393話 魔国ちゅー太Dの嫁
魔国ちゅー太Dの嫁-----12:00--
AIマスター、入り口開けて。
《承知致しました。》岩の扉がゴゴゴゴと開きます。
(「こう言うのも趣が有っていいですね。」)
向こうの扉まで〔ムービング〕で飛びます。「それ、〔ムービング〕」
魔力探知を前方に展開して、障害物を確認しながら飛びます。
10分ほどで到着です。この前はスタンと二人で押して開けましたが、
(AIマスター、これ、この前開けれなかったけど、今も開かない。)
《大丈夫です。開けます。》こちらもゴゴゴゴと言う効果音と共に開きました。
一人が通れる隙間が出来たので、通り抜けると、また、効果音と共に閉まります。
「ちゅー太Dいるかな?」(「ちゅー太D、今どこに居ます?
魔国の入り口に来たんだけど、そっちに行っていい?」)
(『あ、ララ様。ハイ、私もご報告したい事が有ります。
宿のお部屋に居りますので、いらっしてください。』)
(「ん、分かった。〔テレポート〕」)ちゅー太Dの部屋に移動すると、
ちゅー太Dが待って居ましたが、その後ろにネズミが一匹隠れています。
(「は、は~ん。これはちゅー子Cの時の逆パターンですね」)
「ちゅー太D、その子は?」
(「ちゅー太D、が前に出てご挨拶しなさいとか言ってますね。」)
おずおずと、前に出てお辞儀をする、小柄なハツカネズミ、
色が白っぽく、お目目が大きな美ちゅーちゃんです。
(『ララ様、私の嫁です。不躾で誠に申しわけ有りませんが、
お名前を頂ければ、嬉しいのですが、お願い出来ませんでしょうか。』)
名づけ、眷属化の前に、少しちゅー太Dに質問します。
「どこで知り合ったの?」
(『はい、男爵邸のメモリを回収した帰りに、
この宿の周辺にも探査虫を設置しようと、場所選定に
周辺を調査していた所、猫に襲われているネズミの親子、
この娘たちと遭遇しまして、猫が私の方へ向かって来たので、倒し、
生き残った者を保護致しました。
その者達のけがを治療し、食事と休息を与え、数日で回復したので、
元居た所に、返そうとしたのですが、
この娘が、私と番いたいと申しまして、今に至ります。』)
今度は、娘の方に質問です。
「さて、貴方は、このちゅー太Dと番いたい、
共に生きたいと言う事で間違いないの?」
それまで、うつむき加減だった顔を上げ、力強く
(<はい、御許しを頂きたいです。>)
(「ふ~ん、結構しっかりしてそうな娘だね、
これならダイジョブそうですね。」)
「判りました、ちゅー太Dと番う事は私の眷属と成る事に成りますが、
宜しいですか?」
(<はい、お願い致します。>)
「ちゅー太D、私の眷属に成る事の起こる不利益もちゃんと説明した?」
(『はい、ずべて話して有ります。』)
「この娘の親兄弟はどれ位助かったの?」
(『はい、母親と兄達、姉で4匹です。』)
「その者達が助けを求めてきた場合は保護して上げなさい。」
ちゅー太Dと嫁が驚いた顔をします。
「この娘の親兄弟ならば、賢いと思います。
ここで、情報網を構築するのもありだと思いますからね。
でも無理はしなくていいですよ。」
(『有難うございます、ララ様』)
「じゃあ、名付けをしましょう。」
「我が名はルビ・ヴラド、親愛の証として名を授ける、
汝の名はチュー太D
ママ。今後チュー太Dママと名乗るが良い」
「生涯、お前と共に生き、お前にとって不利益な命令はしない。
友として一緒に歩んで欲しい。」
「声を出して承認して」<ちゅー!>
ちゅー太Dママが一瞬ビクンとし、体が少し大きく、
毛色も少し白く成った様な気がます。
目にも光が宿り知力が上がった様です。
マジックポシェットから、ネズミの革鎧を出し、チュー太Dに渡します。
「これから、チュー太Dにこれの使い方や
基本、特集能力の向上方法などを聞いて学んでください。」
「ちゅー太D、仕事もしなければ成らないから、大変だけど、頑張ってね」
(『有難うございます、ララ様。』)
次話:魔国アリク・フォン・アザゼル公爵




