359話 ムウとマウ
*****************出て来る魔物と魔法、魔道具の紹介**********
角兎(ホーンラビット):肉食で体長1m程。額に角の生えた兎、魔力が多いので旨い
オーク:二本足、二足歩行の豚。手は5本指。知能は高い。豚肉
ムウとマウ----------
【お前達、ムウとマウ?間違いないのか?】
ムウが説明します。
【私たちはムウとマウで間違いないですよ。
そこのラナ様に助けて頂いたのです。】
【なってぇこったい】ジョージが天を仰いで、
【1000年探して、助けようとして叶わなかった望みがここに居るのか・・・】
ぼたぼたと大粒の涙がこぼれます。
【まず、お礼を言おう、有難う。私に出来る事なら言ってくれ。】
【ジョージ待って】ムウがジョージの言葉をさえぎって、
【私達もまだお礼も言っていないんだよ。
ラナ様、有難うございます。ライナから話を聞きました。】
「お互いの情報を整理しよう。まず、みんなの共通部分はラグジュだね。」
ジョージが今日二度目のびっくりです
【何で、ラグジュ様がここで出て来る?】
「そうですか、そういう認識ですね。判りました。
私の事から説明しましょう。」
「ラグジュとは人の国で消えかかっている所を、
私の眷属としたのが始まりです。」
ここで全員がびっくり。
「私が守ろうとしているお方が魔国の者に
害されようとしている情報を掴んだため、
情報を集める為、ラグジュが魔国に 潜入したのです。」
「しかし、数日たっても連絡もない、帰還もしない。
四方八方探しているうちに、私の人の眷属が
魔国の者に襲われようとしていると言う情報を掴みました。」
「これは絶対ラグジュが関係していると思い、
罠を張って、ライナを捕まえたのです。」
「次はライナ、説明できる。」
【はい、頑張ります。】
「簡単にね。」
【大長編冒険物語をしようと思ったのに。】
「そういうのは、後で本でも書きなさい。」
【良いんですか?】
「世に出すには私の閲覧、監査が必用ですけどね」
【え~。駄目じゃないですか、それ。】
「ほれ、頑張って説明しな。」
【昔、ラグジュ様が住んでいた屋敷で働いていた所、
兵士がドカドカやってきて攫われ、連れて行かれた先で、
ラグジュ様が筒の中でプカプカ浮いてました。
攫ったのは、マロン・グラッセ男爵の所のモンブラン博士です。
その博士にラグジュ様を助けたければキロの街に居る冒険者を
攫ってこいと言われて、兵士と出かけたのです。】
【結局、ラナ様につかまりました。】
【その後、ラナ様に説明すると、ラグジュ様を助けて頂けると言われ、
此処に居ます。ムウとマウは魔国に潜入する途中に居たので、助けました。】
「あっさりと説明出来たな、関心関心。」
ジョージが不思議そうに、
【しかし、人の国からどうやって、この魔国にやって来たんだ?】
「ダンジョンに古い門が有ると聞いて、そこから来ました。」
【げっ。じゃあ、転移装置なしで、ダンジョンを渡って来たのか、?】
【そうです、ラナ様は、とても強いです。
みんなあっという間にコテンパンです。】
なぜがライナが得意そうです。
(『ラナ様、ラナ様、私をジョージに預けてください。
ここに避難できれば、ご安心でしょう。』)
突然のチュー太Dの申し出にびっくりしましたが、
これ以上拒否しても、良くないと思ったので、
「チュー太D出ておいで。」
ポケットから出て、肩に乗ります。
ジョージが今日何度目かのビックリです。
「この子はチュー太D。私の眷属で、主に偵察などを行います。
だけど、強いですよ、頭も良いですし、話せます。ライナより賢いかも。」
「この子をここに置かせてまらえませんか、
家賃は払いますし、食事も世話も必要有りません。」
(『チュー太Dと申します。お願いします、此処に居させてください。』)
念話でチュー太がジョージに頼みます。
【良いも悪いも宿賃を払えばお客だ、問題無い。いや、此方の方こそ頼む。】
「宿代は、人の国の金貨じゃ拙いだろうから、目立たない魔物のと言えば、
角兎なら山ほどあるけど、オークがいい?」
【いや、角兎の方が目立たない。何匹有る?】
「10万匹」【十匹じゃあ、ちょっと少ないな、】
「違う、十じゃない、十万よ。」【・・・俺の聞き間違いだよな、ン?十万?】
話が進まないな、「好きなだけあげる、何処に出すの?」
【後で、下で、100匹でいい。保管庫に入らない、頼む。】
「分かったよ。」
「さて、これからだけど、グラッセ男爵の屋敷は警備が甘々で、
ラグジュが捕まっている研究棟は扉が開けっ放しだったよ。これから行って、
ラグジュを助けに行っても問題なさそうだし、ぐずぐずしてるより、
さっさと済ませて、帰ろうと思う。」
ジョージが、びっくり大安売りです。
【か、仮にも貴族の屋敷に侵入した所を見つかれば、
ただでは済まない・・・。】
「見つからなきゃいいのさ、フランとライナ、そろそろ、行こうか、
そこの二人はどうするの?」ムウとマウが答えます。
【私たちに行くところは有りません、ラナ様、御一緒させてく
ださい。きっとお役に立てて見ます。】
「ライナはどうするの?」
【私も、一緒に居たいです。
お願いです、私達をラグジュ様のお傍に置いてください。】
【【【お願いします。】】】三人声をそろえて頭を下げます。
「じゃあ、ムウとマウ、ライナはラグジュの部屋に入って、
私とフランで研究棟の中までいくから、そこまで、ライナは待機ね。」
【【【はい】】】
次話:魔国の拠点




