380話 魔界の現状と神話
魔界の現状と神話。------
「これで、眷属たちのホームルームが出来る。派手な訓練は出来ないけど。
安心して暮らせる、子供を育てる環境をが出来るね。」
ぽそぽそと独り言を言っていましたけど、ふと、考え込みます。
「これで、いいのかな?・・・」
「何か足りない気がします。ちょっと、考えを整理します。」
「私はルビちゃんを守るために、眷属を増やし、戦力の拡大を図った。」
「では、何から守る?悪魔から、・・・・」
「私は悪魔の事を知らない、考えも、力もその能力も、」
「戦う相手の事を知らずに無闇に戦力を蓄えても駄目ですね。
敵を知り、己を知れば百戦危うからず。でしたっけ。
ラグジュに色々聞きますか、あと、神の話も聞きたい。
近いのは、精霊神、ああ、オト様がいらっしゃいます。
もしかしたら大海龍王様のお話も聞けるかもしれません。」
「うん、これで行ます。まずはラグジュですね。」
----ラグジュの魔界のお話。---
ラグジュの屋敷、応接室に戻ってみると、
ラグジュが呆れた様に、こちらを見ています。
『ララ様は本当に、規格外ですね。』「何が?」
『全部です!』あれ、怒った?
「それは、さておき。」『何をどこに置くんですか!』無視します。
「ラグジュ~、お茶しながら、聞きたい事が有るんだ。」
『え、ララ様、突然なんでしょう。』無視して、勝手にお茶の用意をします。
お菓子は手持ちのクッキーとチョコです。
ラグジュの分のお茶も一緒にテーブルに置き、ソファーに座り
「悪魔の事聞きたいんだ、魔王、貴族の暮らし、兵隊、戦力、魔法、感情、
特に人間への感情とどんな魔法を使えるかを知りたい」
『ララ様、範囲が大きいですね。何からお話致しましょうか。』
「じゃあ、魔王様は王宮に居るの?」
『魔王様は、神、人間、魔物達との関係が安定した後、数千年前ですが、
自分が居なくても魔国の運営はお前達が出来るだろう、
と言って、100年に一度しか起きなく成りました。』
『本音は、暇でしょうがないけど、どこかに出かける訳にも行かない、
じゃあ、寝るか。と言う事らしいです。』
『100年に一度、数か月か数日起きて、魔国が安定して、
平和である事を確認してまた寝ます。はっきりした場所は分りませんが、
後宮の地下だと言う事です。』
『この前、魔国に潜入した時に、昔の知り合いに聞いた所では、
今回は200年位起きていないそうです。』
『噂では、腹黒い貴族に眠らされているとかの話も聞きましたが、
本当の事は分りません。ただ、200年位起きていない事は確かな様です。』
『あれだけの居方ですから、起きていれば、国中の皆が気が付きます。』
「魔王が200年起きなくて、魔国の住人は不審に思わないの?」
『魔王様の事は平民が心配する事すら不敬です。』
「よしんば、思った者が居たとして、
平民と貴族では力の差がありすぎますから
貴族相手に何か出来る訳では有りません。」
『貴族の中に思う者が居たとしても、無理でしょうね。
貴族内の力の差は、大公+公爵の力はそれ以下の
貴族すべてを合わせたのと同じ位と成ります。』
「そうですか、余程うまくやらないと、
クーデターは成功しないと言う事ですね。」
『クーデター??』
「ああ、反乱と言う事だよ。」
『有難うございます。判りました。』
「神、人間、悪魔、魔物達との関係が安定した。
と言ったけど、大昔、この4者間で何が有ったの?」
『その辺に成りますと、神話の世界に近く成りますので、
虚実取り交ぜたお話に成ります。』「うん、聞かせて。」
『神はこの地上に神の姿に似せた人間、
神界の獣たちに似せた動物を地上に作られた。
しかし、神界の生き物は全て、二面性を持ちます。』
『愛し慈しむ事と、妬み憎む事。愛し慈しむ事を陽とし、
妬み憎む事を陰とすると、
神は陽の感情を多く持つ生き物、人と動物を導き、
悪魔は陰の感情を多く持つ生き物、魔物を導いた。』
『しかし、容姿も感情、考え方も全く異なる生き物が共存する事は難しく、
争いが絶えず、やがて、大きな争い、互いの存属を掛けた争いへと
発展するのは避けれれない事でした。ここで、
神と悪魔、創造神と魔王ですが反し合い、人は地上に、
魔物はダンジョンや、森、荒れ地など、人や動物が生息出来ない所を
占有する様に、住み分けが行われた。』
ラグジュが一息つくと、ララが
「ふ~~ん、それ、ずいぶん口当たりの良い、
お話だよね。実際にはどうだったの?」
次話:魔王と神のお話




