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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
408/969

408話 ウォルトの尋問

ウォルトの尋問---------


「あなたの名前は?」

<俺は、ウォルト>


(「この人は、ねっからの性悪人間の雰囲気がしない、何か事情が有るのかな?

 冒険者パーティで使ってみるのもいいかもね。ま、話を聞いてからね。」)


「ちょっと、その魔方陣見せてくれる?」

と言って、魔方陣に指を触れます。

”パチン”小さな音がして、魔方陣が皮膚の下に隠れる様に薄くなっていきます。


<おっ、何をしたんだ。ん?あの嫌な感じがしなくなった。>

「魔方陣を書き換えて動作しない様にしたんだよ。」

ヘンリーが驚いた顔をしてララを見ます。


<そんな事が・・・。あんたは一体・・・。>

「まぁ、大した者じゃあないよ、多少魔法が使えるくらいかな。」

無傷で倒れている部下たちを見て、首を触りながら、


<こんな事出来るのに大したこと無いってか。>

本当に観念したようです。

<わかった、おれの知っている事を全部話す。>


この男、使えるかどうか、ちょっとカマを掛けてみる事にしました。

「大丈夫かい?魔方陣は発動しないと思うけど

 もしかしたら、と言う事もあるよ。」


<かまわねぇ。どうせこんな事、

 止めたいと思っていたんだ、あんたを信じる。>


(「うん、一次試験合格!。もう少し話を聞いてから決めましょう」)

「時間は有るから、あんたの生い立ちから聞いてみようか。」

ウォルトが驚いてます。何でそんな事までと言う顔をしています。


「どこで生まれて、何処で育って、成人してから何をやっていたの?」

仕方が無いと、あきらめた様に。


<俺は孤児院育ちだ。父親は冒険者でダンジョンで死んだ。母親は

 金に困って、俺を育てられないからと、カイルス教の孤児院に預けた。

 15までそこに居たな。それから、冒険者に成ってノスティンの街を中心に


 活動してクラスは銀までいって、結婚もしたが、

 罠にはまってドボンだ。>

「罠って?」



<後から解った事だが、討伐系の大きな依頼、まぁモンスターの討伐が有って、

 そこで、一ヶ月くらい前に知り合った

 パーティと一緒に参加する事に成ったんだ。


 これが罠だった。依頼も、組んだパーティもでっちあげ、

 わざと失敗する様に仕組まれていて、その責任は俺に有ると来たもんだ。


 ギルドも俺以外の者が声をそろえて、

 でっちあげストーリーを言えば、何も出来ないさ。


 結局依頼失敗の違約金は俺が被る事に成り、借金漬け。

 甘言に踊らされて金を借りた所もグルだった。結局女房子供を取られて、

 魔方陣付けられて、汚い仕事をする羽目になったのさ。面白くない話だよな。


 こんな事聞いて、どうするつもりだ?>

「奥さんと、子供は生きているんだね。」


<ああ、俺が生きて、組織の為に働いているうちは殺さないと言っていたな。

 だが、いい生活はしていないだろう、一緒に終わりにするのも・・・。>


「私が、奥さんと子供を救い出したら、私の部下に成りますか?」

ウォルトが驚いて、ララを見ます。


<そんな事が、出来るのか、

 もし、女房子供と一緒にお天道様の下を手を振って歩けるなら、

 生涯あんたの為に働くと誓っていい。そんな事が出来るならな。>


「よし、契約しましょう。

 私、ルビ・グラドは汝ウォルトの妻子を救い出し、汝の元に返す事を誓う。

 代償として、汝ウォルトは生涯を私に捧げる事を求む。承諾しますか?」


ウォルトは本日何回目かの驚きの表情をしましたが、

<誓います。>


使い魔の契約が完了し、ウォルトの顔色が良く成り、

体力、魔力、等が上昇したようです。

『ララ様、これは?』


「お前は私の使い魔として契約しました。

 心配しなくていいですよ。特に制約はありません。

 体力、魔力、寿命が上がり、怪我が治りやすく、死にずらく成っただけです。」

『それはとんでも無い事では・・・。』


「細かい事は気にしなくていいです。それより、

 貴方の所属していた組織を潰しましょう。」


『これ、細かい事ですか・・・。判りました。

 とにかく、組織を潰して、女房子供を助け出します。』


これから、長い夜に成りそうです。


次話:長い夜の始まり

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