水龍姫
水龍姫------------------
さて、帰りましょうか「え?」「誰か呼んだ?」
誰かに呼ばれた様な気がして振向きましたが、
誰もいません。気に成ったので探査してみます。
〔ピチョーン〕湖の中からふわっと
大きくてきれいだけれどとても弱い反応が返ってきました。
何でしょう、そこに行かなければ成らない様な気がします。
こういう時はたいてい関わっているんですよね、あの爺さん。
(AIマスター私水の中平気だよね。)
《極端な深海でない限り問題有りません。》
(極端で無い深海は良いのかな。)
(行ってきまーす。どぶん、ぷくぷくぷく。
何処かなぁ、こういうのはたいてい真ん中だよね。)
(深いなぁ、おっ、定番の大きな岩の横穴、
ここをくぐると空気の有る所に出ないよ~~~。いいけど。)
中に入ってみます。少し進むと広い所に出ましたが、居ます。
白い龍(ドラゴンではありません)が、
とぐろを巻いて首を胴体に乗せています。
元気がない様です。
取りあえず、〔ハイヒール〕白い光が龍の体を包み、光が落ち着くと、
〖有難う、泉を魔物から守ってくれたのですね〗
「失礼を承知でお伺いいたします、貴方様は?」
〖良いわよ、もう直ぐ消えてしまう最下級の定命の龍よ〗
「え?、龍が定命?」
〖ああ、知らないのね、
不死と言われている龍でも位の低い物は定命なのよ。
一番位いが高いのが神、龍神ナーガ様ね、
その次が八大龍王と呼べれている方々、龍王ね。
次が元素を表す色を名に持つ龍、白龍とか青龍とかね。
次が特別な場所を、龍王によって権能が与えられ、
守っている龍、その地の名前が付いた龍、
最期が私の様な、力や知恵も能力も無い龍、
お試しに任された地を守り抜けば、まだ、望みが有ったけど、
私みたいに、見知らぬ者を助けたはずなのに
知らないうちに力を吸い取られてしまう様なものは、
最下級の龍として、消えていくわ。
軒を貸して母屋を取られるとはこの事、それでも、
少し前は大海龍王の第三王女で「善如龍王」の末子 水龍姫として、
少しは龍王様に目を掛けていただいた時も有るのよ〗
この人はやさしさに溢れている。このまま消えてはいけない、
どうする、どうしたらいい、最初から、分かって居るのに、
マニを差出すしかない事を。でもそれではあの爺さんの思い通り、嫌だ、
一つの体に二つの自我か、共に相性が良ければ、混じり合う事が出来る。
たいていは何方かを飲み込む形で決着がつく。
並列存在は不可か?一つの体を二人が共有、片方は眠る?
見えて来た。どんなに仲が良い姉妹でも喧嘩はする。
そんな時逃げ込める部屋を造ればいい。
マニの母たる蛇娘、アボの魔石と龍の魔石二つの魔石を融合させて、
ペンダント化して、この中では喧嘩はしても相手を傷つける事は出来ない。
互いの魔石に守られる、冷静に成れる。
この為にはお互いの魂の親和性を近づけなくては成らない。
龍に私の眷属と成ってもらうしかないのだが・・・説得出来るかな。
「あなたにお願いをしたい、どうか、生きながらえてもらえないだろうか、」
〖無理ですよ、先ほども言ったように、私はもう直ぐ無に帰ります。〗
「一つだけ、方法が有ります。聞いて頂けますか、」
〖聞くだけならば、いいでしょう。〗
「有難うございます。これには、段階を踏まねばなりません。
私は吸血鬼に連なる光の属性を持つ特異種のダンピーラです。
最初に私の眷属に成って頂きます。
此れだけでは、貴方の力、魂の格が違うため、
私の持つ不死性は引き継げないかと思います。
その為、一つの体を用意します。この体は大白蛇の子供、卵ですが、
水精霊神ウインディーネ様の加護を受けた神の使徒だと思います、
事実、神界に行ったときに土精霊神ノーム様にその様に教えられましたので。
この子の魂も生かしたいのです。
一つの体に二つの自我では窮屈だと思いますので、
私の持って居ます、この子の母、大白蛇の魔石と、
貴方様の魔石を融合し、精魔石を作り、ペンダント化します。
このように(レミの入った魔石を見せます。)
ここには二人一緒でも、一人でも入れます。
疲れた時、喧嘩した時など、ここに来れば休めます。
如何でしょうか、許可を頂ければ、ここで精魔石を作り、
貴方様の自我を移し、持ち帰る事が出来ます。」
〖それで私は滅しないのか?〗
「自我が保たれますので消滅では有りません。
体は私のマジックバックに入れて置きます。」
〖面白いですね。どうせこのままでは滅する身、遣ってごらんなさい〗
次話:ポウ




