっと休憩ね。」
ミックスポーションの中級を三人に飲ませます。
三人ともびっくりして瓶を見ています。
『ララ様、これは、』レドラが聞いて来ます。
「これは魔力も体力も回復させるからね。後から上げるね。」
「今やった事が出来ると、こんな事も出来るんだよ、」
と言って、剣二振り取り出し簡単に打合いをやって見せます。
「自分の手も含めて3人分の武器が持てるんだよ」
三人とも開いた口がふたがりません。
「ここまでが魔力の練習。次は魔法だよ」三人の目が光ります。
「まずはやって見せるね。〔ライトアロー〕」近くの岩に向って撃ちます。
「三人とも、今私が撃った所見て来て。」
手ごたえは貫通ですが、握りこぶし程の穴が5m程の岩を貫通しています。
(「人差し指位の直径1~2cm位のつもりでしたが、
ずいぶん大きな穴が空いていますね。魔力上がったのかな?」)
三人がそれを見て、振り向き、ララを見ます。かなり驚いている様です。
「最初はこんなに大きな穴は開かないから、取りあえず、やってみようか。」
10m程離れてから、
「さっき、練った魔力を指の先から、
さっき私がやった様に、光の矢を飛ばす様に、」
三人が岩に向って、指を突き出し、
〔ライトアロー〕
三人とも、光の矢が飛びます。
魔物だからでしょうか、魔力が高く、扱いもうまいです。
三人が岩の所に走って行き、光の矢が当たった所を確認しています。
指先が入る程の穴が空いている様です。
これはすぐに狩りで使えるレベルですよ、凄いです。
「まずは、一撃必殺を目指しましょう。狙った所に当てる、と言う意識を
強く持って打つと、よく当たりますし、魔力を強く乗せると威力が上がります。
練習すればするほど上手に成りますから、沢山練習してください。」
「一撃が出来る様の成ると、こんな事も出来ますよ。」
と言って、〔ら〕〔ら〕・・・・〔ら〕〔ら〕機関銃打ちを見せます。
三人がボーゼンとしています。
「さっき教えた魔力の鍛錬を怠らない様にね」
『『『はい、ララ様』』』
良いご返事です。
さて、倒したバッファローを持って帰るのも大変でしょうから、
肩掛けバックタイプのマジックバック小を出して、
レドラに渡し、使い方を説明します。
登録したのでレドラ以外は使えない事も説明して、
さっき倒したビックブル三頭をバックに入れさせます。
『お、お~!』感動した声を出して、ビックブルを出し入れしています。
さてと、村の者達を説得させなくてはならないので、
「お前達の使命は、村に帰り、自分たちの力を見せて、私の眷属と成れば、
皆がその力を、使える様に成る事、狩りが楽に成り、食事の困らなくなる。
更にはどの様な外敵にも立ち向かう事が出来る事を説明しなさい。」
「私からのおみあげに、これも上げます。」ファイヤードラゴンを一匹出します。
三人とも飛び上がって、岩陰に隠れます。「大丈夫、死んでるよ。」
恐る恐る出て来て、レドラが槍先でつついています。
「レドラ、さっき貸した、マジックバックの入れて置きなさい。」
ぴしっと背筋を伸ばしたレドラが、ファイヤードラゴンに触るのを嫌がるように、
手を伸ばして触れ、マジックバックに入れます。
「私は、用事が有るから2.3日来れないけど、
話がまとまったら、念話で連絡して頂戴。」
『はい、判りました。』ララが頷くと、三人は踵を返して村に向うようです。
次話:マニの誕生




