416話 ピーボの悪事
*****************出て来る魔法の紹介**********
〔魂魄昇天〕:強力な鎮魂魔法。迷える魂を導く光。
光の魔法だが、聖属性の傾向がかなり強い
ピーボの悪事------------
「ディック、ピーボの役目と性格に付いて、教えて頂戴」
『はい、ピーボは副長ですので、此処のまとめ役ですね。
力と恐怖で逆らえない様にしていた様です。下の物、部下は絶対服従させます。
もともと、サドの傾向が強い奴で、逆らったり、言う事を聞かないと、
大好きなナイフで、普段見えない所を刻んでいた様です。
やられた奴は心が病んで、居なくなる者も多かったですね。
何回か、止めさせようとしましたが、
こっちが危なくなりそうなので、幹部に相談した事も有ります。
その話を聞いたミナが喜んで、近々転属してミナの下に着くはずでした。
それから、幼児性愛の可能性も有ります。
近年、何人かの幼女が行方不明に成っており、
調べると、ピーボの影がちらついてます。
まぁ、本人に聞いても”知らん”の一言で、
こちらもそれ以上突っ込みようが無いので、
放置です。無理に突っ込むとこっちが危ないですわ。』
「グリフォンの事に付いて、貴方の知らない事を知っている可能性は?」
<無いです。あいつは、近くのミスリル鉱山の元工夫で、大喧嘩して、
鉱山を追い払われた所を、私の前の此処の所長が腕っぷしを買って
スカウトしたやつです。ここ以外の所は知らないし、知ろうともしない、
まぁ、あまり知恵の回る奴では有りませんから。>
(「これは、尋問する前に犯罪奴隷決定だけど、
子供が行方不明に成った件だけはきっちり尋問しますか。」)、
転がっているピーボの所に行き、〔麻酔解除〕〔魔眼〕
起こして椅子に座らせ、ララは、ピーボと向かい合って座ります。
〔魔眼〕〔魔眼〕ピーボに魔眼を重ね掛けします。
これから言いたくない事を無理やり話してもらうためです。
「あなたは、ピーボですね。」
<はい、私はピーボです。>
「あなたは小さな子供を攫って殺しましたか?」
<はい、攫って殺しました。>
「いつから、何人殺しましたか?」
<三年位前から、6人殺しました。>
だんだん目がうつろに成ってきています。
その時の事を思い出して、興奮している様です。
(「こいつは、人間の社会で暮らしてはいけない類のやつです。
悪魔と比べたら悪魔に申しわけないです。
気分が悪くなってきました」)
「死体は何処に埋めたの?」
<鉱山の向こうに有る”毒カエルの泉”に捨てた。
ピラーニャどもがあっという間に食いつくしたぜ。>
”ガタン””パチーン!”ララが椅子を蹴って立ち上がると。
ピーボの横っ面をひっぱたきました。
近くに居た者達がへたり込んでます。
ララから強烈な殺気が放たれた様です。
《ララ様、御止め下さい。それ以上殺気を放出すると死人が出ます。》
AIマスター、が慌ててララを制します。
ららが、下を向いて、こぶしを握り締めます。
下を向いたまま、
「ディック、こいつに、殺害した子供の名前を書かせて。」
それだけ言うと〔テレポート〕毒ガエルの泉の傍に飛びます。
泉の前で顔をあげると、涙でぐしゃぐしゃに成ってます。
それでも、両手を上げて、〔魂魄昇天〕迷わず成仏出来る様、
思いっきり魔力を込めて、光の魔法を泉に放ちます。
六つの蛍玉が、ふわふわと泉の中から浮かび上がり、空に向い、消えてゆきます。
ララは見送った後、しばらく下を向いていましたが、
〔テレポート〕ペンタの街の拠点の食堂に戻ります。
〔クリーン〕涙の跡を消して。みんなの前に立つと、
「ディック、御金はカンも含めて、7人で分けて。
あと、金目の物と、証拠書類は私が預かるわ。
残りの雑貨は、オハマに上げたマジックバックに入れて、私に頂戴。」
『ヘイ。』
次話:カンとウォルトの家族




