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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
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狐と蛇

狐と蛇 -------------3/20


夜も更けた頃、何やら騒がしい。大き目の魔力が二つ、争っているらしい。

「いつの世も、どこの世界でも弱肉強食は有ります。

  生きるための殺生、食べる分には許されるのでしょう。」


「あちしは、お腹が減って動きたくありません。」

暫くすると大人しくなったが、大きな魔力が二つとも消えそうになっている。


大きな魔力のせいで気が付かなかったが、

小さな魔力が一つ、大きな二つの魔力の傍でうろうろしている。

「ん?、親が死んで子が生き残ったか?」


余計なお世話と思ったが、なぜか気に成り、行ってみる事にした。

「おなか減ってるのに、私は何をしているのでしょう・・・」

などと、自分に愚痴を言いながら行ってみると。


大きな蛇、私の胴回り程のミケ蛇(3色三毛猫色)が

狐(だと思う)の頭を銜え込み動かなくなっている。


狐の方はもう魔力も感じられないので死んでいるのだろう。

子狐が一匹、蛇に銜えられている親狐のしっぽを引っ張っている。

「無理でしょ。」


蛇の体から流れる血を見た時、突然、心臓がドクンと鳴った様な気がした。

体の芯から湧き上がる渇望感、あの血が欲しい!!


自分の感情、欲求に戸惑っていると突然頭の中に声が響く。

【頼みが有る、私の体をささげる!私の子供を助けて欲しい。】


「え!・・」

戸惑っているとミケ蛇の目が此方を見ているのが判った。

「これは、受けなきゃダメなパターンでしょ。」


「でも蛇って子育て・・する?。あぁ、今はどうでもよいわ、後で調べる。」

独り言のようにつぶやくと、巣の場所とイメージが頭に飛んできた。

直ぐ横の藪のなので覗いてみると、荒らされた巣があった。


「蛇のおっかさんが外出中に子蛇が狙われたんだな」

「戻ってくると食事中の狐とばったり・・・。そりゃ怒るわ。」

「わかった、安心して、生きている子供は私が引き取る。」


安心したかの様に母蛇の魔力が静かに消えた。

急いで巣を見ると子蛇は全部ダメでした。

「此れじゃ、おかーちゃんの血ももらえないよなぁ。」


「ん?巣の端に白い物が、卵だ。まだかえっていないいない卵が有ったんだ・・」

「これ、かえるかなぁ。取りあえず預かるね」

「ポケットじゃ割れそうだから、細長い葉っぱを丸めて卵をくるんでと・・・」


小さなマジックポーチを探って、

「確かポーチが有ったはずだから・・・。これ大した物は入らないんだよなぁ」

「あった、あった。ポーチに入れて内ポケットに入れておけば、と。」


「壊れない様に、おかーちゃん守ってね。」

祈るように服の上からさすってみた。

「これでおかーちゃんの血がもらえるね。」


母蛇の所へ行き、手を合わせて黙とうしてから首元を噛んだ。

力が、魔力が飛び込んできた。

「ぐっ!。思い出した、この感じ・・・。私はダンピーラ・・」


視線を感じ、ふっと横を見ると子狐が一匹此方をにらんでいる。

気が付かなかったが、後ろの方で違う子狐が血を流して死んでいる様だ。

「お前の兄弟も逝ったみたいだね。仕方ない、お前も来るか?」


それを聞いた子狐はふっと表情を緩め、崩れる様に腹ばいに成り、

動かなくなった。

「ありゃ~。駄目だったかねぇ。」

傍によって様子を見てみると


「お腹は、おぅ、心臓は動いてると、後ろ脚の片方が変なほうに曲がっているなぁ」

「他は、外から見る限りは問題なさそうだけどウ~~ン。

  痛みと空腹、安心感で気が抜けて気絶したかな?」


「取り合えず、今は治せないので、

蛇母さんから貰った魔力を与えて眠らせておきましょうか。」

マジックポーチから紐を出して、足を落ちている枝と草で固定する。


死んだ子狐を見て、

「う~~ん、死体も持って、行きましょうか、

  死んだ兄弟はまだ生きている子の役に立つかもしれないし。」


「このポーチじゃあ、あとは、兄弟蛇くらいしか入らないなぁ。

  おっかさん達はこれには入らないからなぁ、埋めるか・・・」

地面に手を当て、土の精霊を呼び出す。


「この二匹の死体を埋めたいので死体の下を深めに掘ってください。」

ズン!!と音がしそうな感じで地面が下がり二匹の死体は穴の中。

「上に土をかぶせてくださいな」


こんもりとした小さな小山が出来たので、上に木の枝を十字に結んで刺した。

「さぁ、帰って寝ましょう。疲れました。」

ケガした子狐を抱いて木の上で寝る事にしました。


「それにしても、子狐も私の言葉が判ったのかなぁ・・・。二匹とも魔物かぁ?」

「目が覚めたらお腹減っているかな、う~ん、狩りでもするかぁ。あれ????」


「狩の仕方が判らない、魔法の使い方も・・。出来るのは妖精との会話だけ??」

「全部忘れてる!!。

  あぁ、緊急退避LV9は研究所に帰る為の最低限の記憶しか積めないんだ。」


「こういう時は身の安全を確保して、研究所への帰還を最優先とする。

  だから今は北天星が見える時間まで木の上でじっとしている事にします。」

「結論が出たので、木の上で寝る。お休み・・・。」


次話:鳥

☆¨*:♦.,☆¨*:♦., 初期設定2 ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,


住んでいる星-----------

惑星の名前:アルス

周囲:41000km

重力:1.05

月 1つ直径3500Km(地球の月よりちょびっと大きい。)


時間の設定---------------

一秒:地球とほぼ同じ。

一分:60秒

一時間:60分

一日:28時間。

一週間6日

一ヶ月:30日

一年:10か月:300日:8400時間

うるう年無し。


季節------------------

一月:木芽月(春始め)

二月:花月

三月:誕生月

四月:雨月

五月:乾月

六月:嵐月

七月:豊穣月

八月:落葉月

九月:長夜月

十月:寒月


お金の単位:デル------------

一億   白金貨

一千万 大金貨

百万   金貨

100000 小金貨

10000 銀貨

1000 小銀貨(8角)

100 銅貨

10 小銅貨

1 鉄貨(賤貨)


1デル≒1円

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