421話 オクタの街のギルド
オクタの街のギルド------10:30-----
オクタの街のギルド前です。
突然現れたメイドに驚いた人も居た様ですが、
かまわずギルドの中に入ります。
ララが来ると、中の男たちは、スッと、ララの前を避けます。
怖い物を見る様に首をすくめて居る者も居ます。
受付の前に行って、「ギルマスお願い。」
書き物をしていた受付嬢が、顔をあげると、慌てて、立ち上がり、
<はぃ~~!>一言。飛んで行きました。
<ギルマスーー!!、ララ様でーす!!>声が聞こえますよ~~。
受付のお姉さんがすぐ戻ってきて、ギルマスの部屋の前に同伴し、
ドアを開けて、中に案内してくれます。
「昨夜はご苦労様です。」
<ああ、書類にざっと目を通したが、これだけでも十分犯罪奴隷行だな。>
「一人は極刑でしょう。」
<ああ、そこも間違いないな。>
「今日は、下の九人以外の者たちの事も
話して置かなけれが成らないので、聞いてください。」
「昨日の午後に古着屋に行ったんですが、
そこで、最近店の周りで不審な者を見かけると言われ、その後にダリンが、
一昨日街に数人の冒険者が入ったとの情報を持って来ました。
その者達を調べた所、昨夜、古着屋に強盗に入り、
全員殺害する予定であることを突き止めたんです。」
<その話は聞いてないが、ま、いい、話を続けてくれ。>
「その者達6人を捕まえて、尋問した所、
裏で大きな組織が動いて居る事が判りました。」
「また、剣を持って、店に入った連中は、人質を取られたり、
首に魔方陣を付けられ、生殺与奪の権をもたれて、従って居る者達でした。
その為、人質の解放とオクタの街周辺の拠点を潰す事にしたのです。
ノナとペンタの街の拠点を潰して、そこに居た、
どうしょうも無い連中を捕まえて来ました。それが昨日渡した者達です。」
ここで、一息、
受付のお姉さんに出してもらった、お茶を飲みます。
「その組織の事だけど、どうして、古着屋を襲おうと思ったのか
少し引っかかったので、色々と、聞いてみると、この組織は、
王都の貴族と大きな商会が関わっているらしく、
以前、此処で、サラマンダー騒動で捕まえたミナが
副首領をやっている様です。」
<ミナは死刑に成ったはず・・・貴族か・・・。>
ギルマスが苦虫を噛み潰した様な顔をします。
「どうも、貴族達や商会の汚い裏の仕事を受け持って居る様です。
殺し、強盗、何でもありですね。」
「私は、拠点の情報は持ってますが、
討伐する信頼できる者達が居ないので、保留ですね。」
<ミナが外に出ている以上、俺には何も言う事ができねぇな、
所でそんな情報は何処から?>
「それは秘密です。」
「所で、古着屋を襲った4人と、ペンタの街の所長と
下っ端一人の6人、解放した人質は私がもらうよ。」
「そこには何も記入されてないと思うから良いよね。」
<そこが情報源か、まぁ、お前が良いならいいさな。>
<ペンタの街の殺された6人の子供だけど、遺体の場所は分るか?>
ララが、顔をゆがめて、憎々しそうに、
「ペンタの街の近くのミスリル鉱山の向こうに有る”毒カエルの泉”
で毒カエルやピラーニャに食べさせたそうです。
私が魔法で天に送りました。こいつだけは、確実に罰を与えてください。」
<判った、俺が責任をもって、此処で断罪する。>
ギルマスがすまなそうに<報酬の件だが・・・>
「要らない、もし、出るなら、ギルマス受取って。
今回の件で、色々面倒な事に成るかもしれないから、その対応に使って。」
「もし何かあったら、古着屋に言ってくれれば、
私に連絡が届くようにしてるから、呼んで頂戴。」
<すまん、助かる。>
ララがお茶を飲み、話が終わったと判断したギルマスが、
<じゃあ、下に行くか。>
ララが頷いて立ち上がります。
地下室に降りると、まだみんな眠ってます。
「〔麻酔解除〕〔魔眼〕」全員、目が覚めて、ゆっくりと起き上がります。
「みんな、こっちを向いて。」
全員ララの魔眼の影響下に有るので、素直に従います。
「これから、しばらく、此方のギルマスが貴方達に話を聞きます。
嘘や隠し事をしないで、自分が行った悪事、
知る限りのグリフォンの情報を全て話しなさい。」
全員素直に頷きます。
(「最近魔法の効果が高いけど、魔力上がったのかな?
自分自身に鑑定を掛けるってどうやるんだっけ?
後で、AIマスター、にでも聞いてみましょう。」)
「ギルマス、これで数日は従順だと思うけど、様子が変になったら教えて。
後、殺生与奪の魔方陣を壊しておいたから特に問題無いと思うけど、
何かあったら連絡して。」
(「忘れる所だった、みんなにマーカーを付けておきます。」)
<ああ、分かった。>
「じゃあ、私は、帰るね。〔テレポート〕」
キロの街、サンチェスたちの所に飛びます。
次話:再びチームサンチェスハウス




