372話 お化け屋敷
*****************出て来る魔物と魔法、魔道具の紹介**********
魔力探査〔ピチョーン〕:
探査魔法。魔力を薄く広く、水面移落とした水滴で広がる波紋の様に。
反射して来た魔力を解析する事で、何が居るのかがわかる。
なれると、個人の特定も出来る。
お化け屋敷------------
分邸に着きました。マーカーで執務室に居る事が判って居ますが、
取りあえずノックをして、返事も待たずに入ります。
「ロバート居る~~~?」
『はいはい、御久し振りでございます、ララ様』
おっ、当て付けがましく、丁寧語ですね。
怒ってます?取りあえず、無視します。
「屋敷の件、どうなりました?」
『はい、無事に登記も終わっております。』
「良かった。所で、前の住人の件だけど・・・・・。お茶しない?」
書類仕事のせいか、疲れが見える様なので、お茶に誘います
アンドロイドなのにずいぶん人間臭いです。
そういえば、アンドロイドたちは、みんなやけに人間臭いです。
AIマスターのこだわりでしょうか?。
ま、いいでしょう、悪い事では無いですし、
「勝手知ったる他人の家と、座って待ってて。」
お茶を入れ、お茶うけに金貨チョコレートを出します。
ソファーに座って「話、聞けた?」
『はい、何処にでもあるようでいて、何か変な話でした。』
面白そうです。
「ほほぉぅ。」ものすごく聞きたそうなそぶりを見せます。
『簡単に言うと、奥様が、浮気性の子爵様を刺して、ご自分も自害された。
と言う事で、恨みを残して死んだご主人様の例がさまよっていて、
甲冑を動かしたり、絵画が動いたりしていると、声も聞こえるそうです。』
『不義密通の上の痴話げんかの果ての刃傷沙汰と言う事で、
後継ぎも居ない事から、家禄没収と成ったそうです。』
「で、何処が変なの?」
『ご主人の子爵様は真面目な方で、浮気の事実はないそうです。』
『奥様が心の病では。と言う話は聞きました、
しかし、なぜ、不義密通の上・・・。
と言う事になってしまっているのか?』
『仮にそのような話が子爵の周りに有ったとしても、
王家直属の査察官がその様な根も葉もない話を信じるのか、腑に落ちません。』
「なる程ね、その他に、噂話でもいいよ、何か有る?」
『はい、祟りだと言う話もありました。
貴族街にほど近い、酒場の吟遊詩人なのですが、
昔、その屋敷の所は広場に成っており、
大きなクスの木が生えていたとの事でした。』
『子爵が屋敷を造る際、邪魔に成るので、切ったとの事ですが、
切るにあたっては、占い師や、魔法使いなどから、
その木は精霊が住んでいるから、切るのを止める様に
色々と忠告されたそうです。
王都の大工や木こりも切るのを反対した為、
わざわざ自分の領地から木こりを呼んで、切ったと言う事です。
大工も自分の領地から呼んで、その木を屋敷の材料にしたと言う話です』
『それに怒った精霊が子爵の運命を失意のうちに
亡くなる様に捻じ曲げた、と言うのです。』
「その中の事実の部分は?」
『大きなクスの木と木を切った話は事実です。』
『それから、広場には泉も有ったと言うのですが、
屋敷にはそれらしき物は有地ませんでした。』
「ふ~ん、もしかしたら、本当に精霊がかんでいるかもね。
でも、この前感じた人の気配が解せないか・・・。」
「取りあえず、私はその屋敷に行ってみます。
ロバートは、来なくてもいいですよ。だから、鍵頂戴。」
『承知致しました。此方に成ります。』
鍵を二つ、引き出しから出して、渡してくれます。
「鉄の鍵が門の鍵ね、。
すごいですね、家の鍵は金銀パラジウム合金ですか。」
鍵を受け取って、新しく購入した屋敷に歩いて向います。
直ぐ近くですからね。
門を開け、中に入ります。
まだ、手を入れていないので、草が私の背丈ほど有ります。
「早く、草刈して整備しなければ成りませんね。」
魔力探査で探ってみます。
〔ピチョーン〕
「やっぱり有りますね、人の魔力反応ですけど・・・。」
何か変です。
「もう一度〔ピチョーン〕。
人の魔力なのですが、個性が有りません。」
「10歳くらいの少女の基本的な、
まるで作られたような。魔力反応。」
「それです、この反応は造られた、魔力の反応です。
じゃあ、誰が、何のために?と言う事ですね。
直接会ってお話を聞いてみましょう。」
屋敷の中に進んでいきます。屋敷の玄関に着き、
鍵を差込ますと一瞬屋敷が震えたような振動を感じました。
無視して、ドアを開け、中に入ります。
ドアを開けたままにしたのですが、ドアから2,3歩進むと、
大きな音がしてドアが閉まります。
ひとの出入りが無かったせいか、埃が結構積もってますね。
碇石道理玄関の絵画のお目目が動きますが、
実際に動くのではなく、何か幻覚系の魔法が屋敷全体に掛かっていて、
その影響で動くように見えるのですね。
「私には幻覚系の魔法は聞きませんよ。」
声に出して、言っておきます。
玄関ホールを進んでいくと、飾ってあった甲冑がガチャガチャ音を出し始めます。
少し見ていると、台から下りて此方に来る様です。
しかし、覚束ない足取りです。
足元に転がっていたツボを蹴ってやると、見事に転びました。ガッチャーン!。
この甲冑を動かしているのはムービングに似ていますけど、
修練が足りないですね、宝の持ち腐れです。
次話:精霊の説明




