362話 クキとラグジュの救助
*****************出て来る魔物と魔法、魔道具の紹介**********
もやもや水晶玉(ダーククリスタル):
スタンビートを起こす魔道具と考えられている。
クキとラグジュの救助------------
【こっちじゃ】付いて行くと、隣の部屋に向います。
そこには液体の入った大きなガラスの筒に入ったラグジュと、
隣に、もう一匹いますね。
「二人は生きていますね、」
【殺しては魔力を取れんからな。】
「何故、ラグジュなのですかこっちは誰ですか」
ライナがびっくりした様に名前を呼びます。
【クキ?クキよね。どうして?】
【ラグジュは何やら嗅ぎまわっていた様なので、捕まえて、
ちょうど良いから、1000年を生きる魔力をもらうことにした。】
【こっちの九尾属の娘は特別な魔力を持って居るので、
魔力を抜いている所だ。】
「特別な魔力とは?」
【この種族は、九つの属性の魔力を使う事が出来る。
どの魔法も反発せずに発動させる事が出来る稀有な魔力じゃ。
ダーククリスタルには必要じゃ。】
「この二人をこの装置から出してください。」
【一度止めると、動かすのに、大変じゃぞ。】
「問題ありません。止めて二人を出してください。」
博士が、装置をいじくり、液体を抜くと、
装置の下からラグジュと狐が、転がり出ます。
「この二人を蘇生させるのに何か処置が必用ですか?」
【2~3日寝せておけば起きるじゃろう】
ラグジュをラグジュの部屋に入れます。
「ライナ、こっちの狐もラグジュの部屋に入る?」
【大丈夫です、入れてあげてください。】
「ライナ、あんたも入りな。」
【はい】
「博士、誰の命令でスタンビートなど研究していたんですか?
誰に方法を聞いたのですか?」
【男爵が連れて来た魔法使いみたいな者に渡された資料が、
このスタンビートに関する物じゃった。】
【これは物凄い物じゃわ、夢中に成ってしまったわい。
そろそろ、研究に戻りたいのじゃが、】
魔眼が切れかかってます。
〔魔眼〕〔魔眼〕〔魔眼〕〔魔眼〕〔魔眼〕〔魔眼〕
トリプルのダブル掛け!!
「その魔法使いは何者?」
【しらん、ゲメネとか言っておった、
男爵も何か視線が定まってなかったから、あれは操られていたな】
「うっ、此処でゲネメですか。」
しかも男爵も操られていたのでは
ゲネメの足取りを探るのはここでは無理そうです。
「ラグジュからどれ位の情報を引き出したのですか?」
【強情な奴で、多少の苦痛ではびくともせん、
魔法をかけても中和するしな、やっと取り出したのが、
仲間がキロの街のダンジョンで冒険者をしている事、
名前はサンチェス。これだけじゃ。これだけ引き出すのに、
あやつ、ひん死に成りおったわ。】
【サンチェスとやらを捕まえて、黒幕を見つけないとまずいでな。
わしらがスタンビートの研究、実験をしている事がばれると、
何かと面倒に成るからな。】
「この件は他の者や、特にゲネメは知って居ますか?」
【まだ報告しておらんが、あやつの事だその辺に、
監視の魔物でも居るかもしれんがな。】
【キロの街の冒険者の件を知っておるのは、わしだけじゃ、
男爵もラグジュが嗅ぎまわていたので捕まえた事までしか知らんな。】
(AIマスター、監視の魔道具、魔物、遠隔装置、魔法や
監視に類する気配は感じられますか?)
《全く感じられません。》
(ここで私達の情報が止まっていると有難いのですが。)
(この屋敷のあちこちに、監視装置を付けれないですか?)
《外には通信不可能ですょ。》
(安全な所に受信機を置いて、それをチュー太Dに回収してもらい、
重要な内容はちゅー太Dのマジックポシェットに入れてもらえば、
私のマジックポシェットと繋がっているから、受取れますよね。)
《うっ。出来ます。》
(この方法は気が付かなかった様ですね、念話が通じるなら、
完全に遮断されている訳では無いと考えるべきです。)
監視装置は黄金虫タイプ。20台程、私のポシェットに送られてきました。
ポシェットから出して、放ちます。適当に外に散らばるでしょう。
受信機もポシェットに送られ、簡単な仕様書、取説は情報転送されたので
両方共、チュー太Dに送ります。
チュー太Dに
(「今後の活動は、監視装置から受信機に来た情報の管理。
必要な情報は、通信機に外付けのマイクロチップに入れ、
マジックポシェットに入れて私に連絡する事です。」)と念話連絡。
AIマスターへの質問からここまで、一瞬で終わりました。
念話は送受信に成れるとイメージで送れるから、
短時間、一瞬で済むから便利です。
「博士、ゲネメの風貌を教えてください。
強くイメージして、私に念を送ってください。」
【う~ん、こんなもんかな。】
博士から送って来たイメージは以前、
王都の貴族アトルア子爵から得た物とほぼ同じでした。
「フェルゼン商会のアクセルと言う者を知って居ますか?」
【フェルゼン商会かどうか知らんが、アクセルと言う魔族が時々男爵様に
会いに来ておるぞ、胡散臭い奴じゃ。】
「何を話しているか知りませんか?」【知らん】
「アクセルとゲネメが繋がっている事は無いですか?」【知らん。】
「アクセルが人間の国へ出かけているのは知って居ますか?」
【知らんが、ふ~む。どうやら、男爵に通行証をもらっていた様じゃな。】
「どうして、判るのですか?」
【なに、この前、執事に通行証の発行を頼んだら、
またかと言う顔をされたのでな。通行証は結構金額が張るそうだからな。】
アクセルがゲネメに近い存在だと言う事が判りました。
「アクセルの人相、風体を教えてください、イメージを送ってください。」
【こんな感じじゃったと思う】う~ん、私も会った事無いですね。
チュー太Dにもイメージを送ります。
「チュー太4、こいつ要注意人物。」
『承知致しました』
次話:研究所の爆破




