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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
367/971

367話 ラグジュと賢者の石

*****************出て来る魔物と魔法、魔道具の紹介**********

〔オーバーヒール〕:

   即死で無い限り全回復、(内臓が出てても、潰れていても復活)魔力30%回復

〔キュア〕:

   毒や病気などの状態異常を解消する呪文


ミックスポーション|(ララ特性)ポーション、マナポーション、ファテポーションの効果を有する。

下級:それぞれ20%回復

中級:それぞれ40%回復

上級:それぞれ60%回復

特級:それぞれ80%回復


賢者の石:

  シーサーペント等、魔力の大きな魔物の魔石を複数個用い、

  精製を繰り返す事で出来る。属性は精製する魔石の属性による。

  現在作れるのはララだけ。石の中に巨大な異空間を作る事が出来る。


精魔石の粉:

  賢者の石を作る為、魔石を精製した時に出る粉(不純物)

  空中に霧散する所をララが絡めて、粉状に纏めた物。

  触れて吸収と念じると自身の魔力に変換される。

ラグジュと賢者の石-----


『ララ様、8時です。』

「おハムぅ~ぅ~ぅ~。」

「あっと言う間にあさだよぉぅ~~~。」


「はい、はい、朝です。置きますよ。・・・」ベットからずり落ちます。

「う~、金リリたしゅけて~。」


『はいはい、クリーンだけじゃなく、ちゃんとお顔洗いましょうね。』

抱えて運ばれて、洗面台の椅子に座らされます。


「洗います、洗いますから横でタオル持って、恐い顔しないでぇ。」

『さっさとしましょう。』

顔洗って、お着換えして、身だしなみを整えて、はい出来上がり。


「最初は、何するんでしたっけ、ああ、ラグジュですね。」


「ライナ~、ラグジュ起きた?」

【はい、先ほどミックスポーションを飲んで、一息つかれたところです。】

「ラグジュー、出てこれる?それとも私がそっちに、・・・行けるの?」


『あぁ、ララ様。有難うございました。

 一度ならず、二度までも命を救って頂きました。

 この御恩、千回生き返ろうと忘れるものでは有りません・・・』


「ああ、分かったから、話が進まないから其処は置いといて。一度出ておいで。」

『はい、ララ様』ラグジュが出て来ましたが、よれよれです。


〔オーバーヒール〕「キュアも要る?」

『有難うございます、大丈夫です、魔力切れがひどいだけです。』

「じゃあ、精魔石の粉を試してみようか」『???』


「魔力の回復薬だと思えばいいよ。」精魔石の粉を出してと、

「ラグジュ、あんたムービング使えたっけ?」

『はい、腕に2本ぐらいなら出来ます。』


「じゃあ、大丈夫だね。」

精魔石の粉の入った瓶を取り出し、

ムービングを使って手のひらに一振り載せます。


「こうやって、瓶から少し出して、吸収と念じると、ドン、と魔力が入ります。

 やってみて。あっと、あんた手が無いから、体か翼に乗せて。」


『はい』翼に乗せましたね、

『吸収、うぉ!』「今のでどれ位入りました?」

『一気に二割程増えました。』


「ひと振り二割ね。満タンに成るまで、遣ってみて頂戴。

 でも満タン以上には成らないからね。」


「これは高価なものだから無駄にしないでね。」

『承知致しました。』


ラグジュが何回か精魔石の粉で魔力を回復させ、

『8割を超えました、有難うございます。』


『ララ様、これは、私も見た事も聞いた事も無い物ですが、

 どの様にして手に入れられたのですか?』


「私が作ったんだよ。まぁ、私しか作れないだろうねぇ」

意味ありげに微笑んでしまいました。

『教えて頂くわけには・・・』


ラグジュが上目遣いで見ます。やはり知識欲が高いね。

「これを造る過程で出来る物だよ」

炎の賢者の石、を取り出して見せます。


ラグジュが驚いた様に近寄って来て、顔を石に近づけます。

『ラ、ララ様これはもしかして、』

「そうだよ、賢者の石と言うらしいねぇ」


『ぶっ!』ラグジュが吹いてます。

『さ、先ほど、ララ様が作られたと・・・』


「うん、ラグジュに教わった方法で、これは地竜だけど、

 8個を精製して作ったんだよ。他にも、こんなのも有るよ」


シーサーペントで作った水の賢者の石、ユニコーンで作った風の賢者の石、

を出して見せると、ラグジュがブルブル震えて、


『出来たんだ、出来たんだ、

 私の理論は間違っていなかったんだ、やった、やったぞぉー!』

大きな声を出しそうだったので、慌ててシールドを張ります。


「ラグジュ、あまり大きな声は出さないで」

ラグジュが、満面の笑みを浮かべながら、

『申し訳ありません、つい、』


色々と思う事が有る様ですけどそれは後ほど。


「これを使って、お前の部屋を増築するか、

 他にも作った方がいいと思ってね。これが幾つか有れば出来るでしょ?」


『出来ます、出来ますとも、此処のお屋敷位の物はすぐに出来ます。』

「あんまり広くても使い勝手が悪いからね、

 広い屋敷に使用人が熊一匹ではしょうがないよ。」


『大丈夫です。私の眷属を呼んで、管理させますから、それにライナも居ます。

 彼女が居れば大抵の事は出来る様に成ります。』


「少し引っかかるんだけど、いい?

 ライナがそんなに有能には見えないんだけど?」


『彼女は自分より魔力が低い者に、体の一部を使って憑依し、

 自分と同じ意思と能力を持つ外観が異なる分身を造る事が出来ます。

 操るのではなく、忠実な僕の様な者です。』


「何それ、とんでもない能力だよ。」

『勿論、一度にたくさんは出来ませんが月に5人づつ増やす事が出来ます。』


「それでもとんでもないよ、

 一年で60人命令一つで命を懸ける僕が出来る事に成るよ。」


『いえ、そんなには出来ません僕とは魔力でつながっており、

 ライナの魔力からすると20人以上は絶対無理、

 それも上級のマナポーションを一日3回飲む様です。


 実際には10人程度が限界らしいです。

 それでも中級ポーションは欠かせないようですが、』


「分ったわ、少し安心した。

 もう一つ聞くけど、憑依する相手の意識や意思はどうなるの?」


『各人の意思、個性は保たれる様です。

 自分が嫌な事、道徳規範や命に係わる事に大きく外れる事は

 出来ないと言っておりました。』


「じゃあ、大丈夫ね、ラグジュ、貴方がきちんと管理してね。」

『はい、承知致しました。』

「この三つの石は上げるから、使い道は教えてね。」


『えっ!全部頂けるんですか?』

「多かった?」ラグジュが慌てて、

『そんな事はありません、大事に有効に使わせて頂きます。』


「それから、精魔石の粉も、もう一瓶上げから、クキも回復させてあげてね。

 元気に成ったら、彼女にも話を聞きたいわ。」


『承知致しました。』

ラグジュがラグジュの部屋に戻ります。


「あいつ、食事どうなっているんだろ?ま、いいか。

欲しくなったら言うだろうし。

魔族の事は分らんし、さて、狼の所に行きますか〔テレポート〕」


次話:ケンの嫁

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