鳥
鳥--------3/21
「ん?朝か・・・。まだ雲が有るけど、遠くに青空が見えるし。今夜期待!。」
「子狐はまだ眠ってるから、寝せておける所探すかナ。」
「ああそうだ、この木の妖精に頼んで、木の洞でも作ってもらうのがいいな。」
妖精が木の幹に手を当て、魔力を流し何かぶつぶつと唱えると、
袋の口が開くように小さめの洞が出現した。中をのぞくと
「おお!木くずまで敷いて有るではないですか!」
子狐を洞の中に寝せると洞の入り口に手を当てもう一度妖精が何かを唱えると
洞の口が小さくなった。
「だけど助かったなぁ、
蛇母さんの血をもらったので、魔力が増えた。迎えを呼ぶ事は出来そう。」
「魔力を温存しなければ成らないので、時間までまた寝ます。!」
チーチー、ギャァーギャァーとうるさい声で目が覚める。
「なんじゃ!?。うるさい!!」
と、思って上を見ると、何か丸い物が落ちてきた。思わず受け取ると、
「鳥の巣!?。卵が三つ」
「お!?。ボスッって!?。帽子の上にも何か落ちてきた。」
取りの巣を膝に乗せ、帽子をとってみると。
「え!!。血だらけ|(ゴクリ!)、親鳥か?」
「あっ。卵を頼む、もうすぐ孵るだってぇ!、思念を寄こされたぁ~~。」
「餌、何食うんじゃー!!あたしゃ虫嫌いだーー!!」
「こんなんばっかり、何か呪われてるの~~?」
「もぅ。ポイしたい!。それは出来ん~!」
親鳥の死骸を見ながらパニクっていると、木の妖精が現れ、おでこにピトッ。
「え?。〖餌は自分が持ってくるからお世話して。〗ってか。
雛は餌以外どんな世話が要る?」
〖害虫から守ってくれる大切な友達。育ててくれるのが、貴方を助けたお礼。〗
「そんなこと言われたら断れないじゃないですか。
でも私はもうすぐ此処から出ていきますよ。」
また何か言ってる。
「〖連れてって、一緒に遊んで。〗と来た。きっとそんなに遊べないぞ。」
だんだん断れなくなってきて、無言。ため息一つ。
「わかった、初めから断れない事は分っていたよ・・・。」
「親鳥の死骸はこの木の根元に埋めるよ!。駄目と言っても埋めるからね!」
子狐の洞を少し広げて中に巣と卵を入れる。
下に降り、地面に手を付いて土の妖精に少し穴をあけてもらう。
親鳥の死骸をいれ、土をかぶせて、小石を一つ載せる。手を合わせ黙とう。
「あれ、何で手を合わせる?。あっ、考えるのよそう。」
「雛が飛べるまでは面倒見るからね。」
上に戻り、巣を取り出す。
「子狐が目を覚ました時食べちゃうとこまるからね」
巣を膝の上に乗せ、両手を被せて温める様にしていると、
いつの間にか眠ってしまいました。。
コツコツと小さな振動を感じ目を覚ますと。
「卵から口ばしが出ている~~~!。何か感動する~~。」
「卵から出るの結構時間がかかるんだね。
手伝っては駄目。という話も聞くし。頑張れ!でももうすぐだ。」
「羽が濡れていて、可愛くないけど。
体が冷えると死んじゃうかもしてないから、手で温めるね。」
「温めるものが手しかないけどがまんして。」
「卵から出るとへとへとで何か大丈夫かな。」
「初乳とか無いから、最初から虫丸ごとだよね。う~~~。」
「羽が乾いたら虫取ってきてもらうから・・・。あっ!。他の卵も孵る!!」
暫くすると羽も乾いてまん丸くなった三匹のひよこ。
「かわえ~~!!。
何で赤子はこんなに可愛いのじゃ!!。私の顔見てピーピー言ってるし!」
「お~い木の妖精、虫取ってこい!!」
木の妖精がとって来た虫を見てビビる。
「私の顔に近づけるな!!。膝に置くな、膝に!!!」
「直接雛に食わせろ!!!」
「なんか、肩で息をしてしまった。」
「あれ??。私が持っている必要は無いのでは?」
「おーい、木の妖精!」
「虫じゃない、私の顔に近づけるなと言っておろうが!!」
「子狐の洞の上にこの巣を入れる小さい洞を作ってな。」
「その洞に虫を運びな。ん?何不満そうな思念寄こす?」
「私をからかって面白いとか思ってないでしょうね。」
「なんかうろたえている様に感じるが、気のせいだよね。」
「なんか疲れたので少し寝る。今は省エネモードだから疲れやすいの!」
不満そうな木の妖精を無視して少し寝る事にした。星が出るまでもう少し。
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