296話 ララスペシャル
ララスペシャル-----------
「疲れた~。みんな、お茶しよう。」
『<さんせー>』
ケティに近くのお茶屋さんに、案内してもらって、
御菓子は御勧めで持ってきてもらったら、
出ましたプリン、
「ケティ、これは、」
『はい、領主さまには内緒のお店、2号店です。
そしてこれがお勧め、ララスペシャル!』
「ズル!!」思いっきり滑りました。
「はぁ。」ため息も出ました。
「その件はもういいゃ、好きにやって。
ただ、ララスペシャルなら、
生クリームを本物で作ろう。」
「そして、クリームだけじゃなく
てベリーが欲しい。」
『メモメモ!』
「ケティがメモ?」
「もしかして、
貴方、ロバートに何か言われていない。」
『ギクリ!、執事長に、
ララ様には隠し事は出来ないから、
正直に言う様に言われました。』
ケティが決心した様に続けます。
『ララ様は、何気に、
ものすごいアイデアを仰るので、
聞き逃さない様に、言われてきました。』
「じゃあ、一つ、教えます。
濃い目、硬めのプリン、ハードタイプ」
「形は四角、カラメル少な目、
ホイップクリーム多め。」
「濃いお茶に会うよ。」
『おおぅ。すごいです、
想像しただけで、ジュルリ物です。』
『くぅ~~!。これでまた世界が広がります。』
「この子の世界は、御菓子の家ですね。」
『今何と、何と仰いましたか!』
「お菓子の家だよ」
『腰が砕けそうになるアイディアです。』
「あははは、」
「プリンを薄焼きクッキーのお家で囲むのかい?」
『それ、すごいです、夢の世界です。』
「分かった分かった、
もういいよ、お茶を楽しもう。」
皆もビックリしている様です。
<ララ様、何処からそのような
アイディアが出てくるのですか?>
「ロザリ、神託でも有ったかの様に言わないでよ。
あたしゃ普通のメイドだよ。」
みんな無言に成りました。
「ひどい、私は絶対普通のメイドだからね。」
所で、サンサ、あんたどこの出身?
<ん?ペンタの街だよ、
ああ、ララ様には言ってなかったね。>
<両親はそこで宿屋を遣っているよ。
ダリンの家はうちの隣で雑貨屋やっていてさ、
兄弟が多くてさ、まぁ、どっちも口減らしだね。>
「ダリンが年下だよね。」
<あぁ、私が二つ上だね、
昔っから、喧嘩ッ早くて、家追ん出されたんだ。>
<一緒に来てくれって言われて。
私の父ちゃんと母ちゃんに言ったら
付いて行けって言われた時にピンと来たね。>
<あたしも追ん出されるんだ、てね。>
<まぁ、二人で手っ取り早く食っていくには、
冒険者しか思いつかなくてね、>
<幸い、人より多少強いから、
オクタの街で2年目。まだ生きてるよ。>
「父ちゃんと母ちゃん、恨んで居るかい。」
<全然。だって、それが当たり前だもんね、
時々元気しているかなぁ、と思う事は有るけどね。>
「サンサ、ペンタの街で古着屋やってみないか?」
サンサがびっくりした顔でララを見ています。
「同情とかでは無くて、私は信頼できる仲間が欲しい、
今はメイドの仕事も好きだし、
ルビ様のお傍仕えも誇りに思っている。」
「でもルビ様が、お嫁に行く時は、
リリ姉に任せて、お屋敷を出るつもりだよ」
「その先は、色んな仲間と一緒に仕事をしたい。
私の目標は、親を亡くす子供を、無くす事。
私は本当の仕事は薬師なんだよ。
私の薬で救える親が、子供が居るなら救いたい
それにはお金がいるんだ。」
「薬の原料は高いから。
自分で集める事も出来るけど、
そうすると薬が作れないんだ。」
「だからみんなに助けて欲しい、
そんな仲間が欲しいんだよ。
サンサ駄目かな?」
あれ、泣いてる?
<私で良いんですか?>
「何を言っている、サンサが良いんだよ。」
「ダリンも、護衛でいいし、もしかしたら、
兄弟達も雇えるかもね。
私の知り合いをしばらく付けるから、大丈夫だよ。」
「今回の仕入れ分は、一緒に仕分けや値段付けをして、
お店の運営を添い得てもらうといい。」
「勿論、ダリンと一緒に護衛と言う事で、雇うからね。
モリエールとマミーも教えてあげてね。」
話を聞いていたモリエールとマミーが、
『<任せてください。>』
声が揃いました。
次話:金物屋さんと雑貨屋さん




