299話 古着屋支店の相談
古着屋支店の相談-----------
さて、シーサーペントの料理を堪能して、
部屋に戻って、みんなに預かった服を渡します。
と、ダリンが<サンサから話は聞いた。>
「あんた、古着屋の主だよ、しっかりやんな」
ダリンがぽかんとした表情をしています。
「何、ボケた顔してるの、
サンサがおかみさんで、あんたが旦那さん、
主でしょうが、しっかりしないと置いて行かれるよ。」
意味が判って真っ赤に成ります。
「小さくてもいい、
明日あんたの気に入った指輪買っといで、」
小金貨一枚を渡します。<こんなに・・・>
「それはあんたが稼いだお金だ、いいね。」
<有難うございます、
俺、なんか、色々上手く行かなくて、
先が見えなくて、いらいらしてたんだ。>
<もしかしたら、これで兄弟達も養えるかもしれません。
有難うございます。>
「その兄弟たちが、また、
違う街に古着屋の支店を出せたらいいね。」
<そうなれば・・・。俺、夢が広がります。
頑張ります、絶対に。>
「その気持ちを忘れないで、絶対忘れないで。」
〔魔眼〕
この気持ちだけは忘れてはいけないと、
思わず魔眼を使ってしまいました。
「サンサを捕まえに行きなさい。」
<この恩は・・・>
「言葉はいらない、行動で返して。」
<はい、はい、俺こんなに感動したの初めてだ、
あははは・・・>
「私は忙しいから、失礼するよ」
ロバートを探すと、料理長の所だそうです。
ちょうどよかった。
「料理長。これ上げる」
「何で後ろに飛ぶのさ。!」
『いや、またすごいのが出るかと思って。』
「全く、いつもいつもは・・出ました、
シーサーペント」
「あげる」
「それから、カカオパウダーと寒天パウダー、黒砂糖。」
「ハーブティーの材料は雑貨屋に沢山あるみたい、
調合しても美味しいよ」
「遠心機もいらない。ロバート、頼みがあるの、
明日、冒険者登録に付き合って。」
「朝ご飯食べたらすぐ行きたい。」
『承知致しました。』
「明日は本邸で忙しいから、
早めに帰らなきゃいけないし。」
「古着屋のメンバーは適当に
部屋をあてがってちょうだい。宜しくね。」
ヒュプノ探知機と覚醒機の設置にキロの街に飛びます。
次話:狼の嫁探し




