413話 ディックの尋問
ディックの尋問--------------
『はい、これがの所長:ディック 隣が副長:ピーボ。
こっちの三人は、オハマに聞いた方が良いと思います。』
オハマが前に出て、
<此処、ペンタは私とビーチが拠点にしてた所ですので、私が説明いたします。>
なる程と、ララが頷くと、オハマが三人の頭を触りながら
<これがはディ、こっちがグラ、最後にカン>
<ディとグラは子悪党、みかじめ料、ピンハネ、カツアゲ、
この辺のチンピラを取りまとめている様です。>
<カンは、最近来た子で、孤児院を出て、浮浪者に成っている所をウォルが
拾って来ました。気が小さく、性格的に、悪い事は出来ない様です。>
話を聞いていたララが何かを感じた様です。カンをじっと見て、
「カンはもらう、この子は、面白い魔力を持って居る。」
「ディとグラはギルドに罪人で引き渡します。」
「さてと、オマハ・ビーチ・ポール、さっきと同じように、使えそうなもの、
お金に成りそうなものは、渡して有るマジックバックに入れて来て」
ララが副長:ピーボの前に行き、〔麻酔解除〕〔魔眼〕起こします。
「ウォルト、ピーボと一緒に、金品、書類を、テーブルの上に出して。」
『へい。』
「尋問は、ディックからします。」
ディックを椅子に座らせ、ララも向かいに椅子を用意して座ります。
〔麻酔解除〕〔魔眼〕「あなたはディックで良いわね。」
ディックが首を縦に振ります。
「個々の拠点を任されて、何年?ここに来る前は何をやっていたの?」
<ここに来て、三年に成ります。
ここの前は、モノの街に5年、その内2年は副所長でした。>
「首に魔方陣が付いているけど、何でグリフォンに入ったの?」
<田舎の猟師の三男坊、10歳まで育ててもらったけど、
行商人の丁稚奉公に出された。2年やったが、
奴隷に売られそうになったんで、逃げて、
冒険者で鉄級やってたが、食えなくて、野垂れ死に層になった所を、
此処の三下に拾われて、悪事三昧。
悪知恵が認められて、首に紋を入れて、幹部だと思っていたら。
奴隷だったと言う訳さ、
その後は殺されない様に適当に頑張っていただけ。>
(「これ、迷いますね。根っからの悪党ではない様です。」)
「あなたは、自分が贅沢をする為に、
他人を不幸にする事はかまわないと思いますか?」
<それは、人でなし、と言う奴ですね。
俺が主導して、遣った事は、悪人と呼ばれる奴らを食う事、確かに、命令で、
金持ちも襲った事はあった。盗みはやったが、殺しはやってない。>
「じゃあ、今回、古着屋を襲ったのは言っている事と反しないですか?」
<今回の殲滅命令は、驚いた、こんな命令は初めてなので、本部に問い合わせて、
穏便に済まそうとしたら、副首領のミナが来て、逆らうと、殺すと来たもんだ。
流石に、自分の命と、他人の命を天秤にかけられないから、
仕方なく、手配した。後味の悪い仕事だ。こんな、仕事はやりたくないが、
これが付いている限りは駄目だろうな。>と言って、首をなぜてます。
(「冒険者クランを立ち上げた時、
事務方で清濁併せ呑む様な人材が欲しかったから、ちょうどいいかもしれない。
ウォルトの家族にもひどい仕打ちはしていないし、使ってみますか。」)
「ディック、貴方に提案が有ります。
首の魔方陣を外してあげるから、私の兵隊に成らない?」
ディックが目を丸くして
<それは願っても無い事ですが、私には荒事は無理、
御役に立てるような冒険者は出来ないですよ。>
「大丈夫、貴方に期待するのは、事務方。」
ディックが少し考えて、
<それなら、お役に立てるかもしれません。>
「じゃあ、首を見せて。」
ディックがララの方に首を見せたので、
指を触れると”パチン”小さな音がしました。
<おぉ。すごいですね。>
「じゃあ、手始めに、グリフォンで知っている事を教えて頂戴。」
ディックが、幹部の名前や、拠点の位置などを話した後に、
首領がアトルア子爵と会って、裏の仕事の斡旋を受けている事、
魔導士ゲネメが、転移魔法、魔方陣を使って移動している事、等を聞くと、
「転移魔方陣はここにもあるの。」
次話:ペンタの転移魔方陣




