333話 オト様
オト様-----
オト様の事は、大海王様の使者で、
今回の事を知り合いに相談したら、大海王様に取り次いで頂き、
御使いのオト様を使わして頂けた事にしましょう。
庭に到着しました。移動しながら、
眷属たちに念話で簡単に状況報告をしてもらいます。
問題無い様です。ドアをノックします。
『どちら様でしょうか。』
ありゃ、そうですね。
髪と目の色が変わっているから、分からないのですね。
「私だよ、ララだよ。」
『げ、姉さん。』すぐにドアが開きましたが、
連れの二人を含め、三人を見た途端、口を開けて茫然としています。
この格好を見れば、仕方ないか。かまわず、中に入って。
「全員を集めなさい。グラディスとエンドラも呼ぶわ。」
念話でグラディスとエンドラにも集合を掛けます。オト様には、
こんな事も有ろうかと、ラボで用意した一人掛けのソファーを出し、
座って頂きます。みんな、おっとり刀で飛んで来ます。
「全員揃いましたね。」眷属たちにも視覚共有で認識してもらいます。
「こちらは、オト様、大海龍王様の御使い様で有られます。」
「オト様、僭越では御座いますが、
わたくしから、説明させて頂いて宜しいでしょうか。」
オト様が、鷹揚に頷きます。
「では、今回、オト様がおいで下さった事に付きまして、
説明いたします。」
「今回の事に付いて、大海龍王様とお話が出来る者に相談した所、
大海龍王様からご連絡があり、御使い様を顕現させるので、
頼るが良い。とのお言葉を頂きました。」
「今回、私はオト様のご案内役として、お傍仕えさせて頂きます。」
「いつもと異なる風体に付いては、御使い様の側近として、
恥ずかしくない様にと言う配慮からと、
本来の私に繋がる情報は出来るだけ伏せた方が良いとの事からです。」
「お部屋は、私の部屋が空いていたと思いますが、
その隣も空いてますか?」
サンチェスが回復し、『空いております。』
最敬礼で答えてくれました。
「食事はいらない、必要な時以外は、外へは出ないし、
私とリナが居れば問題ない。
「後、私はこの格好の時はラナと言う名前に成るので注する事。」
「では、オト様、御部屋に案内させて頂きます。」
オト様を案内して、居間に戻ります。
「少し、補足説明をするよ。オト様は、人じゃないから、
食事もトイレもいらないよ。」
「もう一つ、おそらく、遣って来る悪魔の手先は
黒まくと視覚聴覚をモニタリングされているはず」
「オト様の存在を、強大な力を持つ、
大海龍王様の眷属が近くに居る事が判れば、
こちらから手を引くのでは無いかという目論見も有ります。
どちらにしても私が、ヴラド家の者が関わっている事は
気付かれたくない。」
「お前達は、いつも通り、生活してくれればいいよ。
でも、そろそろ、攻撃に出る頃だから、気を抜かないでね。」
「じゃあ、グラディスとエンドラは戻っていいよ。」
『はい。』「何か有ったら、いつも通り念話で連絡頂戴。」
『『『『『承知致しました。』』』』』
「私は部屋に戻って居るからね。」
部屋に戻ります。少し早いけど、ポウの所に行ってみますか。
次話:ポウとオト様




