330話 出張願い
出張願い---------
次は、ご主人様の所です。ドアの前ですコンコン、「ララです」
『入りなさい』中で一礼します。
執務室の中はご主人様と執事長の二人でした。『どうしたのだね。』
「はい、最近の状況説明をさせて頂きます事と、それに伴う、対応の為、
2週間ほど王都に主張と言う事にして頂けないでしょうか。」
『ふ~ん、まず、状況説明から聞こうか、ソファーにすわりなさい。』
「はい、」
ご主人様も向かいに座ります。
「黒幕が、少しずつ動きだしてきております。
以前、貴族が前執事長を襲ったとのお話をしたかと思いますが、
その貴族に黒幕居る事が判ってきております。」
「目的は、ルビ様、稀有な魂を持ち、精霊たちにも慕われる存在。
そのルビ様を狙っている存在、悪魔か魔族、
あるいわ、それに近い者だと思われます。
ルビ様を捕らえてどの様にするのかはわかりません」
「しかし、ルビ様にとって、望ましい未来ではない事は確かです。
今回、キロの街に居る私の眷属が、
その悪魔に狙われているとの情報が得られました。」
「情報原は神界に近い者とだけしかお話しできません。」
「また、数日前から、私の眷属の一人が、情報を集めて来ると言って出たまま、
連絡が取れなく成っております。死んではいないことは確かです。」
「おそらく、行方不明の眷属は捕らえられて、
何らかの方法で情報を抜かれたと考えられます。」
「ただ、私や、ご主人様方に危害を加えないのは、眷属が抵抗し、
私やご主人様の情報を秘匿したと思います。」
「しかし、付き合いの短かかった、キロの街の眷属の事は隠し通せなかった、
あるいは、私たちを秘匿する為にそちらの情報を渡したと考えられます。」
「今回は、更なる情報を得るため、殺すのではなく、確保や、情報収取を
優先してくると思います。この為、私たちは、逆に襲撃者を捕らえ、
その者から、情報を取り、囚われた眷属を救出したいと思います。」
「その準備と、救出の為、2週間のお時間をいただきたいのです。
勝手な事なのは十分承知しております。」
「しかし、このまま放って置く訳にも行きません。
申し訳ありません。ご許可下さい。」
『そんな事に成っているのか、それならルビを王都に
避難させておいた方が良かったか、』
「いいえ、もし、王都でスタンビートなど起こされては
防ぎようが有りません。ここならば、戦力も有り、準備も出来ます。」
「いざと成ったら、逃げる事も可能です。ルビ様は必ず守ります。
それが私の存在意義でも有ります。」
ご主人様は、しばらく考えた後、
『結局、ララ、お前に頼るしか無いのか、無力だな、私は、』
『出張は問題無いとして、私に出来る事は無いのか?』
「一つ、お願い出来ますでしょうか、」
『何かな?』
「執事長様や、メイド長様には以前、お伝えしたのですが、
火災訓練、等行って頂けないでしょうか。」
(AIマスター、こっちの世界でも作れるような、
消化弾みたいなの、用意出来る?)
(後、ロシナンテの馬車移動や、
ロバートとの対応も、執事長に伝えておいて。)
《承知致しました。》
「一旦、事があった場合、逃げる訓練も含め、情報の伝達、行動指針は
絶対必要と成ります。どうか、お願い致します。」
『わかった、お前としてはすぐにでも出たいんだろうな。』
少し考えた後、執事長とメイド長を呼びます。
ノックがして、二人が来た様です。
二人が入室して来たので、立ち上がり、礼をします。
ご主人が、『ララが、何やら厄介ごとに首を突っ込んでいるらしい、
また、王都、分邸のロバートの所に行かなければ成らない様なので、
暫く、不在に成るが、対応出来るな、』
『『承知致しました。』』
執事長が、『屋敷の者には明日の朝にでも連絡致します。』
『期間は2週間から三週間くらいかな』
ご主人がララを見ながら、確認を取るように反します。
ララが慌てて一礼をします。
『では、その様にしてくれ。』
二人が退室した後、ララが、長い時間仕事を中断させたことを詫び、
退室します。次は奥様ですね。
次話:ラグジュのお話----------




