381話 魔王と神のお話
魔王と神のお話---------
『あははは、かないませんね。こからお話するのは、
私が1000年以上も前に調べた事です。』
「創造神が、人や動物を神界の動物を手本に作りましたが、
創造神は、部下の神一柱に人や動物の餌に成る様な生き物を造らせました。』
『人がその生き物を殺し食べる事に罪の意識が湧かない様、
その生き物は、醜く作る事を指示されました。』
『指令された神は、最初はあまり感情もわかなかったのですが、
作って行くうちに、殺されるだけの生き物が可哀そうで、
このもの達を救いたいと考えたそうです。』
『そこで、神の相談した所、一蹴され、激しく怒られました。
創造神に話を聞き入れてもらえなかった神は、神の力、神力を行使して、
地上に空間魔法に満たされたダンジョンをたくさん作り、
魔物達を匿いました。』
『もう分かったと思いますが、魔物をかばう神は天使ルシファー、
創造神デミルゴウスにより落されて魔王と成りました。』
『人と魔物の争いは神と魔王の代理戦争の様でしたが、さほど長くはなく、
すぐに協定が締結され、人と悪魔が接する事は稀な事に成りました。
そして、この後、魔王様は惰眠をむさぼるようになりました。』
「協定とはどの様なもの?」
『はい、どちらか一方が搾取するだけの存在ではなく、
お互いに狩り、狩られる存在で有る事。』
『その在り方も人が愛し、慈しむ感情と妬み憎む感情を持つのであれば、
悪魔も同じ感情を、魔人や魔物さえも、知恵知識のレベルにより、
その様な感情を持つように、住む場所は、
人は地上、魔物はダンジョンと海、空』
『魔人、悪魔は基本魔国から出ない事と定められました。』
『ただし、これは基本的な事であり、不可侵条約では有りません。』
「それで、魔素の多い所では魔物が生息し、人里も襲うと言う事ね。
じゃあ、スタンビートはどの様に考える?」
『それは事故みたいな物です。
おそらく数十年以一度しか発生していないと思います。』
「もし、それを意図的に発生させるとしたら、協定違反に成るよね。」
『ダンジョンの中で起き、多少あふれた位ならば
協定違反の許容範囲と却下されそうですが、』
『人里の被害が甚大で、意図的である事が証明されるのであれば、
魔王の統率力を非難されるでしょうね。
神の干渉を許す事に成り、魔王としては絶対避けたい事でしょう。』
「神が干渉するとどうなる?魔王がそれを嫌う理由とは?」
『悪魔の干渉が原因であることが証明され、
人的被害が無視できない状況であると神が確信された場合は、
第一段階として、被害予想の神託を増やし、被害を最小限に抑える。』
『第二段階は人に上限突破の勇者、賢者。聖人などの権能を与え、
魔王討伐に向わせます。』
『第三段階まで至った事は有りませんが、
神の使徒、を地上に送り、対応させます。』
『神の使徒と成れば、勇者等とは比較に成らないほどの力を発揮できます。』
『ここまでお話すれば魔王が嫌がる理由も判るかと思います。』
「魔王が眠りに入って居る時、誰が魔国、悪魔たちを管理しているの」
『ご存知と思いますが、主だった悪魔は72柱が存在し、この者たちは、
それぞれが上級から下級の貴族として魔国運営の役目を果たします。』
『政治綱領など重要事項の決定は大公と公爵達大貴族により、
会議が開かれ。決定いたします。』
「ふ~ん、魔王を起こす役目の者は?」
『魔王様を起こすのは、大公が担っております。』
「じゃあ、この者たちの考えで、魔王を起こさない事も出来る訳だ。」
『それは、考えませんでした。
ララ様は魔王様が起きると不都合な事が有るので起こさない、
とお考えなのですか?』
「現状から、それが一番理に適っている状況だね。」
「大公たちを通さず、魔王を起こす事は出来ないの?」
『申し訳ありません、私では分からないとしかお答えできません。』
「う~~ん、魔王を起こせば、
全て、丸く収まる気がしますけど、方法が分からないか。・・・」
「何とか、魔王城に探査虫を送る方法が無いかなぁ。
ラグジュ~、何とかならないかなぁ。」
次話:精製魔石の部屋で魔界潜入




