397話 クキの眷属化
クキの眷属化------
「そうだ、私にも狐の眷属が居るんだった。」
クキの耳がピクリと動きます。
「あいつも人型で、世界樹の加護と土と炎の精霊を使役してたな。
名はギンジ、控えめだけど、とっても頼りに成る男だよ。
理由があって、今は会う事が出来ないけどね。」
<あの、ララ様・・・い、いえ、何でもありません。>
(<世界樹の加護に精霊を二柱も使役って下級神と同等では有りませんか、
しかもその方が、ララ様の眷属、ララ様がご主人様と言う事ですよね。
ララ様は中級神様を越える方なのでしょうか、私もこの方にお仕えしたい。>)
<ララ様、私もライナと同じように、ララ様の眷属にして頂けないでしょうか。>
ララが、ちょとびっくりしたようです。
「う~~ん、」
(「オト様が、クキを眷属にしちゃえ。と言っていたけど、どうしよう。」)
「クキ、私の眷属に成ると言う事は、
宇迦之御魂大神様の御使いには成れないと言う事ですよ」
<かまいません、私はその御使いの有り方を嫌って飛び出した者です。
戻る気はりません。かえって、好都合です。
私がララ様の眷属となったと知ればおじじ様もあきらめるでしょう。>
「そんなに簡単に諦めるとは思わないけど、ラグジュ、いいね。」
(『何事もララ様の御心のままに』)
ララが何言ってんだかと言う顔をしています。
「良いよ、もめたら、オト様に宇迦之御魂大神様へ話を付けてもらうから。」
クキが宇迦之御魂大神様の名が出たので、目を丸くしています。
<ララ様って・・・ララ様って・・・>
何やら、とんでもない人だと気が付いた様です。
「じゃぁ、遣りましょう。クキ、いいね。」
<はい、お願い致します。>
「我が名はルビ・ヴラド、友愛の証として汝クキを眷属とし、
わが権能の一部を与える。」
「生涯、お前と共に生き、お前にとって不名誉な命令はしない。
友として一緒に歩んで欲しい。」
<私、クキは、ご主人様の友愛の情を裏切らない事を誓います。>
一瞬ビクンとし、体が少し大きく、毛色も銀が少し混じった様な気がした。
目が金色に輝き、魔力や基本能力が上がった様です。
「気分はどうですか、」
クキが手を見て、握ったり、開いたりしています。
『ララ様、魔力が上がってます、体も軽く・・・』
少しのぼせた様に成っています。
「少し落ち着くまで、無理な事は、しない様に、魔力を使わない様にね。」
『はい』
「ラグジュ、眷属になった時の注意や、
テレポート、ムービング、飛行、等、基本的な事を教えて置いてね。」
(『畏まりました。』)
「私は古着屋に行かなきゃならないから後を頼むよ。」
(『おまかせください。』)
「じゃぁ、〔テレポート〕」
次話:買い出し準備




